福島第1原発:「透視」画像公表 大きな燃料確認されず

毎日新聞 2015年03月19日 20時04分(最終更新 03月19日 22時23分)

宇宙線を利用して撮影した福島第1原発1号機の原子炉内部※東京電力提供
宇宙線を利用して撮影した福島第1原発1号機の原子炉内部※東京電力提供

 東京電力は19日、宇宙線を利用して福島第1原発1号機の原子炉内をエックス線写真のように「透視」した画像を公表した。原子炉圧力容器内の核燃料が収められていた位置に1メートル以上の大きな燃料は確認されなかった。燃料の大部分が溶け落ちたとする東電などの計算結果が裏付けられた。

 原子炉の内部を、直接画像で確認したのは初めて。今後、格納容器下部にカメラを搭載したロボットを入れ、溶け落ちた燃料の場所などを調べる。

 調査は、宇宙から降り注ぐ宇宙線が地球の大気に当たって生じる素粒子「ミュー粒子」を利用。ミュー粒子はコンクリートなどは透過するが、核燃料のように密度の高い物質には吸収される。2月12日〜3月10日に撮影した結果、本来燃料があった場所は白っぽく写り、燃料がほとんど残っていないことが確かめられた。今回の調査では1メートル程度の大きさの燃料が検知できるという。【斎藤有香】

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