アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第9話 明日って今さ!(前編)
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アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第9話 明日って今さ!(前編)

2015-03-19 03:12
  • 2
 
 ニコ動で『デレアニ』9話 配信中!



 「あーしーたーから、本気出すよ!」の杏の本気がこんなにもスペック高いとは!

○チーム『CANDY ISLAND』のシンプルな成長の物語
 それにしても、今回もシンプルに美しい成長の物語だった!
・珍しく曇り顔のかな子
 今までずっと皆を励ます側だったかな子だけど、いざデビューするとなるとやっぱり緊張はしちゃうんだよね。元々緊張しやすい智絵里ちゃんもいて、いつもぐーたらな杏もいて、このチーム意外とスタートダッシュが大変そうだ。パッション代表の未央や大阪代表のみくのようにバラエティに慣れているわけでもない。

しかしそれでツッコミの練習というのもどうなんだwww

 チームワークもなんだかうまくいかない。「おー!」も合わないし、名乗りも合わない。

 普段ぽやっとしてる二人だけど、早口になっちゃうくらいに焦ってる。ここの演技がすごくいい。

 
 しかも番組内容はクイズじゃなく体力勝負に変更、お客さんも多く、戦いも熾烈で、さらに罰ゲームは青汁、負けたらバンジー行き。智絵里ちゃんはショックのあまりヘタっちゃう。今回この三人、喜怒哀楽でいうと哀の表情が割と多い。


 でも、それをちゃんと克服出来た。
 プロジェクトで一番のんびり屋のかな子だけど、持ち前の前向きさでいつでも先頭きって頑張っていた。このチームの大黒柱だ。

 今回、シーンによって太ましさレベルが上下するんだけど、その、どのシーンでも割とその、すごく抱き締めたくなるムッチリぶりで非常に良い。

・一番曇り顔の智絵里ちゃん
 プロジェクトで一番臆病な智絵里ちゃん。でも、Pの励ましやかな子の頑張りを受けて勇気を出す。

「みんなに勇気、もらえたから、一緒にやりたい!」
しっかりと、思いやりと勇気がこの娘達の中で循環している。今回もまた美しい支え合いの物語。
・そして何より今回の主役! 杏の『本気』がここまでとは!

冒頭から「誰だお前は!?」って感じで出落ちをかます。杏は『印税』のためならここまで頑張るw 番組に登場する時もこの上ないくらいの営業スマイル。


 そして、杏が本気を出したのは、『仲間』のためというのも大きい。

智絵里ちゃんの言葉を聞く杏の表情が凄く良い。7話の時のように、まっすぐ、意思を固めながら聴く。ここで「仕方ないけど頑張るかー。バンジーもヤだしね」って、勝ちへの気持ちを固めたんだろう。

○杏の本気と、智絵里ちゃんの克己
・杏が働く理由
 杏が、本番に向けて練習復習してる2人を尻目に飴をバリバリ食いながらだらだらしてるのは、まあ杏は常にだらだらしてんだけど、あの時点での杏の目的が『印税』『ボケが温いと言われたのを見返す』であって、必ずしも勝ちにいっていないから、

二人とは温度差があったからなのよね。だから「お前誰だ!?」ってくらいの笑顔もするし、ドヤ顔であのシャツも着るし、挨拶はテレビ慣れしてない二人を尻目に自分一人だけカメラ目線でキメてしまう。『印税』のためにスタンドで頑張るけど、勝ちへの執着は薄い。そして冒頭で未央から「ヌルいボケ」って言われたのを結構根に持ってる。杏なりに負けん気を見せている。

このあざといほどのアピールの上手さ。これが杏の本気の片鱗。

 ドヤ顔で「働いたら負けTシャツ」着る杏といい、快進撃の最後の最後で「ごめん、わかんない(ニッコリ」の杏といい、引退宣言でボケる杏といい(これはちょっと本音が入ってるかもw)、冒頭で「ヌルいボケ」と言われたのを真っ向から意趣返しする杏はホントにプロだよ。

 でもちえりちゃんが挫けそうになって、かな子が励ます。そしてちえりちゃんが前を向く。ここで杏は7話の時のようにまっすぐ話をきいて「仕方ないから本気で勝ちに行くかー、バンジーもヤだしね」ってことで本気を出す。『バンジー回避』のためと、『仲間』のために、「明日から本気出すよ、いや、今ここから本気出すよ」とクイズを頑張る。杏が本気出す理由が、『飴を食った』からとか『印税』のためだけとかじゃなくて『仲間のため』っていうのが良いよね。思い返せば、6話や8話でちゃんと仲間に拍手やビデオメールを送ってたり、7話じゃNGをちゃんと心配したりしていた。意外と仲間思いな子なんだ。いままでずっとシンデレラプロジェクトから、そして物語から少し浮いた位置に居た杏だけど、ここにきて彼女たちの物語にピッタリハマった。

・本日の『時計』
 そういうわけで杏は本気を出す。「おー!」も揃う。『本日の時計』も一分進む。で、最終戦とオチに繋がる。『本日の時計』が最終戦手前にあったのが象徴的だよ。三人の目的が「勝利」に向けられて、杏の「おー」が二人と合って、チームが笑顔になって、それこそが成長であって、ゲームの結果は二の次。彼女たちらしい、そしてバラエティらしい問題設定。



ここの、「仲間を励ましてちょっと照れ気味」の杏がすごくいい。

かな子が切り込み、智絵里ちゃんが杏を助け、杏が突破する。



・杏のオチ
 杏、怒涛の快進撃でクイズを片付けまくる様は驚愕の一言だ。『印税』のためにアピールチャンスをゲットしなくちゃならなくて、未央から言われた『温いボケ』に意趣返しもしたくて、罰ゲームの『バンジージャンプ』も回避したくて、そして『仲間』のために頑張りたい。今回、杏が働く理由がこんなにもあった

その快進撃の最後の最後で「ごめん、わかんない(最高の笑顔)」でオチを付けるのもうまかった。「勝ちに行ったけど、まあしかたないか、オチもつくし」って所だろうか。愛梨も腹抱えて笑ってるし、大阪人みくが見ていても満足のオチだろう。

・この三人のオチ
……そこで終わらないのがこのチームであり、このお話。

「杏が最終問題に応えられなかったのは智絵里ちゃんへのパス」という意見もあるみたいだけど、智絵里ちゃんが答えを言おうとした際の杏の反応を見るに、やっぱりアレは単純に『分からなかった』だと思うのよね。あるいは「解らないけれど、杏なりに番組にオチをつけようとした」。だからこその「わかんない(最高の笑顔)」だと思う。
 ここでオチを付けて冒頭の「ボケがヌルい」を見返していれば、杏の物語としては完結。適度にオチがついて、未央とみくのことも見返して、そこそこ美味しく終われる。だけど、その杏のファンブルを智絵里ちゃんが拾うのが最高なんだよ。智絵里ちゃんは杏からのパスじゃなくて自らの足で決めに行った。それこそが智絵里ちゃんの克己であり誇り。誰かに助けられて、じゃなく。

「お仕事、またできるんだ」

あの一番怯えていた子が見せる確かな成長。仲間が勇気をくれるから、もうバンジージャンプだって怖くない。三人の中で最も前に進んでいく。 いつも「小さな幸せをあげたいな」と言っている子が、Pとかな子と杏から勇気を貰って最終的なゴールを決めに行く。美味しいだけじゃない。この三人の物語も最高に美しかった!


 名乗りの息もピッタリ合うようになった。


 ツッコミも冴え渡るようになった


 そして何より笑顔でお仕事に向き合えるようになった。お客さんを「カエルさん」として見る必要もなくなって、そこに仲間の姿も認められた。


この三人が見せてくれるこの笑顔、最高に『俺らが還る場所』って感じだ。これがチームとしてのこの三人のオチ。素晴らしい。


○ちゃんちゃん♪
 しかしまあ、そこに至る前の、この「昭和か!」って感じの『ちゃんちゃん♪』オチもすばらしかったw この面子らしい、可愛くて面白くて清々しいオチだ。お気楽で楽しくて、ちょっぴり感動できて、しっかり笑える。9話まで来て、このキュート三人衆使って、ここまでバラエティ的なお話に出来るのマジすげえ。

「頑張ったけど及ばなかった」「引き分けもバンジーとは知らなかった」だけなら「そんなつもりじゃなかったのに~」(ちゃんちゃん)じゃないんだよね。それだと言葉の辻褄が合わない。「智絵里ちゃんのバンジーを回避するために頑張ったのに、その頑張りが智絵里ちゃんを勇気づけた結果、むしろ智絵里ちゃんはバンジーOKになっちまって、要するに頑張り損になった」から「そんなつもりじゃなかったのに」だと思うのよ。智絵里ちゃんの成長までもをオチに使って、杏にこの表情をさせる。落ちたな。ああ落ちたな。

 いやー、「杏はあのぐう聖少女達の中で唯一ぐう畜を貫いて、最高の『ちゃんちゃん♪』オチを見せて欲しい」と思っていたけど、「杏のぐう聖ぶりを発揮させた上で『ちゃんちゃん♪』オチを付ける」という、本当に良い意味で斜め上の脚本。もう平伏ですわ。8話の「蘭子の個性に向き合うP」と共に9話の「仲間とともに頑張る杏」がいて、もうこのアニメ何だって出来るだろ。


○いつでも強靭なかな子
 今回、かな子は常に最前線で頑張ってたよ。楽屋でも頑張ってクイズの勉強をしていたのが土壇場で役に立った。今回、智絵里ちゃんと杏は瞬発力担当だけど、その二人を常にグッと支え、最も正統派に活躍していたのがかな子だった。

このホッペムニっとしてるかな子が可愛い。
 智絵里ちゃんが「バンジーでも大丈夫」と言い出してこの表情。

 成長を見守る友達の表情。
 この、いつも他人を慮っている子が見せるがんばりが、言葉ではなく行動で智絵里ちゃんを勇気づけた。そういうのって凄く『アイドル的』だ。


○ハピハピデイズ♪
 新曲『Happy×2 Days』。普通にキュートらしい、奇を衒わない可愛らしい歌

……と思ってたらEDのグータラップで頭をガツンとやられるからな! こんなところでもオチ付けやがって!



 というわけで、本日の主役の三人でした。もう人組の主役については中編、そして色々と議論が紛糾してるっぽい『この番組そのもの』については後編で。


 Cuを代表する三人がそろったキュートチームだけど、単に可愛いだけじゃない。それこそ不条理でキュートで、でも頑張り屋で仲間思いな女の子達なんです。ちゃんちゃん♪

 それでは、佳きアイマスライフを。

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かな子の裏リーダー説を唱えていた自分としてはかな子の動きに大変満足しています。常に前向き、行動力もあり、智絵里が落ち込めば即座に身体を張る宣言で励まし…でも「強靱」なのは片腕で杏ちゃんを支えていた智絵里の方では(^_^;)
7時間前
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9話の主眼は「杏が本気だした!」「ちえりちゃんが成長した!」なので、かな子の動きは見えづらいですよね。リーダー的な立場で明るく前向きにチームを導き、先頭に立って道を切り開いて、時には土台の部分でチームを支え、さらには縁の下の力持ちとしても活躍する。派手な活躍はないものの、一番大切なのはそういう子なんですよね。
5時間前
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