虹色岬


所詮は棘皮動物の言うことなので、余り真に受けないで頂けると幸いです。

アニメや漫画やなんやかやで、「料理ができないヒロイン」という要素は、割と散見されるものではありますが。
無粋と分かっては居ますけど、敢えて言わせて欲しいのです。
…ぶっちゃけ、無いよね。
煮るか炒めるかして、塩胡椒か醤油、もしくは焼肉のたれでも適当に振り掛けておけば、そこそこ食べられるものが完成しますよね。

◆【彼と後輩】

「もはや、昔のことではあるのだが」
「おお。先輩の、昔語り」
「自炊を初めて、一年間。俺は、包丁さえも所持してはいなかった」
「――大胆告白っ!?」
「料理を得手とする君にとっては、奇妙に響く事柄かも知れないな」
「え、えー。奇妙というか、何というか、あの、……包丁は、どうしようもなく、要りますよね……?」
「まあ、聞くが良い。……もやし」
「もやし!」
「焼き蕎麦」
「やきそば!」
「レタスや豆腐は、手で千切る」
「手でちぎる!」
「フライパンか片手鍋、一つの容器で事足りさせる」
「ことたりさせる!」
「と、まあ。……このような具材を用いた、このような具合の調理を行えば、包丁その他の調理器具は、特に必要がないということだ」
「あ、あはは。典型的な、おとこのりょーりってやつですね」
「料理と呼べるかは、疑問であるが。しかしともあれ、可食の何かは完成し得る」
「うわあ……」
「そして勿論、味付けは――」
「え、えっと。――焼肉の、たれ?」
「大正解だ」
「……先輩……」
  1. 2015/03/17(火) 01:18:15|
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