奇跡が起きている。

2012年の12月に発表した『「意識高い系」という病』に追加注文が殺到しているのだ。首都圏を中心に、4桁を超える注文が入った。

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このように、書店での再展開が始まった。AmazonでもKindle版では200位台〜500位台をいったりきたりしているし、紙の本の方も好調。

要因は、NHKのBSプレミアムでドラマが始まったこと、そして「意識高い系」というキーワードが話題になっていることからだろう。

摩擦を恐れず、尖ったテーマを書いたからでもある。「意識高い系」をタイトルにした本は、これしか存在しない。このことについて論じる際に、必ず言及される本になった。

何より、私自身、「意識高い系」問題について、自分自身が過去に意識高い系だったこともあり、これは若者を露頭に迷わせると思い、オピニオンを発信し続けてきた。

2011年のエントリー
残念な「意識の高い学生」で終わりたくないアナタがこだわるべきこと

2012年のエントリー
「意識高い系」を一発で黙らせる7つの最強鬼畜フレーズを伝授するぜ!

2015年のエントリー
職場にはびこる「意識高い系」という名の病 NHKドラマに人材マネジメントの課題を見た!

要するに意識だけ高くてもダメということ。

いや、実は意識が高くないのではないかとすら思ってしまう。

意識も、知識も能力もない。

そして、この前のNEWS PICKS騒動でも体感したことだけど、意識高い系を炊きつけている人は、プロフィールも実力も怪しい。このサービス自体、意識高い系の巣なのだよね。

既存の権威を否定し、煽ることで、彼らの企業や団体のリクルーティングが可能になるし、支持者も増える。投資家も期待する。投資家も確信犯で、中には実態も伴わないのに、マネーゲームに参戦する。

なんかこう、意識高い系経済圏ができているかのように思えてしまう。

そうそう、意識高い系若者応援おじさんの特徴。

よく意識高い系批判の記事を書くと「頑張っている若者を批判するな」という話になるが、彼らは、普通に大学を出て、地道に伝統的な企業に勤めて努力する人たちを肯定、礼賛しない。

このあたりもポイントだ。

で、日本の大企業を批判することで、彼らは自分をアピールしようとするけれど、日本の大企業は奥が深いと思うのだ。

というわけで、意識高い系とのハルマゲドンに没頭中だが、そんな問題意識が込められた本だから、2年経っても売れるのだと思う。もっとも、完成度には自分でも反省点があり、またこのテーマでは書きたいと思っている。

ぶっちぇけ、2年前は早すぎたと思っている。あと、帯は若者に警鐘を鳴らす系のメッセージだったけど、それよりもこういう人たちがいまっせとアピールした方が売れたかな。



今月出る本は、この本と繋がっているとも言える。地道に生きることを肯定する本。期待して欲しいな。棚橋弘至選手との対談も、いい感じ。

さあ、今日も楽しく行きますかね。