までぇに 街いま
河北新報社夕刊編集部さん

2012/04/27 14:00

連坊 その1 御菓子処モリヤ/大学魚店

 「までぇに街いま」取材班は4月、若林区の連坊界隈にお邪魔しました。五橋から仙台一高あたりまでですね。 「むにゃむにゃ通り商店街」などには個性的な店やスポットがたくさんありました。仙台二華中・高、連坊小路小学校も紹介しますよ。

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 デジタル編集部の大泉です。

 最初にお邪魔したのは仙台一高の北西側にある和菓子店「御菓子処モリヤ」(若林区連坊2丁目1-61)です。
 店主の森谷幸男さん(69)が1972年に開いた店は今年、開業40周年の節目を迎えました。専務を務める二男の隆之さん(42)夫婦と、見習いを含めた4人の職人と共に、工房で一つ一つに心を込めて和菓子作りに励んでいます。
 「スーパーでも手に入るような商品を並べていたんではだめ。うちだけの味、専門店ならではの特色に、これからもこだわっていきたい」と決意を新たにしています。
  ↓四季を感じさせるモリヤのお菓子


 昨年の大震災後は、発生翌日から4日間、手製のおしるこを連日300食無料で振る舞い、地域の人々から感謝されたそうです。
 和菓子文化の伝承にも熱心で、職人の育成に努めてきました。同店を巣立っていった職人は20人以上。家業を継いだり、自ら店を構えたり、東北各地で活躍しているそうです。
 しかし、震災による津波で、弟子の一人が岩手県大槌町で営んでいた店が流失。昨年末、仮店舗でやっと再開にこぎつけた際は、森谷さんは親子で駆けつけて菓子作りを手伝ったそうです。

 「和菓子は春夏秋冬と共にある。野菜も果物も花も、ハウス栽培が広がって季節感が失われつつあるけど、和菓子はそこを大事にしたい」。そんな思いから、メッセージには「杜の四季を菓子に託して」と記していただきました。
  ↓孫の愛美ちゃん(4)を抱く店主の森谷幸男さんと、同店で菓子職人として修業中の(右から)久光静香さん赤間晴佳さん


 「お客様に『おいしかった』『きれいだ』と言ってもらえるのが、菓子職人の喜び。自己満足に陥らないように鍛錬を続けます」
 パクリと一口いただく側は簡単ですが、和菓子の道を歩むのは決して甘くないと再確認させられました。

 御菓子処モリヤ 022(257)1415
 午前9時〜午後5時(無くなり次第閉めます) 水曜定休


 御菓子処モリヤから西に約100メートル。「大学魚屋」(若林区連坊2丁目2-11)は昭和初期創業の老舗鮮魚店です。
 現在の店主・大学成(しげる)さん(46)は3代目。店頭のショーケースには、成さんが市場で選りすぐってきた旬の魚をずらりと並べています。カツオ、タコ、ブリなどの切り身の他、カジキやサケなどの西京漬けには「当店手づくり」の文字が光ります。
  ↓店主の大学成さん


 刺身は成さんと二人で店を切り盛りする母・喜英子さん(70)の担当です。夫の孝一さんに先立たれて12年。「お客さんとのよもやま話が、この商売の何よりの楽しみ。寂しさも随分まぎれました」と振り返ります。

 魚をさばいて売るだけではありません。「串で刺せる魚なら、その場で何でも焼きます」というのが、同店が守り続けてきた流儀。店頭での焼き売りは、かつては鮮魚店のポピュラーな光景でしたが、今ではめっきり少なくなりました。
  ↓ショーケースに整然と並んだ魚の切り身。頼めばその場で焼いてもらえるのが、同店の魅力


 焼き代は1串50円。食べたい魚を選び、「これを焼いておいて」と頼んで商店街の他の店などに買い物に行く、そんな常連客も多いそうです。
 近所の商店主有志9軒でつくる「ズームイン連坊」というグループの取り組みとして、月3回のイベント日には、焼き代が無料になるそうです。

 震災時もプロパンガスが燃料の、このグリルが力を発揮。震災翌日から地域の人々に焼きたての魚を提供し続けました。
 「商店街(連坊商興会)は今年60年の節目。今後は地下鉄も開業し、街並みもまた変わるでしょうけど、顔を合わせれば客も店主も学生も子どもも、みんながあいさつを交わすような連坊の雰囲気は、大事にしていきたいですね」と話していました。

 大学魚店 022(256)1989
 午前10時〜午後7時 日曜・祝日定休