明日には出せるかなあ・・・・
しかし,こんだけ一般的な判例などの法的根拠を並べてさえも,裁判所は恣意的な判決を下そうとしとるのは自明やしなあ・・・
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平成26年(ネ)第6480号 債務不履行等請求控訴事件
控訴人 大西 秀宜
被控訴人 株式会社 AKS
キングレコード株式会社
グーグル株式会社
控 訴 人 準 備 書 面 2
平成27年3月15日
東京高等裁判所 第23民事部 御中
〒 121- 0813
住所 東京都足立区竹の塚1-29-11 菅野ビル401(送達場所)
控訴人 大西 秀宜 印
電 話 070-6969-9177
1.本資料の趣旨
本審は本年3月2日(月)に結審したが,結審時に主張したとおり,被控訴人キングレコード準備書面(1)に対して,法律解釈の基本的な誤りなどがあり,反論する事項があるため,反論する。
2.主張する内容
被控訴人キングレコード準備書面(1) 内, 第2 控訴理由に対する反論に対する反論 1 控訴の理由第2について について,控訴人は全てに対して争う意思があるが,夫々重要なものより主張する。
なお,被控訴人キングレコードによる記載は斜字体とする。
その1 2 控訴の理由第3について (6)について 被控訴人らの主張ならびに原判決は,①個人情報保護法の運用に基づかない違法収集証拠に関して,②控訴人に対して不利益な判断を為した上で遡及適用し採用している件
仮に控訴人の主張が正しいとすると,個人情報取扱事業者は,第三者と連絡や会話を交わした際,当該第三者に対して持つに至った印象や感想などをすべて当該第三者にその場で通知しなければ個人情報保護法に違反することになってしまう。このような解釈が極めておかしいことは一般人でも容易に理解できることである。
被控訴人キングレコードは以上のとおり主張する。
もちろんその場においての会話について,担当者が感想を抱くのは当然であるし,さらには他の担当者に対して「匿名の者の主張として」伝言することに関しては問題とはならない。
個人情報保護法が問題とするのは,当該第三者に対して持つに至った印象や感想などを,「個人を特定して」被控訴人キングレコードなり被控訴人AKSなりが事業者として共有する場合であり,控訴人は原審当初よりこの点に関して問題として主張している。
もちろん,当該“(6)について”に示す会話内容に関して,控訴人に重大な法律違反行為が存在すれば,被控訴人らはそれを防止することを優先するために,民法第720条に規定する正当防衛と判断され,損害賠償の責任を負わないことと同様に,個人情報保護法の各項に違反する運用の責にも問われない場合があり得ると考えられる。
然るに控訴人の場合は,被控訴人AKS自らが,第1準備書面(被告AKS)において,7頁最下段にて控訴人が当該握手にて罵声を浴びせていないこと,並びに12頁最下段にて控訴人が被控訴人AKSから出入禁止措置を取られていないことを記載している。
さらに控訴人の場合は,控訴理由書13頁にて述べたとおり,以下の通り主張する。
被控訴人AKS は,控訴人に対して,ファンレターの内容が問題であると主張していないことを,被控訴人AKS だけでなく裁判所も認めているのであるから,岩田華怜に対するファンレターの送付に関する法的関係において,控訴人に瑕疵はなんら存在しない。
以上を総合すると,控訴人に対して被控訴人AKS は①控訴人によるファンレターの送付が問題であると主張した事実はなく,その上で②平成25年11月23日における当該握手において控訴人が岩田華怜に対して罵声を浴びせたこともなく,問題となる事実がないからこそ③控訴人は被控訴人AKSから出入禁止措置を伝えられていないのであるから,①~③により,控訴人に関する個人情報を,「個人を特定して」被控訴人キングレコードなり被控訴人AKSなりが事業者として共有することは,個人情報保護法第16条において規定していない内容であり,違法である。
原審判決のごとく“社会通念”を前提として個人情報保護法第16条に規定しない方法による収集を認めた場合,被控訴人AKSをはじめとした者が,控訴人をはじめとした第三者に対して,「社会通念上問題である」と判断した時点から個人情報を収集していいこととなり,個人情報保護法第16条において,あらかじめ本人の同意を得ないで個人情報を取り扱ってはならないとされていることに明確に反する。
また,個人情報保護法第16条3項二及び三には,同法16条1項の適用除外理由を以下のとおり定めている。
二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
しかし控訴人の為した岩田華怜へのファンレター送付に関してはいずれも,第1準備書面(被告AKS)頁2において被控訴人AKSが認めていることからも(被控訴人AKSが毎日のように控訴人を見かけていたことは,原審判決文において前提事実として認めていないが),“本人の同意を得ることが困難であるとき。”とは到底認められない。
それでも裁判所としては,岩田華怜が泣き崩れた平成25年11月23日における会話後に被控訴人AKSらが収集した情報に関しては,法的関係を精査した後に,やむを得なかったと判断することも,控訴人の主張とは異なるとしても可能であると控訴人は考える。
然るに,たとえば第1準備書面(被告AKS)頁15中段ないし頁18,並びに被告キングレコード準備書面(1)頁11ないし頁12に記載する内容に関しては,平成25年11月23日よりも前に,控訴人に関する個人情報を,「個人を特定して」被控訴人AKS及び被控訴人キングレコードが事業者として共有していたことを主張するものである。
被控訴人キングレコード準備書面(1)においてもその旨新たに主張が為されている。
2 控訴の理由第3について
(3)(控訴人略)
控訴人の主張が何を意図したものかまったく理解不能であるが,原判決は,控訴人が岩田に出していたファンレターの内容のみを取り上げたのではなく,それ以外にも控訴人が岩田に対して行っていた数々の言動(それらについては控訴人自身も認めているものである。)を「社会通念」に照らして判断し,被控訴人キングレコードらが握手を拒否する正当な理由があったと判示しているのである。
控訴人は被控訴人AKSに対して,ファンレターの内容について問題ないことを,平成25年11月23日よりも前に何度も確認した事実があるのである。その上で被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードが控訴人に関する個人情報を収集していたとすれば,それが仮に“社会通念上”ふさわしくない内容であろうとも,このような資料の存在は,個人情報保護法第16条において規定していない内容であり,違法である。
また,控訴人が平成25年11月23日よりも前に何度も確認した事実があるため,民事刑事を問わず訴訟において一般的とされる不利益不遡及の原則(最高裁第3小法廷平成8年3月26日判決(朝日火災海上保険(高田)事件),東京高裁平成18年4月19日判決(高宮学園(東朋学園)事件)など)が該当する。
このため,後者判決文中における“規定未整備の時点に遡及して不利益を課すことは信義則に反し許容できないとした。”に照らしても,被告AKSの行為は“控訴人にファンレターに関する問題について通知していない時点に遡及して不利益を課すことは信義則に反し許容できない”ことは自明である。
裁判所は“社会通念”に優先して,①個人情報保護法の運用に基づかない違法収集証拠に関して,②控訴人に対して不利益な判断を為した上で遡及適用しているかどうかについて検討する必要があるが,このような検討を一切することなく,控訴人の行為のみに焦点を当て,ふさわしくないと判断している。
控訴人が違法収集証拠と判断する根拠は,たとえば東京地方裁判所平成18年6月30日判決(違約金等請求事件)において,違法収集証拠と判断する根拠として
その証拠が,著しく反社会的な手段を用い,人の精神的,肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって収集されたものであるなど,それ自体違法の評価を受ける場合は,その証拠能力も否定される
と判示されたことに該当する。
個人情報保護法第16条等の運用に則っていないファンレター収集は,“それ自体違法の評価を受ける”に明確に合致するために,違法収集証拠である。
裁判所がそれでも,控訴人がファンレターを出し続けたことを問題視するのであれば,控訴人は再度不利益不遡及の原則を主張する。
控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードは,第1準備書面(被告AKS)頁15中段ないし頁18,並びに被告キングレコード準備書面(1)頁11ないし頁12に記載する内容に関して,控訴人に対して被告AKS郡司は平成25年11月23日,第1準備書面(被告AKS)頁7項32において,控訴人のファンレターを岩田華怜に対して渡していると主張し,特に問題点を指摘しなかったが,実際は個人情報として収集していたことになる。
控訴人のファンレターに関しては,仮に“社会通念上”ふさわしくない内容であろうとも,事前の本人の同意の必要性を示した個人情報保護法第16条,ならびに取得した個人情報の利用目的の通知の必要性を規定した第18条に対応して運用せねばならないところである。
ところが,被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードらから,控訴人はなんらの注意も受けなかったのであるから,甲第9号証ならびに個人情報保護法各項を善意に解釈し,控訴人にとりたてて問題はないと考えていたのである。
仮に控訴人が平成25年11月23日以前より,ファンレターの内容が問題であると,被控訴人AKSらから指摘されれば,具体的にどこが問題なのかを確認した上で,改善する努力をしたはずである。
控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードは,控訴人に関して収集したファンレターや,そこから抱いた感情について,事業者として連絡を取り合う前に,①控訴人に対して個人情報として収集したこと,さらには②それが問題であることを主張すべきであったし,そのような状態で控訴人に対して為した判断に関しては不利益不遡及の原則が当てはまり,無効である。
このため,少なくとも平成25年11月23日以前に被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードにおいて控訴人に関して行われたやりとりに関しては,個人情報保護法第16条において規定していない内容であり,また控訴人が提示した証拠を示してそれが“社会通念上”問題と判断するとしても,被控訴人AKSにおいて個人情報保護法第16条及び第18条が遵守されていれば,そのような内容を控訴人が書くはずはなかったのである。
このため,東京地方裁判所平成18年6月30日判決に照らしても,控訴人の為したファンレターに関しては,それを“社会通念上”問題と裁判所が判断する以前に,証拠能力を否定されるべき違法収集証拠に該当する。
なお,被控訴人AKSは,控訴人は被控訴人AKSがファンレターの内容を閲覧することを許諾していた旨を主張しているが,それはあくまで個人情報保護法ならびに甲第9号証に示す内容に則り,個人を特定せず機械的に,問題のあるファンレターを検閲し,問題があれば返却(ないし,甲第9号証に記載はないが,業界内における一般的慣習として改変)することについては認めていただけである。
甲第9号証に示す内容において,個人を特定して問題人物として被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードの間にて個人情報を収集することまでは控訴人は認めていないし,個人情報保護法第15条に規定する利用目的として,“被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードの間にて個人情報を収集する”ことを一般人が認知するに十分な記載であるとは到底認められない。
その2 その1により,以下が否定される。
1 控訴理由書第2において
(1)控訴人は,控訴理由書第2において,原判決が時系列の因果関係を恣意的に誤ったなどと主張する(控訴理由書3頁)。
2 控訴理由書第3において
(1)控訴人は,控訴理由書第3において,「争いがない事実のみを判断材料としており,争いがある事実に関して因果関係を基に法的関係を検討したとは到底いえない」などと主張する(控訴理由書7頁以下)。
(控訴人により(2) 途中より抜粋)
同(3)(19頁以下)において被控訴人AKSのなした行為が不法行為にあたるか否かについて具体的に認定及び判示しているのであり,事実及び理由についての検討が不十分であるなどということはまったくない。
被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードが,個人情報保護法第16条などに違反した不法行為により収集したと控訴人が主張するファンレターについて,不法行為の事実認定を行うことに優先して,”社会通念”を当てはめて裁判所が控訴人に不利な判決を下すことは,東京地方裁判所平成18年6月30日判決における判例をはじめとるする違法収集証拠排除則に則っておらず不当である。
なお不法行為の事実認定に関しては,控訴人,被控訴人双方に争いがあるのが通常であり,裁判所が不法行為の事実認定することなく違法収集証拠を採用するのは恣意的であり認められない。
その3 1 控訴理由書第2において
(2)また,控訴人は,控訴理由書第2において,原審における被控訴人AKSの準備書面における記載が控訴人に対する名誉毀損であるなどと主張する(控訴理由書5頁以下)。
その4 1 控訴理由書第2において
(4)控訴人は,原判決が,被控訴人キングレコードらがAKB48のメンバーに対して性的な表現を含む歌を歌わせることについて判断していないことを論難している(控訴理由書14頁)。
しかし,かかる主張は,そもそも,控訴人自身が求める請求の内容とは何らの関連性も有しないものである。
その5 1 控訴理由書第2において
(5)控訴人は,原判決が,書証を1通も提出していない被控訴人AKSの主張を採用していることが恣意的であると主張するが(控訴理由書15頁),民事訴訟の基本原則をまったく理解していないものであり,そもそも失当である。
控訴人は,民事訴訟において控訴人(原告)が,被控訴人(被告)の不法行為の存在を証明した場合,証明責任が被控訴人(被告)側に転換されることを主張しているものであり,控訴人(原告)は被控訴人AKSによる個人情報保護法第16条などの違反に関して,裁判官が事実の存否について確信を抱くに足る証明したのであるから,被控訴人AKSは個人情報保護法第16条などに違反した理由について証明する責任を持ち,それは準備書面上のみにおいて立証できるものではないと主張したものである。
その6 1 控訴理由書第2において
(7)(控訴人略)
平成26年10月13日の握手会において控訴人が岩田と握手した事実が仮にあったとしても,当該事実は本訴訟における請求を基礎づける事実とは何らの関係もないものであるから,控訴人の上記主張は本件控訴理由としてはそもそも失当である。
判決文において,被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードが遵守すべき”義務”について認定されているのであるから,当該義務を被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードが遵守していないことは,判決文の前提とする条件に関わることであるので重要である。
そもそも,”その1”において控訴人が記載した通り,判決文において認定された義務自体が違法収集証拠を前提としたものであるために,そのような義務の存在が認定されるはずはない。
その7 1 控訴理由書第2において
(8)(控訴人略)
かかる主張は,請求1が給付請求であるのに対し,請求2が確認請求であることについての理解をまったく欠いたものであり,そもそも失当である。
控訴人の主張に依ることなく,裁判所が判決の前提とする基礎に変わりはなく,同一の判決文において使われる用語及びその解釈は統一されねばならず,給付請求の場合と確認請求の場合において使われる用語及びその解釈が統一されていないことは,十分問題である。
その8 1 控訴理由書第2において
(9)(控訴人略)
原判決は,被控訴人キングレコードの上記行為が独占禁止法第19条に該当しないとの法律上の判断を明確に示しているのであるから,控訴人の主張は失当である。
― 以上 ―
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