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<チュニジア>武装集団が博物館襲撃8人殺害、立てこもり

毎日新聞 3月18日(水)21時41分配信

 【カイロ秋山信一】チュニジア内務省は18日、首都チュニスの国会議事堂に隣接する国立バルドー博物館が武装集団に襲撃され、外国人7人を含む観光客8人が殺害されたと明らかにした。国営メディアが報じた。死者の大半は欧州出身者との情報がある。武装集団は2〜3人とみられ、さらに10人以上の観光客を人質にとって博物館に立てこもった。議事堂に向けても発砲し、治安部隊と銃撃戦になっている。

 内務省や地元メディアによると、武装集団は18日午前11時(日本時間午後7時)ごろ、博物館を襲撃し、3時間半以上も博物館に立てこもっている。自動小銃を所持し、軍服で変装して、博物館に侵入。1人が治安部隊に拘束されたとの情報もある。襲撃当初、博物館内には100人以上の来場客や職員がいたが、大半は屋外に避難した。残った人質の数や国籍は明らかではない。在チュニジア日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報はないが、引き続き確認を急いでいる。

 国会議事堂やバルドー博物館は、チュニス中心街から約4キロ西にある。同博物館は古代ローマ時代のモザイクのコレクションで知られ、外国人観光客に人気の観光地。

 チュニジアでは2011年の民主化要求運動「アラブの春」でベンアリ独裁政権が崩壊した後、南西部の山岳地帯や南東部のリビア国境などでイスラム過激派の活動が激化しているが、首都の治安は比較的安定している。ただ昨年10〜12月の議会選と大統領選で、政教分離主義の世俗派が勝利したことにイスラム過激派は反発を強めていた。

 チュニジアは「アラブの春」の先駆けとなり、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)の台頭など混乱が続く中東で、民主化のモデルとしての役割が期待されている。

最終更新:3月18日(水)23時18分

毎日新聞

 

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