(テーマ音楽)
白い雪を頂く那須の山々
太平洋へと流れ出る清流那珂川です。
全長およそ150km
その中流にある栃木県那須烏山市
かつては城下町として栄えた歴史ある街です
一年を通じて豊かな恵みをもたらす那珂川
冬でも釣り人の姿を多く目にします
風がまだまだ冷たい。
光は暖かいんですけどね。
あっ木の舟がたくさん並んでる。
きれいな形の舟ですね。
釣り人がいますね。
何釣ってるのかな?こんにちは。
何を釣ってらっしゃるんですか?オイカワです。
オイカワ?はい。
寒くないですか?寒いです。
あっ釣れた釣れた釣れた。
釣れましたね。
やっと釣れた。
うわ〜それがオイカワ?はい。
へぇ〜元気だ元気だ。
オイカワはコイの仲間。
この時期那珂川でよく釣れる魚です
舟に石や竹の棒を積み込む人たちがいました
地元でサイと呼ばれるニゴイを取る那珂川独特の漁です
会社勤めのかたわら50年以上漁を続けてきました
狙うのは冬場動きが鈍くなり水深の深い所に集まるニゴイ
長年の経験から見当をつけ30mほどの網を張っていきます
石投げっと。
(水面をたたく音)
棒で水面をたたいたり石を投げ込んだりしながら追い込みます
取れた。
ニゴイです
50cmほどの見事なニゴイが5匹かかっていました
今日の漁はどうでしたか?今日の漁は不漁。
えっ?不漁?不作だな今日は。
でも一匹一匹が大きいから食べでがありますね。
食べである。
漁のあとは川の恵みを味わいます
清流に育ったニゴイの刺身。
川魚独特の臭みがありません
地元で人気なのはニゴイの煮こごり
ゼラチン質の多い身をぶつ切りにしてじっくり煮込みます
うまい!
ニゴイの刺身に煮こごり。
那珂川の冬のごちそうです
うまい。
これみんなで食べてっからおいしいんだよね。
いや1人でもうまいよ。
好きな人はな。
那珂川があるから結局楽しい人生送れてるんじゃないですか俺らも。
魚釣り好きだから。
丈夫なら15年20年那珂川とおつきあいすると思う。
那珂川の豊かな水を生かしたなりわいもあります
水音がしてる。
お邪魔をしてみましょう。
こんにちは。
こんにちは。
1,000年以上の歴史を持つという…
この工房の主…
水が冷たい冬は繊維がまとまりやすく質の良い和紙が作れると言います
紙を乾かすのは…
しわが出来ないよう丁寧に伸ばします
手間のかかる烏山和紙を今も作るのは福田さんの工房ただ一軒。
きょうだいで伝統の和紙作りを支えます
やっぱ紙作りは最終的にはお水がないとほんとに動かないのでね。
ほんとに水の大切さというかありがたさみたいなのは作業しててよく大変感じる事が多いです。
かつて日本有数の和紙の産地だった烏山
最盛期の明治中ごろは400以上の家々が紙すきを手がけていました。
街の至る所で和紙を干す様子が見られたといいます
那須楮と豊かな水で作られる烏山和紙
厚手で丈夫な事から商店の大福帳やふすま提灯などに使われました
これ何用の紙ですか?これは学校の卒業証書用紙に使う和紙になります。
卒業証書。
はい。
なのでちょっと見て頂くとマークが見えるかと。
ああ「高校」って書いてありますね。
(福田)紙直接模様が入るように今作らせてもらってます。
やっぱりしっかりした厚手の感じの紙ですねきっとこれは。
(福田)そうですね。
あんまりふわふわした紙じゃない。
もともとこの地方特有の厚みというかそういう紙が得意なもんですから。
毎年秋から取りかかる卒業証書
学校名や校章の透かしを入れ紙をすきます
もともと近所の小中学校の卒業証書を手がけていた福田さんの工房
評判を聞いてうちの学校でも地元の和紙で送り出したいと依頼が相次ぐようになりました
今では150校2万7,000枚を作るまでになっています
ふるさとというかその地域をずっといるわけじゃない人も多かったりしますんでね。
そういう点では何か一つ身近じゃないですけどそういうものが身の回りに1つ2つやっぱりあってほしいというのもありますし忘れないでほしいみたいな。
極端に言うとこういうものが出来るっていう事は地域的にもいいところもあんだよみたいなところが思い出してもらえればいいかなと思いますよね。
ふるさとの和紙が彩る門出です
那珂川の周辺では粒子が細かい良質な粘土が取れ古くから焼き物が盛んです
地元出身の…
各地で修業を重ねたあと35年前にふるさとに窯を開きました
(八板)よいしょ。
地元の土にこだわり陶芸にいそしんできました
八板さんの作品です。
素朴で温かみのあるふだん使いの器です
昔から土は地元の。
近くから取れた。
そうすると何か風土的なものが出るのかなと思って。
この土をなんとか使いこなしたいですね。
4年前の東日本大震災。
八板さんが使ってきた登り窯は震度6弱の揺れで崩れ落ちてしまいました
一時は諦めかけた八板さん。
しかし地元の仲間から励まされ焼き物を続ける事を決意
仲間たちの手を借りながら3か月がかりで窯を再建したのです
今取り組んでいるのは工房の近くで取れた土を使った作品。
鉄分が少なく火に強いため色や模様がきれいに出ると言います
いや〜寒い寒い寒い。
年1回冬に行う窯たき
この一年作りためた1,500もの器を一度に焼き上げます
こんばんは。
はいこんばんはです。
窯たきを手伝おうと近所に住む仲間が集まってきました
震災のあと支えてくれた人たちです
(スタッフ)それ間違えて向こうにガーンって落ちちゃう事とかないんですか?あるよ。
(スタッフ)そしたらすごい大変な事になっちゃうんですか?いやそしたら全部入れちゃって一からやり直しすっから大丈夫。
交代で休憩を取りながら一昼夜火をたき続けます
(鳴き声)
火を入れて6日目。
いよいよ窯出しです
不安いっぱいです。
はい。
開けるまで不安です。
温度は大体ちょうどいいぐらいですね。
やわらかく温かみのある風情
地元の土にこだわった八板さんの作品
満足のいく仕上がりになっていました
(八板)常に挑戦ですから。
もっといい土があるんじゃないかっていう。
まだ探したいと思いますね。
他の土と違うここ地元だけのよさがあると思うんでそれをできるだけ生かしていきたいと思ってますけども。
水ぬるむ頃
新たな季節の始まりです
(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2015/03/14(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「水清く 心あたたか〜栃木県 那須烏山市〜」[字]
豊かな水をたたえる栃木県の清流・那珂川。那須烏山市では、この川とともに暮らしが営まれてきました。伝統の和紙作りや川漁など、ふるさとの川を大切にする心に出会います
詳細情報
番組内容
豊かな水をたたえる栃木県の清流・那珂川。那須烏山市では、この川とともに暮らしが営まれてきました。澄み渡る水で作られるのは、烏山和紙。町の学生のほとんどは、烏山和紙で作られた卒業証書をもらい、春を迎えます。伝統の和紙を守るのは、町にただ一人となった職人。川は季節の恵みももたらします。冬が旬のニゴイをとるサイタタキ漁。町で盛んな焼き物にも水が欠かせません。ふるさとの水を大切にする心に出会う旅です。
出演者
【語り】山田敦子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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