LIFE〜夢のカタチ〜/佐々木蔵之介 「京都の里山・夫婦で作る人気の木工家具」 2015.03.14


自然あふれる山間に建つこの建物は木工作家夫婦の自宅兼工房
伝統的な技法を守りながら2人で生み出す家具はシンプルかつ洗練されたデザイン
初めから家に置いてあったような感じのものになるんですよね不思議と
どんな空間にもなじんでしまうその家具は家族の時間も大切にする田舎暮らしの中で作られています
今回は京都の山里で使い手が日々感動できる家具作りに励む木工作家夫婦の夢のカタチ
炭の山と書く地名のとおり昔から炭焼きが盛んだった静かな山里です
今も多くの陶芸家がこの地で活躍しています
そんな山間にありながらひっきりなしに注文が来る大人気の家具工房があります
それが京都炭山朝倉木工
大きな看板もないので地元でもここで家具が作られているのを知らない人もいるはずです
1階は夫婦の仕事場
朝倉亨さんと奥さんの玲奈さんは京都の大学で同級生でした
木工を専攻しその楽しさにすっかりハマってしまったご主人と卒業後に家具作りの楽しさに目覚めた奥さんは結婚しオリジナル家具を製作しています
作業の効率を上げるためにお互いに力を貸し合うことはありますが2人それぞれが1つのものを製作するのが基本です
お客さんの要望をそのあとの製作に関しては大っきいものテーブルとか大っきな箱物キャビネットとかイスとかこんだけずっと一緒にいて
(スタッフ)仲いいですか?
実はこの工房兼自宅も友人の建築士に設計してもらい自分たちも大工仕事のほとんどを担当して建てました
それくらい夫婦2人は木工が大好き
木材に触れるのが楽しくてたまりません
こうして完成したのが家具作家夫婦のアイデア満載の子どもが作る秘密基地のような建物です
玄関は1階の仕事場と直結
作った家具や小物を展示できるようにした階段を上ると2階が居住スペースになっています
木工が大好きな2人だけあってキッチンにもそしてリビングにもあふれているのは木のぬくもり
ここでまもなく4歳になる杏樹ちゃん2歳になる凰佳ちゃんと家族4人が暮らしています
時々子どもたちの遊び相手となるのが2匹の猫たち
チバッチとクロッチ
もちろんそこに置かれている家具はすべて自分たちが作ったものです
生活の中で使えば使うほどより味わいが増していくのが朝倉さん夫婦の作る家具の魅力
まるでそこにあるのが当たり前というようにどんな空間にもなじんでしまいます
それを知ってもらおうと夫婦は自宅を家具の展示スペースとして公開
予約を入れれば家の中を見ることができます
・おはようございます・お邪魔します
この日も山里に見学者が
失礼します木のにおいが…します?するする
以前から是非工房を見てみたいと思っていたという兵庫・宝塚のご夫婦です
展示会されててそこでたまたまつまようじ入れを1つすてきなのがあってそれでご縁が始まってそっからもうどんどん…
(妻)のめり込んで…ダイニングテーブルとそれからお父さんの机と…机とリビングテーブルと初めから家に置いてあったような感じのものになるんですよね不思議ともうすばらしいよね!
(一同笑い)めっちゃうれしい
(妻)ほんとにすてきいろいろ見て触ってやってください
続いて2階へ
朝倉さん夫婦のファンにとって2人の生活空間はまるで個展の会場です
2人が最初に出会ったのは京都の大学時代
お互いに家具作家を目指そうとは思ってもいませんでした
亨さんは東大阪市で生まれ奈良県で育ちました
大学で木工を専攻し家具作りの魅力にすっかりハマってしまったそうです
亨さんにとっての師匠は大学の恩師でもある家具作家の建田良策さんです
師匠との出会いがなければ家具作家にはならなかったかも
木と漆を組み合わせた伝統的な技法で作られる作品に魅せられた亨さんは自分もこんな家具が作りたいとこの道に進みました
なかなか木っていうのを相手にして精密にっていうのは難しいんで特に作家さんは自分の作りたいもん作るっていうことが多いんですけども彼の場合はともかく
学生時代からすでに才能の片鱗を見せていた亨さん
卒業後は全国から就職希望者が殺到する関東の有名な家具工房に職人として採用されました
一方の玲奈さんはデザイナーの仕事に就きましたがやがて木工に興味を持ち奈良県の専門学校で家具作りを学びました
そんな2人が社会人になって再会
そして結婚したのです
製作に没頭できる環境がそろった京都・炭山に移り住んだのが7年前
日々2人で家具を作り続けています
(亨)「お父さん椅子」の「とう」っていうのを取って「トーチェア」といいます一番の特徴はやっぱこの細い棒これを1cm感覚で16本立てるんですけど程よくこう1本1本が体のカーブに合わせてしなってくれるので座り心地はよいですこの木の程よいしなりが長時間疲れずに座り続けるっていうのにはいいんですよ
大ぶりになりがちなアームチェアを光が透ける背もたれにすることで軽やかな印象に仕上げました
基本的にクギやネジを使わず日本の伝統的技法・ほぞ組みを用いていることが大きな特徴の1つです
ほぞ組みとはほぞとほぞ穴と呼ばれる凹凸をつけ木材をつなぎ合わせる工法
穴から突き出した木材には薄く切れ目が入れられていてそこに木のくさびを打ち込みさらにしっかりと固定させます
くさびを打つことによってほぞが外側のほうが広くなるので抜けなくなるとこれ日本の伝統的な技法です海外ではあまりないと思います
さらに家具の仕上げ方にも大きな特徴があります
それがよく分かるのが「トーチェア」のこの部分
何本もの筋が見えるのは磨くのではなく削って仕上げるからです
紙やすりではなくカンナを使うのはなぜなのでしょう?
こうしたこだわりも夫婦で共有
どちらがどの家具を作ってもそれは朝倉木工ならではの家具に仕上がります
これは自他ともにみんなにも言われますけど曲もかけずにラジオもかけずにシュッシュッシュッシュッてやってます曲が欲しいなと思ってかけたり工房当初はしたこともあったんですけど音は一切なしでほんと作ってる木と対話しながら作るっていうのが…こんなこと言うとクソ真面目みたいですけどやっぱそれがいいんですよね
木材ももともとは生きていた樹木
その命の輝きが宿るような家具にしたいのです
雪の降る朝亨さんは完成した「トーチェア」を車に積み込みました
この日は玲奈さんが留守番をしますが時には子どもたちを実家に預かってもらい2人で出かけることも
「父ちゃんいってらっしゃい」っておいしょ…
オーダーを受けた家具は自分たちで依頼主の家まで届けるのです
やっぱり基本的にお客さんに直接手渡して喜んでもらえる顔とかを見たいので毎回納品の時はドキドキなんですけど楽しみでもあります
この日の届け先は三重県の津市
はいどうもすいません
依頼主は全国の家具作家にオーダーして家族5人分の椅子を集めているんだそうです
そこで今回朝倉さんにはご主人みずからが座るための「トーチェア」をオーダーしたのです
果たして出来上がりに満足してもらえるのでしょうか
思ってた以上にすごく感じが…
さまざまなイスを見てきた依頼主も納得の出来栄え
ピッタリオーダーメードの服みたいな感じで
(亨)よかったですすごく感じがいいです・ありがとうございます・そう言ってもらえるとちょっと一安心です・これからもずっと大切にしてきたいな・・家の家宝にしたいと思います・
(亨)はい是非よろしくお願いします今日はありがとうございました失礼します
ホッと一安心
しかし実は納品してからが依頼主との長いつきあいの始まりです
この日は夫婦で大阪の富田林市へ
以前いくつもの家具を納めたお宅を訪ねました
朝倉さんこんにちはお待ちしてました
(亨)今日はよろしくお願いしますお願いしますどうぞどうぞ
これが依頼主との長いつきあいの理由
家具は一生の買い物だと考える朝倉さん夫婦は自分たちの作った家具をずっと使い続けてもらうためにこうしてメンテナンスにも出向くのです
これもまた朝倉木工の人気の秘密
(中田)すごい爽やかな感じがしたんです重厚感があるとかかっこいいとかというより調和してるっていうかそういうのが非常に…今でも飽きが来ないしとにかく爽やかなんです
メンテナンスのやり方も覚えてもらいます
(亨)1回は来てこんなふうにやるんですよっていうのを実演して大抵の人は見たらまぁできるかなっていう感じで…
家具への愛情を感じるこの熱心なアフターケアが朝倉木工と長くつきあうファンを増やし続けています
朝倉さん夫婦の家具が納品されるのは個人のお宅ばかりではありません
京都市のビルの地下にあるこちらの場所にもオーダー家具を納めました
こんにちは〜・あっこんばんは・どうもです〜
なにやらオシャレな空間一体ここは?
難しい難題やったんですけど…お願いさせて頂いて…
カウンターの下の引き出しに箸や薬味
実はこちらはラーメン店ですとてもそうは見えません
このオシャレな空間に合う引き出しそしてイスのオーダーを受け製作したのです
(店主)お客さんの反応見たら分かるんですけど実際ものを目にしないでオーナーさんからいろいろご希望を伺って
朝倉木工の家具がラーメンのおいしさを引き立たせるアイテムにもなっているのです
朝倉さん夫婦の家具作りはかなり生活と密着しています
それがよく分かるのが夕方近くのこの時間
お互い牽制し合いながら忙しくないきりのいいほうがお迎えに行くことになってますお互いをチラチラ見ながら「行ってくれんのかな?」とか言いながら直前に決まります行ってくるわいってらっしゃい
この日のお迎えは亨さんが行くことに
よし止まってくれた「ありがとう」って高く上げて高く高く上げて高く
亨さんが関東の有名家具工房で働いていた時は都会に住んでいました
そのころは時間を忘れて家具作りに没頭し気が付けば夜が明けていたということも普通
しかしただ働いてばかりの毎日では暮らしに溶け込む家具は作れないのではないか?
子どもたちが生まれてくる少し前からそう思うようになったのです
田舎で暮らそうと決めたのも自分たちの生活を大切にしたいから
今日お誕生日会やろ?そうや何やったん?劇劇?出てきた?家を1歩出れば街の喧噪ではなくて山の緑が目に飛び込んでくるっていうちょっと散歩すればどんぐりとか木の実とか山菜が採れたりとかで子ども育つ環境としては抜群な所なんじゃないかとわりとお年寄りの方も多いんですけど子どもがまだそんなにたくさんいなくて珍しいのでみんなかわいがってくれるしな
(玲奈)おぉ〜!すごい!
晩ごはんのあとはいつも子どもたちと遊ぶ時間
ダメー!
また明日も頑張ろう
子どもたちの笑顔が力をくれます
おはようございますおはようございます
この日は地域のイベントに家族で参加します
椎茸の菌をほだ木に植えるイベントです
森林保全の目的から間伐した木材を有効利用しようという考えから始まりました
・できない・できるできるもう1個これこれ…できた?はいここもやってくださいここの地域は新しい方を受け入れていこうということで子どもたちも少し増えつつあります大歓迎しておりますこういう機会に子どもたちの存在も知ってもらいたいっていう…なるべく参加するようにしていますトントン
都会ではできなかった田舎ならではの経験が家族の絆を強めてくれます
そんな朝倉さん夫婦のもとにダイニングセットのオーダーがあったのは昨年9月のこと
ダイニングテーブルと椅子7脚を作ります
玲奈さんが今作っているのは朝倉木工の定番家具として人気の「オーチェア」です
(亨)「オーチェア」の「オー」はラウンドアームというこの笠木の真ん中の部分のパーツが感じの王さまの「王」っていう字を横に伸ばしたように見えるので「オーチェア」と名付けました
アームと背は3つのパーツで構成
腰がしっかり支えられるので長時間座っても疲れません
このお客さんは2年前に寝室のチェストを作らせて頂きましたやっぱリピートっていうのはめっちゃ…「めっちゃ」って言っていいんかなとてもうれしいです以前納めたものを気に入って使って頂いてるっていう意思表示というか証しでもあると思えるのでいつも以上に気合を入れてまた喜んでもらいたいなと思います頑張って製作します
以前購入したチェストを気に入り今回のオーダーとなったのです
雑誌でねチラッと見た時にわぁいいなと思ってほかの家具でしたけれどチェストが前から大きいのが欲しいと思ってたんですけれどもこの方なら作ってもらえるんとちがうかなと思って
(依頼主)いい材木を選んでいいデザインで作って頂いたなというのでものすごく気に入っております孫も多いですし家族が多いのでみんなが帰ってくるとそこで一緒に食卓を囲むのにねちょっと大きいめのテーブルが欲しいっていうことで朝倉さんにねお願いしたんです楽しみにしてます
イス7脚のダイニングセット
夫婦2人で力を合わせての製作は佳境に入りました
依頼主を笑顔にできるのでしょうか?
いよいよ納品の日
思ったよりずっとよかったと言ってもらいたい
一生使ってもらう家具が笑顔で迎えてもらえるか納品の直前が最もプレッシャーも大きくなります
(亨)おはようございます朝倉です
(玲奈)おはようございます
(亨)今日はよろしくお願いします
(玲奈)よろしくお願いします
(亨)いろいろお手数おかけして…いい色やねいい色やねベリーグッドやねいい色だ
(依頼主)波を…
その時…

(チャイム)・ユカちがう?
(亨)こんにちは
(妻)どう?見てほら新しいの見てこれほらどうですか?これほらほら…座ってくださいどうですか?博士みたいやって
みんなの顔に笑顔があふれます
まぁホッとしましたすごい笑顔になってもらえたんで喜んで気に入ってもらえたかなとすごいホッとしましたしそれに「木目が違って表情がいろいろですごい色もちょうどいい」って言ってくれはったんですごいうれしいです
自分たちの作った家具でまた笑顔の輪を広げた朝倉さん夫婦
夢のツヅキは?
(亨)1つ1つ目の前の注文を一生懸命やって
京都・宇治市に工房を構える京都炭山朝倉木工
夫婦で製作した家具が並ぶ自宅兼ショールームは事前予約が必要です
本日はダイアンなり!今日は塚口のほうにやって参りました初めてですねここ初めてですね2015/03/14(土) 11:00〜11:30
ABCテレビ1
LIFE〜夢のカタチ〜[字]/佐々木蔵之介 「京都の里山・夫婦で作る人気の木工家具」

人生はいろんな夢でできている…夢追う人の輝く瞬間を佐々木蔵之介の語りで描きます。
今回は「京都の里山・夫婦で作る人気の木工家具」です。

詳細情報
◇番組内容
京都府宇治市の里山に工房を構える「京都炭山朝倉木工」。朝倉亨さんと玲奈さん夫妻が端正な家具を提供していることで人気を博しています。今回は里山暮らしとこだわりの家具をたっぷりご覧頂きます。
◇ナレーション
佐々木蔵之介
◇おしらせ
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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