浅田真央 被災地への旅 2015.03.14


次回も土曜日夜7時30分にお会い致しましょう。
今週の逸品はこちらです。
お楽しみに!初めて見る風景でした。
安らかにってなってるんだって。
一人の男性と出会いました。
あ〜そうなんですね。
あ〜そうですか。
はいどうぞ。
(鐘の音)多くの命が失われた被災地。
ようやく来る事ができました。
日本中の期待を一身に背負い戦い続けてきた真央さん。
リンクを離れる事はできませんでした。
こんにちは。
あら真央ちゃん!あらまあ〜!感激した。
(子どもたち)えっ?えっ?えっ?えっ?4年越しの訪問。
行く先々で笑顔が咲きました。
そしてその奥にある悩みや苦しみにも触れました。
そうなんだ。
あの時の事。
これからの事。
まっすぐに見つめる真央さんの旅です。
先月1日出発を前にした浅田真央さんです。
東北にあるアイスリンクの場所を確認していました。
スケートを通じて触れ合いたいと考えていました。
現地の人にお話を聞いたり自分の目でしっかり見るっていう事はしていなかったので…。
そこで頑張ってる子どもたちに自分が行く事で喜んでもらったりとか「頑張りたい。
また頑張ろう」って思ってもらいたいなと思って。
今はそれぐらいしかできる事はないかなと思っています。
最初に向かったのは宮城県石巻市。
死者行方不明者が4,000人に上った地域です。
初めまして。
どうも。
長年親しまれてきたアイスリンクを訪ねました。
このリンクも大きな被害を受けました。
2メートルほどの津波に襲われリンクの中にまで土砂が流入。
再建は困難と思われました。
しかしボランティアや地域の人の力で震災から9か月で営業再開にこぎ着けたのです。
ご覧になってどうですか?こんにちは。
こんにちは!こんにちは!この日リンクにやって来たのは市内にある鮎川小学校の子どもたち。
はいじゃあ始め。
屈伸!
(子どもたち)12345678!声が小さいぞ!
(子どもたち)5678!この学校の校庭には仮設住宅が建っているためふだんなかなか体を動かす事ができません。
みんなこの日のスケート教室を心待ちにしていました。
そして真央さんも。
真央さんが来る事は子どもたちにはないしょ。
いいかな?入っても。
こんにちは!浅田真央選手です!驚いて声が出ない子どもたち。
こんにちは。
こんにちは。
こんにちは!
(子どもたち)こんにちは!今日はみんなと一緒にスケート教室がしたいなと思ってここに来ました。
よろしくお願いします。
(子どもたち)よろしくお願いします!あっでもみんな結構滑れるねすごく上手に。
すごい上手上手。
まずはスケートの基礎から。
トントンと小刻みに氷を蹴って滑る練習です。
そうそうそうそう。
もう一回。
トントントントントントントントン。
両足。
そうそうそうそう。
トントントントントントントントン。
ス〜ッ。
そうそうそうそうそうそう。
ちょっと膝曲げるとね安定するよ。
うまく滑れない子どもがいたら横について教えます。
そうそうそう。
ゆっくりゆっくりゆっくり。
いいよはい。
はい膝曲げて。
みんなコツをつかんできた様子。
両足。
そうそうそうそう。
上手上手。
すごいみんな。
被災地の子どもたちに寄り添う真央さん。
震災の年真央さんにもつらい出来事がありました。
幼い頃から心の支えだった母匡子さんが病気で亡くなったのです。
深い悲しみの中練習を続ける日々。
被災地の人々の姿が心に響いたと言います。
では真央さんよろしくお願いします!拍手〜。
あの時受け取った思いを返したいと考えていた真央さん。
(拍手)本当に普通にこう…。
(歓声)すご〜い!何?あれ。
こういうのもあります。
(拍手)感想聞いてみようかな。
どうだったか。
ありがとう。
(拍手)最初はみんなそうやってやるんだよ。
危ないよ。
危ないよ危ないよ。
笑顔があふれたスケート教室。
そうそうそうそう。
いい感じ。
真央さんは震災で家族を失った一人の少女と出会いました。
津波で祖母を亡くしました。
は〜い。
こんにちは。
あっこんにちは。
浅田です。
今日はお世話になります。
なかなかね笑ってる写真ってなくて探して探して。
亜美ちゃんの祖母登久子さん。
勤めていた郵便局で津波に遭いました。
いつも話し相手になってくれる優しいおばあちゃんでした。
大好きだったおばあちゃん。
でも亜美ちゃんが人前で悲しみを見せる事はほとんどありません。
そんな亜美ちゃんを母親のゆかさんはずっと心配してきたと言います。
上の子も泣いてる姿を見せないし…うん…まあ顔には…出てない。
顔には出てないけど…真央さんは亜美ちゃんが胸の内をつづった作文を読ませてもらいました。
題名は…「おばあさんが見ていてくれているからこそ私は毎日笑顔で頑張ろうと思います」。
「一生懸命笑顔で頑張る」。
亜美ちゃんはおばあちゃんのために明るく振る舞っていたのです。
うん…。
ねえ本当に天国に行っちゃって姿は見えないかもしれないけどでも多分いつも一緒にいると思うし亜美ちゃん頑張ってる姿を見てるだけで多分喜んでると思うから頑張ってほしいなって思います。
亡くなった人のために頑張る。
真央さんにも同じ経験がありました。
母を亡くしたあと真央さんが出したコメント。
「自分の夢に向かってやるべき事をやる事がお母さんも喜んでくれる事。
今までどおり練習に励みたいと思います」。
4年たった今でもきっと気持ちの整理というのはついてないと思いますし本当に現実なのかなという思いはあると思うんですけどちょっとずつ自分のペースでおばあちゃんの思う気持ちも忘れずに頑張ってもらいたいなと思いました。
スケート教室の翌日。
みんな勉強してるかな〜。
真央さんは鮎川小を訪ねました。
あっ!何かすごい。
何かすごい。

(太鼓)待っていたのは子どもたちからのお礼のサプライズ。
この地域に伝わる牡鹿銀鱗太鼓です。
10年ほど前に途絶えていた太鼓を震災のあと子どもたちが復活させました。
仮設住宅などで披露し地域を元気づけています。
亜美ちゃんも心を込めてたたきます。

(拍手)
(子どもたち)ありがとうございました。
(拍手)皆さん今日はすてきな演奏ありがとうございました。
ありがとうございました。
石巻を離れる日。
真央さんは亜美ちゃんの祖母が津波に遭った場所に向かいました。
ポストだけが流されずに残っていました。
悲しみを背負って生きる。
私自身も母を亡くしているというのもあるとは思うんですね。
だから亜美ちゃんも現実を受け入れられない気持ちとか信じられない気持ちとかあると思うので私もそうだったんですけど天国に行ってしまった人は多分今生きている人たちの悲しい顔というのは見たくないと思うのでみんなが喜んで頑張っている姿を見たいと思うので頑張って歩んでいけたらいいなと…。
よろしくお願いします。
温かい。
写真撮りますか?ありがとうございます。
いい顔した?したした。
ありがとうございます。
あ〜っ!怖い怖い。
怖いね。
これは怖いですよ。
こんにちは。
多くの方が辞めていってしまう中でどうして再開しようって思ったんですか?わっすごい。
こんにちは。
あら真央ちゃん!感激した。
おっきい!熱いからね。
おいしい?おいしい!自然の味ね。
天然の…本当に自然のいい味がします。
原発事故の被害に苦しむ地域にも足を運びました。
福島県川俣町の山木屋地区です。
ここにも書いてある。
今も居住が制限されています。
さっきの所0.1…いくつでしたっけ。
至る所に放射線量を測るモニタリングポストが立っていました。
でもこういう汚染された土っていうのは汚染されたものっていうのは消えないって事ですか?取らないと。
取った土をねどこに持っていくかっていう問題もありますもんね。
どうするんだろう。
かつて1,200人ほどが暮らしていたこの地区。
人影はほとんどありませんでした。
こんにちは。
こんにちは。
どうも。
いやいやどうも初めまして!いやいや遠いところ…。
地域のスケート場を管理してきた菅野十一さんです。
案内されたのは今は無人の山木屋小学校。
これ眺める度涙が出ますよ。
いやいやこんなとこさこんなの作ってね普通だらばここ全然ねえんだから。
山木屋の子どもたちは毎年スケートができる冬を楽しみにしていたといいます。
早く来い来い寒くなれって。
うん。
スケートが好きだから。
山木屋の人たちが大切にしてきたリンクへと案内してもらいました。
荒れ果てた田んぼ。
ここに山木屋伝統の田んぼリンクがあったのです。
これは震災の年の1月の様子。
田んぼに張った氷の上を滑る子どもたちの姿がありました。
運動会やスピードスケートの大会が開かれこれまで15人の国体選手がこのリンクから育ちました。
原発事故は山木屋の誇りでもあった田んぼリンクを奪い去ったのです。
残念ですね。
うんまあね。
これもしょうがないね。
やっぱり。
はいどうぞ。
お邪魔します。
うわっすごい!何か学校みたい!スケート靴を貸し出していたプレハブ小屋です。
あ〜そっか。
自分の靴入れて…。
あとこっちは全部貸し靴だ。
そのままそのまま。
あとになってガタガタ落ちてそのままでねえすかこれ。
あっこれその当時…全然手ぇかけないですから。
地震のまま。
リンクで元気に滑っていた子どもたちを訪ねて山木屋地区から10キロほど離れた小学校へ向かいました。
おはようございま〜す。
おはようございます。
今日お客様がねお見えになっておりますのでご紹介します。
こんにちは。
(子どもたち)えっ?えっ?えっ?えっ?分かるよね?
(子どもたち)えっ?えっ?フィギュアスケートの選手だよ!え〜っ!浅田真央です。
今日みんながスケート教室をやるという事で自分も一緒に行ってみんなにスケートを教えたいなって思います。
みんな滑った事ありますか?スケート。
(子どもたち)はい。
滑れる?
(子どもたち)はい。
じゃあ今日はもっともっと上手になるように教えたいと思うのでよろしくお願いします。
(子どもたち)よろしくお願いします!バスで1時間半。
着いたのは郡山市にあるアイスリンクです。
ゆっくりだよゆっくり。
設備の整った立派なリンク。
でもスケート教室ができるのは年に1回だけ。
トントントンして両足でス〜ッて。
久しぶりの氷の感触。
両足。
両足できる?膝ちょっと曲げるとやりやすいよ。
それで1周して下さい。
それでも田んぼリンクで育った山木屋の子どもたちはスイスイと滑ります。
よ〜いドン!頑張れ頑張れ!ゆっくりでいいよ!スピードスケートが得意な子どもたちのために真央さんはリレー競走をする事にしました。
行け!頑張れ!速いよ!これは接戦ですよ。
(歓声)頑張れ〜!頑張れ〜!ゴール目前リードしているチームの背中にしがみつく真央さん。
子どもたちは力強く滑ります。
やった〜!イエ〜イ。
みんないい感じだったよ。
いい感じいい感じ。
いいですか?ここ。
お邪魔します。
一番上手に滑っていた男の子に声をかけると意外な答えが返ってきました。
緊張するの?ごめんね隣座っちゃって。
陸上始めちゃった。
あそうなんだ。
ああそっか。
そうなんだ…。
いつも身近にあったスケートが手の届かないものになっていました。
スケート選手としての夢を諦めるか思い悩む中学生にも出会いました。
こんにちは。
初めまして。
スケート部の…こんにちは。
今日はよろしくお願いします。
(先生)よろしくお願いします。
ありがとうございます。
今ストレッチをやって…。
原発事故以降部員が減り練習をするのは風那さん1人きり。
1人です。
あ1人で。
はいスタート。
真央さん慣れないスピードスケートの練習パートナーを買って出ます。
結構使いますよねこれ。
(先生)はい残り15。
(先生)10…はいもう少し。
(先生)はい5…4…3…2…1…。
はいOK。
ああ〜結構来ますね。
普通ねあんまりあのフィギュアの世界だとなかなかこういう動きはないかもしれない。
ここまではしゃがまないですね。
スピンとかではあるんですけどここまでこうやってしゃがんじゃうので。
ここで一番きついとこでキープっていうのはないですね。
国体出場を目標にしてきた風那さん。
(先生)あと10。
はいガンバ!しかし今中学まででスケートをやめようと思い始めています。
(先生)はいOK。
あ〜きつい。
何回だ?1年に?うんワンシーズンで。
十何回ぐらいしか乗れねえな。
風那さんの悩みそこには家族への気遣いもあります。
今両親と避難先の集合住宅に暮らす風那さん。
高校で国体出場を目指すには遠いスケートリンクに通うため親の送り迎えが必要となります。
震災後共働きを続ける親に負担をかけたくないと風那さんは考えていました。
あと1年で引退でできなくなっちゃうんで今まで頑張ってきた思いとかできなくなっちゃった子の分まで一生懸命頑張りたいです。
行きたかったですけど…まあ趣味とかでは続けたいですけど…そうなんだ。
どうなんだろう…。
家の事情を思いやる風那さんに真央さんはアスリートとしての本音をぶつけます。
スケートつながりとしてはやっぱりちっちゃい頃からやってきた事っていうのはやっぱり今すぐ始めようとしてる子たちにもかなわないと思うから何かその大きなもうすぐ本当に多分目の前にある国体というね大きな舞台に出てほしいななんて思ったりもするんですけどでも何だろうな自分の思いとかもあると思うけど…。
真央が言う事じゃないと思うんですけど…。
5歳でフィギュアスケートを始めた真央さん。
金メダルという夢に向かって走り続けてきました。
その道のりでは引退を考えた事もありました。
そして今は競技を続けるかどうかハーフハーフ。
自らのこれからを考え続けています。
もう自分が全てやったと思ったら私もやめるんじゃないかなと思うんだけどまだ私はそこまでまだこれからできるんだっていう自信がないからまだ悩んでるところかなって思う。
だからちょっと気持ちは一緒かな。
はい。
悩む気持ちもすごい分かるし…。
まあでもね悩んでもいいと思うんだけど。
悩んで悩んで成長するし悩む事も大事だと思うから。
最終的にはやっぱり周りの人が何と言っても結局自分が全部決めるから自分の考えをしっかり持ってやっていきたいなって自分でも…自分に対しても思ってる今。
風那ちゃんも一緒だと思うけど。
はい。
何か自分の目標があったらそれをちゃんと最後までやりきってほしいなって思います。
そしたら後悔もないと思う。
そうだよね。
最後の方は自分にも言ってるのかなっていう感じもあったんですけど最初と最後でまた何かちょっと風那ちゃんの気持ちがすごく何か最後強く感じたのでそれはすごくよかったかなと思います。
やっぱり風那ちゃんもいろいろ迷ってたりとかそういうのが伝わってきたのであ〜自分と似てる事があるんだなと思って。
なので私が感じてきた半年間を風那ちゃんに伝えて今までの経験も含めて風那ちゃんに伝わればいいなと思ってました。
10日間にわたった被災地への旅。
その1本だけが残った?真央さんにはどうしても訪ねたい場所がありました。
わあ〜すごい。
本当に奇跡ですね。
本当に奇跡だと思う。
奇跡の一本松です。
雲一つないきれいな青空。
震災をくぐり抜けた生きる力。
本当雲一つないから上の方まできれいに透き通って見えますね。
被災地から受け取った思いがありました。
今回こうして来てみてや2015/03/14(土) 20:00〜20:45
NHK総合1・神戸
浅田真央 被災地への旅[字]

震災から4年。浅田真央さんが被災地を訪ねた。子どもたちに笑顔を届けたいと、スケートを通じて交流する真央さん。ありのままの姿で被災地と向き合う姿を追った。

詳細情報
番組内容
震災から4年。フィギュアスケートの浅田真央さんが被災地を訪ねた。「ハーフハーフ」の状態の中、被災地のリンクを回り、子どもたちとスケートを通じて向き合いたいと考えた真央さん。初めて本格的に訪ねる被災地で真央さんが感じたものは。そして子どもたちとの交流の中で、どんな笑顔や希望を与えたのか。素顔の真央さんの交流の日々を追った。
出演者
【出演】浅田真央

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
スポーツ – マリン・ウィンタースポーツ
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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