巨大山脈…60年も謎が続く未確認生物。
なぜ正体は明らかにならないのか?取材班は現地ヒマラヤへ。
シリーズ後編はいよいよ核心へ迫る!新たに現れたイエティの体の一部。
果たして…第1発見者に注がれる疑いのまなざし。
たどりついた神々の聖域でついに明かされる…ヒマラヤで一体何が起きていたのか?イエティまたの名を雪男。
ネパールの北ヒマラヤ山脈。
世界最高峰エベレスト周辺に生息すると言われる未確認生物。
騒動の始まりは1951年。
イギリスエベレスト遠征隊のシプトンが巨大な足跡を撮影。
何だこれは!?イ…イエティの足跡だ!この写真が公開されるや世界中の話題となった。
欧米や日本の登山家探検家に相次ぐ目撃証言。
では実際に…取材班はエベレストのあるクンブ地方で証言を集め始めた。
こんな感じかなぁ。
サルに似ているらしいからね。
多くの人はイエティは類人猿のようだと語る。
しかし地元で得られる情報もほとんどが伝聞やまた聞き。
いまだ「これぞイエティ!」と言える写真すら撮影されていない。
現地の人が自信を持って「実在する」と語る一方その姿が見えないイエティ。
これは何を意味するのか?シリーズ前編では3000m級のエベレスト街道を登りナムチェバザールまで到達。
今回の後編ではイエティ伝説の村クムジュンそして最終目的地奥深き聖地タンボチェを目指す。
ここは標高3780m。
富士山山頂とほぼ同じ高さ。
かつてこの近くの山で…クムジュンではこれまでの村よりはるかにイエティを身近に感じている人が多い。
(取材者)見た事あるの?クムジュンがイエティ伝説の村とされる最大の理由それがチベット仏教のお寺クムジュン・ゴンパで祭られるイエティの体の一部だ。
(取材者)この中に入ってるんですか?ええ。
ネパールの平均年収のおよそ7割に当たる金額。
この収入は村の公共事業に使用されるという。
(取材者)これですか?イエティの頭。
わ〜すごい。
(取材者)うわ〜。
まるで山の頂のようにとがった毛皮。
イエティの頭の皮だという。
しかし実はこの毛皮…クンブ地方には他にもイエティの遺物とされるものが存在する。
これまでにイエティの手の骨と伝わるものや舌フン毛皮などが発見されてきた。
しかしこれらの多くは科学的な分析の結果カモシカやヒグマ人間のものであると判明している。
現在までに…それでもクムジュン・ゴンパに保管されているイエティの頭皮は外国からの登山客に大人気。
クムジュン観光の目玉になっている。
クムジュンは標高4000m近く。
かつてはジャガイモ栽培やヤクの放牧しか産業がない村だった。
今や村は大きく変わった。
1950年代以降エベレストに憧れを抱く人イエティを求める人たちが盛んに訪れるようになり外国人向けのレストランやホテルも造られている。
隔絶された山岳地帯で暮らしてきたシェルパと欧米からの登山者たち。
実はその出会いにこそイエティの秘密が隠されている。
その発端となったのは1951年。
イギリス遠征隊のエリック・シプトンがヒマラヤの雪山で巨大な足跡を発見した。
何だこれは!?
(シプトン)イエティ?イエティですよ!何てこったこの近くにいるんだ…。
しかし実はその15年ほど前イエティの噂を既に知っていたドイツの動物学者が正体を推定していたのだ。
これを知った…世界で初めてエベレスト山頂に到達するのはどこの国か。
イギリスをはじめ各国が競争を繰り広げる中その挑戦には…「未知の生物がエベレスト周辺にいるかもしれない」。
そうしたロマンのある噂はスポンサーから遠征資金を集める口実に有効だったのだ。
そしてイギリスのシプトンがイエティの足跡を撮影した2年後イギリスの遠征隊がエベレスト初登頂に成功したのだった。
更に足跡写真を撮ったシプトンには現在研究者の間から疑惑の目が向けられている。
私もその説には同感です。
シプトンの有名な足跡写真は「イエティが実在する」と世間が信じるようにシプトン自身が巧妙にでっち上げて撮影したのではないかと言われています。
これは1954年イギリスの調査隊がシェルパたちに配ったというイエティの手配書。
登山家の根深さんはイギリス調査隊に参加したシェルパから当時の様子を聞きこの絵が地元に大きな影響を与えたのではないかと指摘している。
(根深)こういうものを配ったというんですねその探検隊は。
たくさん配ったっていうんですよ。
探検隊がいろいろやったから……という事は言えるんじゃないですかね。
もしそうだとしたらシェルパの間で昔から語り継がれてきたイエティとは何なのだろうか。
クムジュンではそのヒントとなる証言も得られた。
昔はこの辺りにいたと聞きました。
イエティの事は…それがいい事か悪い事かはよく分からないけど…。
現実に存在する獣ではなくまるで民話や神話の生き物が身近にいるかのようだ。
クムジュンから最終目的地タンボチェへ。
タンボチェは標高3860m。
僅かな平地に大きな建物が建っている。
クンブ地方最大のチベット仏教寺院タンボチェ・ゴンパ。
僧侶たちが修行を積む奥深き聖地だ。
この日年に一度の最大の祭り「マニ・リンドゥ」が行われていた。
クンブ地方各地からシェルパが集まった。
厳しい山岳地帯で生きていくため恵みの祈りを込めただんごが授けられる。
シェルパはかつてヒマラヤの北側から険しい山々を越えてこの厳しい土地に移住してきた歴史を持つ。
実は彼らのよりどころであるこの地方の信仰にはイエティが存在するという。
タンボチェ・ゴンパの高僧に伺った。
人はイエティについてよく言ったり悪く言ったりします。
でも…祭りの儀式。
僧侶たちが仮面をつけ神々にふんして舞い踊る。
その中にイエティの主である神様がいた。
恐ろしい形相のマハ・カーラの化身だ。
シェルパの信仰の中でイエティは確かに存在しているのだ。
このような…だからこそ…険しい山々に囲まれる中で生まれた信仰としてのイエティ。
しかしこれがイエティの正体の全てというわけではない。
人が容易に踏み込む事を拒むヒマラヤと同じくイエティもまだ深い謎を保ち続けている。
ここからは世界中の超常現象を求めヒマラヤにも調査に訪れた佐藤健寿さんにイエティの謎をどう捉えるのか伺います。
佐藤さんは実際に調査して現地の印象はどうでしたか?こういう仕事してるとよくどこが一番きれいかって話をよく聞かれるんですけどやっぱりヒマラヤが抜群に美しくて。
あそこに行くとやっぱりああいう場所に神聖な何かがいるとか認めるのは当たり前な事に思えてくるような。
なるほど。
ほんとに行って話をいろいろ聞いてみて一番びっくりしたのはみんながそれを「絶対いる」っていう妙なリアル感というか…。
例えば日本における妖怪とかがほんとにいると信じられてた時代って多分あったと思うんですけどその妖怪に近いようなリアリティーを持ったものとしてみんな語るけどその話だけ聞いてると「あれっなんかすごい不思議な動物いるんじゃない?」って思っちゃうので…。
聞く人聞く人によって全くその話が違うんですね。
だからある人に「イエティって何?」って聞くと…それって例えばなまはげとかまさにそうだと思うんですけど外国人の人になまはげって何って説明しようとした時に…。
難しいなぁ。
(佐藤)難しいですよね。
「じゃデーモン?デビルとか悪魔?」みたいな事言われたら「いや違う」と思うじゃないですか。
説明難しいですね。
(佐藤)「じゃあモンスターか?」って言われると「いや違うけど…」。
つまり何でかというとこちらのなまはげが…イメージっていうもの概念が向こうにないわけですよね。
そうすると向こう側は何とかそれをつかもうとして「姿は何かに似ていて」とかって…だからもっとこれから文化っていう側面から民俗学的な研究っていうのをもっとどんどんしていくともう少しイエティの姿っていうのが見えてくるんじゃないかなというふうに期待してますけど。
2015/03/14(土) 22:20〜22:40
NHK総合1・神戸
幻解!超常ファイル「雪男“イエティ”の真実 後編」[字]
天空近く、謎の未確認生物の正体が明らかに!?世界最高峰エベレスト初登頂の偉業に隠された、イエティ伝説の舞台裏。取材班が到着した絶景の聖地で、高僧が語る真実とは?
詳細情報
番組内容
吹雪とともに現れ、天空近くの雪原に謎の足跡を残す、全身毛で覆われた巨大生物“イエティ(雪男)”。その正体を求め、現地ヒマラヤで聞き込み調査をおこなうシリーズ。後編では、ついに謎が明らかに!?伝説の村に伝わる「イエティの頭皮」の分析結果は?世界最高峰エベレスト初登頂の偉業に隠された、足跡発見への疑惑とは?標高4000メートル近く、取材班がついに到着した絶景の聖地で、高僧が語るイエティの真実とは?
出演者
【ゲスト】フォトグラファー…佐藤健寿,フリーライター・写真家・山岳旅行家…根深誠,東洋大学教授…山口しのぶ,【司会】栗山千明,【語り】中田譲治
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
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