意外と「朝ドラ」らしい物語。
うちパティシエになりたい。
ふ〜よし!
(ラジオ)「首都高速道路は6号線下りで事故のため向島まで。
上りは山下町付近で緊急の工事のため石川町まで渋滞しています。
3号線上りの三軒茶屋の入り口での緊急工事は終わって入り口は利用できるようになっています。
道路交通情報でした」。
(アナウンス)「5時になりました。
よい子の皆さんはおうちに帰りましょう」。
(ラジオ)「それでは今週はこの辺で。
お別れはこの曲Charaで『hug』。
お相手はミユキでした。
Seeyounextweek!バイバイ」。
・「追いかけるの」・「あの夕暮れと同じがいい」・「変わって行く色欲しいものは」・「ママがくれた」・「足りないんだよ足りない夢中」・「不思議そうに抱きしめたくなった?」・「もし、今が終わりでも」・「確かに会いたいの聴こえてるよ」・「やさしい糸また転がすけれど」・「一瞬聴こえた」・「『空を変えたい自分で越えないと』」・「『私には世界がなかったの』」
(タイマーの音)
(暮林)昨日もそこそこ売れたな。
(弘基)まだまだ。
俺の作るパンはそこそこ止まりのパンじゃねえし。
そうだよな。
もっと販路拡大して目指すは2号店3号店。
いいねいいね〜。
一人でも多くの人が少しでも多く俺のパンの味を知るべきだからな。
すばらしいな。
あんたの店でしょうが。
「うまいパンが全人類に行き渡りますように」か。
(ドアベル)いらっしゃいませ。
(松川)随分と遅くまでやってんだなここは。
夜の11時から営業しております。
(3人)はあ?はい。
(高橋)夜の11時から?朝の5時まで営業しています。
(池沢)こんな時間に客なんか来んのかよ?はい。
もう3人も。
え…?
(3人)おおっ!アハハハハ!あっお酒の締めでしたらカレーパンなんていかがでしょうか?うちのはサラサラッといけますから。
はあ?カレーパンは汁物みたいなものですから。
いやいやカレーパンは汁もんじゃねえだろ。
これはかなり汁物感覚なんですよ。
汁もん?はい。
・
(客)うまい!
(ドアベル)
(松川)バカだなお前。
おいおいおいおい駄目だよお嬢ちゃん。
学生がこんな夜中に出歩いちゃ。
おじさんたちと遊びに行くか?パン買ってやろうか?おじさんたち退散。
(松川)冗談だよ。
ありがとうございました。
失礼しました。
いらっしゃいませ。
(ドアベル)
(希実)あっあの…。
暮林美和子さんって人いますか?美和子は私の妻ですが。
あの失礼ですけど美和子さんの旦那さんって海外勤務のサラリーマンじゃないんですか?それは昔の話。
今はこの人俺の弟子やってるから。
この店のオーナー兼ブランジェ見習。
ブランジェ…?パン職人。
パン職人。
話違うし…。
あの初めまして。
私篠崎希実といいます。
初めまして。
暮林陽介です。
美和子の夫です。
彼はブランジェで俺の師匠の柳弘基。
で…どうしたの?こんな時間に。
あの奥さんから何か聞いてないですか?えっ?何かって?私の名前とか…。
篠崎希実ちゃん…。
どうなの?クレさん。
聞いていたかもしれないけどごめん覚えてないな。
私妹です。
美和子さんの。
妹?腹違いの。
腹違い…で?実はいろいろ事情がありましてしばらくこちらでお世話になりたく参りました。
何それ?困ったな…。
美和子さんに会わせてもらえれば分かると思います。
いや…。
実は美和子…。
亡くなったんだよ。
半年前事故でね。
(ドアベル)いらっしゃいませ。
あの!ああお客さん来たからあとでゆっくりな。
その辺で待ってて。
いつもありがとうございます。
今日はですねチーズロールやミューズリーボーラがいい仕上がりです。
(斑目)甘いのがいいな。
でしたらこちらですねダークチェリーやシナモンデニッシュとか。
弘基とりあえず希実ちゃん。
よしじゃあ行くか。
はい。
妹なんです。
義理の。
こっちな。
妹ね…。
マジなんですか?美和子さん…姉が亡くなったって。
いい人間ほど神様に早く呼ばれるんだってさ。
あの…。
さてと…。
ん?私相当怪しいやつだと思うんですけど…。
うん俺もそう思う。
逆の立場だったら私絶対信じないと思うし。
こんな簡単に家にあげたりとか…。
まあそういう人だからクレさん。
で…こっちが美和子さんが使ってた部屋でこっちが物置。
どっち使う?えっ?早く決めて。
別にどっちでも。
どっち?じゃあこっちで。
謙虚な事はいい事だ。
物置ね。
あの…。
ん?あの人ここには住んでないんですか?クレさんはここからすぐのアパート住まい。
ここがうちなのに?海外生活の荷物が多すぎてこの家に入りきらないんだって。
海外赴任ってホントだったんだ。
で…親に連絡は?えっ?家出してきたんだろ?違います。
てかあっちが家出したからこういう事になってるんです。
何か複雑っぽいね。
前からよくいなくなったりしてたんで別に…。
まあ深くは詮索しないけど。
ああ布団な。
いらっしゃいませ。
ちょっとちょっとちょっと見て見て。
うわ〜これはいい。
おいしそうじゃない?おいしそう。
よし。
腹減ってんならパンでも食うか?売るほどあるし。
いえ結構です。
だな。
夜11時以降にもの食うと太るらしいしな。
(ドアを閉める音)ありがとうございました。
気を付けて。
ありがとうございました。
何か母親がいきなり行方不明になったんだって。
ああそう。
どうする気?クレさん。
何が?言ってる事全部でたらめかもよ。
全部って事はないよ。
美和子の名前を知っていた。
それに俺が海外にいた事も。
だよな。
あの…。
これ。
「篠崎律子」。
母です。
家出した?いいのかな?読んで。
(足音)
(美和子)「篠崎さんからのお知らせ突然の事で驚きました。
でも私に妹がいてくれたという事実は私にとってうれしい知らせでした。
もし私にできる事があるようなら力になりたく存じます。
広い家ではありませんが例えば希実さんに我が家に住んでもらう事もできます。
希実さんさえよければいつでもいらして下さい。
お待ちしております」。
半年前の消印…。
9月28日って美和子さんが!この手紙投函したあと美和子さん事故に遭ったんだ…。
美和子の字だ…。
うまそう!お〜グッドタイミング。
おはよう。
おはようございます。
食べるだろ?朝ごはん。
もう時間ないんで。
出る時間聞いておけばよかったな。
いいですか?これ。
うんいいよ。
ああ出入りは裏口から。
はい。
あっ!ちょっと待って。
よし…。
売れ残りだけどランチに。
いいから。
人間腹減ると気が立つぞ。
ほら。
てか俺のパンが食えねえっての?どうも。
友達にも分けてね。
クラスのみんなに宣伝よろしくな。
ブランジェリー…。
(2人)クレバヤシ!行っちゃったな。
うん。
よし…。
頂きます。
頂きま〜す。
すんなり受け入れたね。
美和子が呼んであげたからね。
・・あれ?クレさん何回言えば理解できんの?ごめん。
こうやって指で引っ掛けて…こう。
あ〜そういう感じか。
あのね昨日も同じ事教えたよ。
難しいね。
難しくない。
はいもう一回両手で。
なあ弘基。
ん?世の中にはさパンが嫌いな人もいるよな?何?いきなり。
うん…。
そりゃアレルギーとかでね食べられない人は少なからずいるけど。
でもそれはパンが嫌いっていうのとは違うな。
違うから。
ここでやって。
手じゃなくて。
ああそうか。
いや場所じゃなくて。
ここでいいよ。
両手で。
あっこっちでいいの?違う両手で。
あっ2個を?当たり前だろ。
何だ…先言って。
毎日言ってます。
(涼香)おはよう。
おはよう。
2年も同じクラスになれてよかった。
よろしくね。
(舞)よろしく。
よろしく。
(みずき)よろしく。
よろしくね。
(鍵を掛ける音)2年になっても続きますか。
(3人)アハハハハ!
(斑目)ん?何?何…?あの子…。
妹なんです。
義理の。
回想希実ちゃん?帰りも裏口ですよね。
どうしたの?さあ?バスタオルとか分かる?洗面所の…。
・大丈夫ですから!・あっ着替えとかさ…。
ありますから!汚ねえ!何それ?もっとこうきれいに入れてよきれいに。
マジクビにするよ?・静かにして。
・「静かにして」じゃないでしょ。
もっと…ストップストップそれぐらいでいいから。
次やって次。
・てかさ姿勢が違うんだよ姿勢が。
まっすぐ立ってまっすぐ入れてよ。
あ〜ちょっと待った!えっ?今焼き上がったばっかだ。
まだ熱々のメロンパン。
こんなの食べた事ないだろ?ほら。
いつもはやんねえぞ。
うめえだろ?何か言えよ。
普通にメロンパンですけど。
そっか…。
あ〜ちょっと!これ。
あ…。
今朝忘れたでしょ?鳴ってた。
料金払えなくて今は目覚まし時計で使ってるだけ。
ああ目覚まし…。
別に大丈夫ですから。
えっ?何でもないですから。
希実ちゃんはパンが嫌いって訳ではないんだね。
はっ?いや…。
あのいいですか?晩ごはん用意しておくから。
今夜はドライカレーだって。
食べたい時に来てね。
(客)今日もさ湯豆腐が食べたいって言ったのにねとんかつよ。
たくあんだって入れ歯だから細かく刻んでって言ったのにね「無理に食べる事はないわよ」って。
もう嫌になっちゃう。
いらっしゃいませ。
ちょっと待って。
(ドアベル)・ありがとうございました。
・いらっしゃいませ。
(ドアベル)おいちょっと待った。
はい。
今日は売れ残りじゃねえからな。
特製のランチセット。
毎日持たせてやるから。
遠慮はいい。
どうも。
クラスで大人気なら明日からもっとたくさん入れてやるからな。
(ドアを閉める音)おはよう。
おはよう。
・俺出る。
ごめん。
はいブランジェリークレバヤシです。
はっ?はい?
(長谷川)連絡用の変更届にこれが貼り付けられてあったので。
(長谷川)よろしかったんですよね?保護者として来て頂いて。
はい希実は先日からうちで…。
(ノック)どうぞ。
何でいんの?何でって…。
保護者だから。
どうぞこちらへ。
(淑枝)失礼します。
(淑枝)涼香ちゃん大丈夫?保護者だからって2人で来る事ないし。
面白そうじゃん。
バカみたい。
ケンカですか?まあ派手にやってくれましてね。
(涼香)何すんのよ!回想キャ〜!いつまで同じ事してんだよ!私は手出してないもん。
希実が一方的に…。
(長谷川)まあまあまあ。
原因はささいな事だったようなんですがね。
すいませんでした。
すいませんでしたごめんなさい。
ほら涼香ちゃんもういいでしょ。
許してあげましょうよ。
希実ちゃんも謝ってくれてるし…。
ねっ?あの…。
(長谷川)はい。
これうちのパンなんです。
ケンカしたって聞いたんでもしかして腹が減って気が立ってるのかなと思って。
よかったら皆さんでどうぞ。
いっぱい食べればきっと機嫌も直る。
是非。
私おなかすいてないんですけど。
ああそう…。
子どもじゃあるまいしこんなパンなんかでごまかされる訳ないじゃん。
ごまかす?ねえ?バッカみたい。
だったら君は何が減ってるのかな?え…?何が足りなくてそんなに気が立っちゃうのかな?何が足りなくてそんなにつらそうにしてるの?
(淑枝)涼香ちゃん?涼香ちゃん…?ちょっと!何でそんな変な事言うんですか?変ですか?だってこの子泣いてるじゃないの。
どうしたの?
(淑枝)大丈夫?涼香ちゃん。
すいません。
(淑枝)パンも結構です!涼香ちゃん…。
あの子とは小学校の時から一緒で。
幼なじみか…。
いっつも誰かと一緒にいて自分がその中心にいなきゃ気が済まないの。
てかいっつも誰かそばにいないと嫌な子。
だから私みたくいつも1人でいても平気なやつが気に食わないんだよ。
ああいるよな。
そういうの。
あの子が持っていないものを私が持ってたりするとそれをみんなの前でバカにしたりわざと目の前で壊したり踏み潰したり…。
回想へえ〜。
これがお昼ごはん?だから何?返して。
(涼香)は〜い。
ごめ〜ん手が滑った。
ごめん足も滑った。
(涼香)何すんのよ!あの子だって本当はそういう自分が自分で嫌なんだと思う。
だったらよ友達なんだったらビシッと言ってやりゃいいだろ。
しないよそんな事。
何で?だってそうやって放っておけばあの子勝手に自分で自分を苦しめるもん。
一生そうやって苦しんでりゃいいのよ。
思ったでしょ?今。
こいつ最低な性格してんなって。
思った。
思わないよ。
このままでいいんですか?えっ?ていうかちゃんと返事してもらえてないよなって思って。
返事って?私いいんですか?これからあのパン屋さんに住まわせてもらって。
何改まってんだか…。
だって…。
うれしかったよ。
俺に妹がいたなんて。
かわいいし。
でもかわいげはない!ねえだろうがよ!何となく分かったよ。
希実ちゃんに持たせたパン。
あの子に取られて目の前で踏み潰されちゃうかもしれない。
だから学校に持っていきたくなかった。
何?何の話?
(チャイム)ああ〜!あっ…。
ああ…俺のパンが。
パンは嫌いじゃないです。
ううん…大好き。
でも…。
いつも思い出しちゃうんです。
母がよくこういうパンだけ食卓に置いてどこかに出かけてった。
言い訳みたく置いてあった。
だから…。
パンはいつも1人で食べた。
(子ども)ママママ…。
シャボン玉やりたい。
ママ!
(子ども)あっシャボン玉行っちゃった。
これさもったいないから食べようか。
天才ブランジェの俺が保証する。
俺のパンは形が変わってもうまさに変わりなし。
うめえ。
うん。
おっ!それいくか。
この前食べた時さお前正直じゃなかったよな?えっ?こちとら天才ブランジェだ。
自分で作ったパンを食べた人の反応には敏感だ。
素直になりやがれバ〜カ!おいしい…。
すっごくおいしい。
よろしい!2人で食べても3人で食べてもおいしいパンはおいしいままだ。
そういえば…。
何で真夜中のパン屋さんなの?まあいろいろあんだよ。
何それ?あと…もう一つ聞きたいんですけど。
ん?お二人ってどういう関係?どういうって…。
そりゃそういう関係。
あ〜ん。
(2人)違うから。
それよりお前さ。
「行ってきます」「ただいま」ぐらい言え。
そうだね。
俺たちもさ「行ってらっしゃい」「お帰り」って言いたいもんな。
おい!う〜ん。
やっぱうめえよな。
俺のパンが世界一うまいな。
なっ?あ〜またにらんだ。
怖え!何て呼ぶ?えっ?何て呼べばいい?希実?希実ちゃん?さあ?さあって。
クレさんの妹だろ!いいんじゃない?弘基の呼びやすい呼び方で。
・おい!・おい!夕飯はいつも大体この時間。
このタイミング逃したら飯はないと思え。
はい。
総菜パンの中身に使うもんなんだけど結構うまいよ。
頂きます。
頂きます。
うん。
うん。
うまい。
あっうちは行儀悪いんだけど立ったままなんだ。
食事の時間もあんまりとれないし。
あっ希実ちゃんも早く食べなよ。
頂きます。
朝もこんな感じで慌ただしいけどしっかり食べてから学校に行ってな。
腹が減ると気が立つからな。
はい。
んっなあ弘基。
今夜はいつもより何かおかずが1品多いね。
気のせい。
そっか。
あっイチゴどう?ありがとうございます。
俺がもらう。
食べて食べて。
何だよ。
希実ちゃんにあげてんだよ。
(こだま)こだまはねこだまはひかりより遅いけどこだまはね速くなくていいんだよ。
寄り道ばっかしてていいんだ。
こだまはねゆっくりゆっくり。
ただいま。
お帰り。
お帰り。
泥棒!泥棒〜!これから皆さんでパーティーとかですか?パーティー?パンで?
(こだま)好きな人にあげるんだって考えながらやるんだよね。
あんたも誰か好きな人に食べさせたいって思ってブランジェになったの?ごめんね何か…。
・「変わって行く色欲しいものは」・「ママがくれた」・「足りないんだよ足りない夢中」・「不思議そうに抱きしめたくなった?」・「もし、今が終わりでも」・「確かに会いたいの聴こえてるよ」・「やさしい糸また転がすけれど」・「一瞬聴こえた」・「『空を変えたい自分で越えないと』」・「『私には世界がなかったの』」2015/03/15(日) 01:00〜01:48
NHK総合1・神戸
ドラマ10 真夜中のパン屋さん(1)<全8回>「謎の女子高生来たる」[解][字][再]
都会の片隅の、夜23時〜朝5時までしか開かない不思議なパン屋さんを舞台にしたハートフルストーリー。ご存知タッキーこと滝沢秀明さんがこの店のオーナーにふんします。
詳細情報
番組内容
都会の片隅に立つ、23時から朝5時までしか営業しない不思議なパン屋さんを舞台に、ひとびとの心の交流をあたたかく描くハートウオーミングストーリー。主演はタッキーこと滝沢秀明。NHK初の現代劇で演じるのはパン屋の心優しきオーナー、暮林陽介。第1話は、暮林が若きパン職人と2人だけで営む店に、謎の女子高生がとびこんでくるところから始まる騒動を描く。
出演者
【出演】滝沢秀明,桐山照史,土屋太鳳,伊藤歩,六角精児,小島藤子,藤野大輝
原作・脚本
【原作】大沼紀子,【脚本】寺田敏雄
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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