皆さんこんばんは。
真相報道バンキシャ!です。
さて、逮捕されたのは、ある昆虫を研究する第一人者。
メディアにもたびたび登場していました。
教え子の女子大学院生を殺害したとして、きのう、福井大学大学院の特命准教授、前園泰徳容疑者が逮捕されました。
前園容疑者は、被害者の女子大学院生と共に、赤とんぼの研究を行っていました。
2人の間に何があったのでしょうか。
2年前、福井県勝山市の公園で、雪上トレッキングの案内役を務める前園泰徳容疑者。
まずは勝山にどんな自然があるのってことを調べる。
勝山市によると、前園容疑者は、環境教育専門の指導員だという。
勝山市内の学校でも授業を行ってきた。
また赤とんぼを調査し、師の活動である赤とんぼと共に生きるプロジェクトに参加。
現在は福井大学で特命准教授を務めている前園容疑者。
木曜日、勝山市内の路上に止めた車の中で、東邦大学大学院生で25歳の菅原みわさんの首を手で絞め、窒息死させた疑いで逮捕され、きょう送検された。
この映像は去年10月、勝山市で開かれた赤とんぼの研究についての発表。
前園容疑者は、被害者の菅原さんと並んで座っている。
どのような関係だったのか。
平地から山への移動の確認はできていたんですが。
菅原さんも、大学の学部時代から赤とんぼについて研究していたという。
2人は2009年以降、前園容疑者が千葉県の東邦大学で、非常勤講師を務めていたころに知り合ったと見られている。
去年10月、菅原さんは学校を休学し、福井県に移住。
前園容疑者が活動する、赤とんぼの生態調査を手伝い、行動を共にする機会が多かったという。
2人を結ぶ赤とんぼというキーワード。
前園容疑者の自宅は、菅原さんの自宅とおよそ1キロメートル離れている。
前園容疑者には、妻と2人の小学生の子どもがいる。
近所の人は。
しょっちゅう来てたね。
子どもさんたちも、仲よう話しているような姿を見たで、奥さんとも。
それで家族ぐるみのつきあいでないかなと思って見てたんやけどね。
2人で車に乗って出て行くのはちょいちょい見ましたよ。
仕事で一緒に行くんでないかなと思って。
そんな特別な関係ってなことは僕はおもわなんだ。
捜査関係者によると、前園容疑者は、菅原さん所有の車の中で、菅原さんの首を絞めたあと、その車で病院に搬送。
この際、自宅にいた妻に電話。
知人が交通事故に遭ったと110番通報させるなど、偽装工作をしたという。
捜査関係者によると、前園容疑者は容疑を認めているということで、警察では2人の間に、恋愛関係のもつれがあったと見て、動機などについて詳しく調べる方針だ。
続いてはこちら。
首都圏と北陸を結ぶ新たな大動脈。
きのう開業した北陸新幹線であります。
すでに運行していた東京・長野間を金沢まで延ばし、東京と金沢が最速2時間28分。
実は私、きのう、早速乗せていただいたんですが、沿線は大いに盛り上がっておりますよ。
きのう午前6時、JR金沢駅。
北陸新幹線の一番列車が、東京へ向けて出発しました。
最速で東京・金沢間2時間28分。
東京から金沢に到着した新幹線からは、次々とお客さんが。
新幹線効果で、観光名所もこの人だかりです。
石川県の谷本知事は。
初日のこの殺到、プレッシャーには感じなかったですか?
プレッシャーといえばプレッシャーですけども、それなりの受け皿をね、やっぱり石川県、あるいは金沢はね、やっぱ持ち合わせているということじゃないですか。
一方でお隣の富山県の石井知事は。
終着駅である金沢への思いは?
そうですね、これはいい意味で競い合ってね、要するに、まず北陸のポテンシャルを大いに上げていくという意味では、富山も金沢もいい意味でね、競い合ってね、盛り上げていけばいいんです。
では、富山はどうやって、その魅力を発信しようとしているのでしょうか。
富山のアンテナショップの館長に聞いてみると。
富山は海の幸。
これからですと、そうですね、シロエビも4月からどんどん入ってきますんでね。
こちらが、富山湾の宝石といわれるシロエビ。
こちらはきのう、富山駅の駅ビルにオープンした富山の名産品が集まるとやマルシェ。
こちらの店では、そのシロエビを売りにしているのです。
富山湾で取れたシロエビの天丼や、こちらは生のシロエビたっぷりの丼です。
すげえ、うまそうなんだけど。
いらっしゃいませ。
開店は午前8時。
マルシェ初日の売り上げ目標は、今までの店舗の倍、40万円を設定。
さあ、達成できるのか否か。
オープンしてまもなく、店内はご覧のとおり。
そして4時間半が経過。
店の外には行列が、最後尾はなんと45分待ち。
思ったより、売り上げも上がっていると思います。
そうなんですね。
お店で食べるだけではなく、お持ち帰りのお弁当も大人気です。
さあ、目標は達成できたのでしょうか。
閉店後、社長は。
86です。
86万。
過去最高です。
大事なのはこれからで、1回は来てくれると思うんですけど、2回目、来てもらえるかどうかは僕らにかかっているので、これからが本番かなと思います。
一方、新幹線開業を最大のチャンスだと感じている温泉地があります。
それが宇奈月温泉。
その名がついた、黒部宇奈月温泉駅に行ってみると。
いまいちだと思いますね。
やっぱり初日ですから、金沢がメインだと思う。
開業日、何やら駅に集まってきた着物姿の女性たち。
実はこちら、宇奈月温泉にある旅館のおかみさんやスタッフ。
ホームに立つと。
帰りは宇奈月温泉、寄ってね。
いってらっしゃい。
到着するたびに移動。
そしてそこでも。
黒部で降りて。
待ってます!
お待ちしてます。
必死に桶を振ってアピールしていたのは、最速列車のかがやきが通過し、停車駅の多いはくたかしか止まらないからなのです。
とはいえ、今回の新幹線開業で、すでに効果も出ておりました。
ある旅館で見せていただいたのは、予約状況の表。
現時点で、黒部峡谷を走るトロッコ電車のシーズンを迎えることしの5月は、去年のおよそ3倍の予約が入っているというのです。
この宇奈月温泉という温泉街が、よりまた活気を取り戻して、にぎわっていけばいいんじゃないかと思っています。
北陸新幹線の開業で、地元の期待はますます膨らみます。
ではここで、こよいのご意見番をご紹介いたします。
まずは教育評論家の尾木直樹さんです。
こんばんは。
こんばんは、よろしくお願いします。
そして中央大学法科大学院教授で、弁護士の野村修也さんです。
どうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
さあ、大いな盛り上がりを見せております北陸新幹線開業、私、きのう乗せていただいたんですが、新潟の糸魚川辺りで、まず日本海がどーんと広がって、そのちょっと長いあさひトンネルというのを越えるとね、目の前に富山平野がずどーんと広がって、向こう側に立山連峰がばーんと。
もうまさにね、映画1本分の時間で、映画を超える感動と興奮がありますんで、ぜひこれね、北陸の魅力を再発見、新発見していただきたいなと思うしだいでございますが。
いい所ですよ、尾木さんはこの北陸新幹線開業、どうご覧になりますか?
これはね、僕、すばらしいと思いますね。
その景色のよさもそうなんですけど、観光地もいろいろありますけれども、子どもたちの幸せ度っていうのがね、この県はね、福井まで含めればすごいんですよ。
幸せ度ランキングがね。
トップクラス、県民の幸せランキングも、ものすごく高いところで、74指標があってトップクラスなんですね。
だから僕は幸せ新幹線だと僕は思ってるの。
ああ、この3県ね。
やがて福井まで延びますしね。
野村修也さん、どうですか?
やはり外国人観光客の方はですね、東京に来ますと、京都を目指してしまう方多いと思うんですけど、京都の公家文化と違って、金沢には武家の文化がありますよね。
だからぜひ足を運んでほしいなと思うんですけれども、さらに私個人的には、宇奈月温泉から黒部渓谷のトロッコ電車っていうのは結構好きなんですよ。
ですからやっぱりですね、かがやきだけではなくて、はくたかにも、それにもぜひ、乗ってみたいなっていうふうに思いますよね。
さて、この新幹線ですが、今回の北陸新幹線も含め、さらに全国に延び続けているんです。
この北陸新幹線ですが、金沢の先、敦賀までの区間が2022年度までに開業します。
そして北海道新幹線ですが、新青森と新函館北斗の間が2015年度、そしてその先、札幌までが2030年度までに開業予定です。
さらには九州、九州新幹線の武雄温泉と長崎の間は、2022年度を可能なかぎり前倒しすることになっています。
ますます広がる新幹線。
それぞれ沿線の町では、地域経済の活性化に大きな期待が寄せられております。
続いてはこちらです。
13人が死亡、6000人以上が負傷した地下鉄サリン事件からまもなく20年。
オウム真理教から後を継いだ団体には、今も公安調査庁による監視が続けられています。
その一方で、セミナーには、大勢の若い女性の姿が。
そして麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚の25歳になる娘が、私たちの取材に答えました。
今月6日、バンキシャは、ある女性に話を聞くことができた。
私は松本智津夫さんのことを父親と思ったことが一度もありません。
彼女はオウム真理教の教祖、麻原彰晃こと、松本智津夫死刑囚の娘。
6人姉弟の四女として生まれたが、15歳になって、地下鉄サリン事件の真相を知り、教団を離れたという。
松本智津夫死刑囚がオウム真理教を発足。
空中浮遊など、オウムが主張する神秘的体験に見せられ、高学歴の人や医師など、エリートが多く入信した。
多いときには1万人以上の信者がいたと見られている。
これは松本死刑囚逮捕2日後の映像。
家族が警視庁に面会に訪れていた。
このとき、四女は5歳。
現在25歳、事件当日の父との会話を覚えていると語る。
あのときの冷たい笑顔を、忘れることがなかなかできないんですけど。
いいことが起きているんだよって父が言って。
父にどう罪を償ってほしいかと尋ねると。
私はやっぱり、父は死刑になるべきだと思っています。
地下鉄サリン事件から20年。
オウム真理教は今どうなっているのか。
続々と女性たちが出てきています。
ことし1月、バンキシャは、埼玉県八潮市へ。
ここには、オウム真理教の後継団体の一つ、アレフの施設がある。
年末年始に行われた集中セミナーを終え、参加者が車に乗り込んでいた。
この車は、どこへ向かうのか。
車を見つけたのは、最寄りの駅だった。
中から降りてきたのは、ほとんどが20代くらいの女性。
今回のセミナー、どんなお話だったんでしょうか?地下鉄サリン事件からことし20年目になるんですが、事件のこと、どうお考えですかね?
ほとんどの女性が、マスクなどで顔を隠していた。
公安調査庁によると、新しく入信する信者の6割以上が、35歳未満の若者だという。
一体どのようにして、アレフは信者を集めているのだろうか。
その信者の脱会支援などを行っている滝本太郎弁護士。
ツイッターからいつの間にか仲間になって、そういう精神世界の話をしていく。
だいぶ時間をかけて勧誘している感じを受けます。
SNSでのヨガに興味があるという書き込みがきっかけになることが多いという。
さらにこんなものも見せてくれた。
実践編と書かれた4枚の紙。
これは少なくとも、去年末までは使われていた、アレフの勧誘マニュアルだという。
宗教くささを感じさせない。
ばつなこと、不自然な笑顔、いいことしか言わない。
まずオウム真理教のときと同様に、ヨガ教室に誘うところから始まるという。
話に乗ってこないと感じたら、その日はヨガを勧めずに、世間話、恋話、仕事など、違うことで終わらせる。
やっぱり若い人は、もう20年前はね、小学生、もしくは幼稚園。
事件の重大性、オウム集団の特徴を知らないままに入っていってしまうと思います。
警察庁によると、確認されているアレフの施設は全国で24か所。
施設の内部はどうなっているのだろうか。
これは主流派のある施設の、いわゆる祭壇の状況ですね。
これは、去年8月に公安調査庁が撮影したアレフのある施設の写真。
祭壇に宗教画が飾られ、松本死刑囚の写真が天井からつるされている。
そして祭壇の横のモニターには、松本死刑囚の姿が映し出されていた。
PSIといわれているヘッドギアっていう修行道具があったり、麻原への帰依を全面に押し出した活動をしているところと見ております。
松本死刑囚の脳波を共有できるとして使われたヘッドギアが、今も施設内にあったという。
今も、松本死刑囚への帰依を全面に出していることについて、四女は。
殺人を容認してしまった教義というのが、今も変わらないので、自分たちもそういう事件に携わってしまう可能性があるので、入るのはやめてほしいなって。
一方、8年前にアレフから分かれて出来たひかりの輪。
代表は上祐史浩氏。
オウム真理教時代には、広報担当として、頻繁にカメラの前に現れていた。
ひかりの輪は、1、2か月に1度、上祐氏が聖地とする場所に行く、聖地巡りというツアーを行っている。
これは5年前の聖地巡りに参加した人が撮影したもの。
ひかりの輪は、心と体のリフレッシュとうたっていて、参加者はここでも若い女性が多くいた。
公安調査庁は、こうしたツアーも資金源と見ている。
去年8月には、旅行業の届け出をせずに、ツアーを繰り返し行っていたとして、警視庁が旅行業法違反の疑いで家宅捜索に入った。
公安調査庁はどう見るのだろうか。
ひかりの輪の中には、麻原に帰依心を持っている者もいるという状況から見て、まだ麻原の影響力があると見ております。
今月7日、上祐氏が音声のみという条件で取材に答えた。
ひかりの輪は、特定の神や人間を崇拝しない。
麻原教自体を抜け出して、新しいものをやるとして、2007年に発足した。
上祐氏は松本死刑囚への信仰から脱却したと主張している。
地下鉄サリン事件当時、5歳ながら幹部として教団の内部にいた四女。
教団を離れた今も、責任を感じているという。
地下鉄サリン事件から20年になりますが、被害者への賠償金の支払いは、進んでいません。
オウム真理教は一連の事件の被害者や遺族に対し、支払うべき賠償額は、およそ38億円に上ります。
これまで教団の財産などがその支払いに充てられたほか、アレフやひかりの輪が賠償を引き継ぎ、支払いを続けていますが、今日に至っても、およそ19億円が支払われていません。
オウム真理教犯罪被害者支援機構は、被害者が高齢化していく中、早く被害者が賠償を受け取れるよう、両団体に引き続き支払いを求めていくとしています。
今も多くの課題を残すこのオウムの問題なんですが、尾木さんはどうご覧になっていますか?
やっぱり僕、一番怖いのは風化の問題だと思うんですよね。
やっぱり被害者の方のその賠償の問題もありますけれども、もう一つ、やっぱり大事なのは、後遺症でやっぱりしびれだとか、頭痛とか、まだ悩んでおられる方、おられるのね。
そういう方へのケアをきちっとするということと、それからさっきVにも出てきましたけど、今、若者たち知らなくて、本当に大学生なんか、危険なんですよね。
だから大学でも一生懸命、お昼の放送時間帯に、危険を放送で流して、注意喚起したりしている状況があるんですけれども、そういうところらへんも含めてもう終わった問題では全然なくて、今進行形でね、イスラムの問題とかいろいろありますけれども、そういうのと一緒に重ねながら学生にも若い人にも言っていかなきゃいけないなと思います。
NNNがこの週末に行った世論調査によりますと、オウム真理教は事件のあとに解散しましたが、宗教活動を引き継いだ団体が、今も活動を続けていることに、不安を感じると答えた人は82.3%、不安を感じないは14.4%となっています。
さあ、野村さんはこれ、どうご覧になりますか?
今、尾木先生からもお話がありましたようにね、最近の大学生は、やっぱりこの事件を知らないんですよね。
ですから、彼らにどう伝えるかっていうのがとても大事なことだと思うんです。
若いときにはどうしても、自分の力をつけたいっていうことから、神秘的なものに憧れてしまうっていう傾向があるんですけれども、やはり厳しいとはいっても、現実というものにしっかりと向き合っていく、その大切さを教えていくことが必要なんじゃないかと思いますよね。
事件から20年を迎える3月20日には、事件現場の一つとなりました、東京メトロ霞ヶ関駅で、慰霊式が行われる予定です。
さあ、続いてはこちらです。
中国で国会に当たる、全国人民代表大会がきょう終了。
閉幕式で、法律による統治で改革を進めると宣言しました。
私たちには当たり前に聞こえることですが、中国では、あえて宣言しなくてはいけない現実があります。
すでに死刑が執行されてしまったえん罪事件までもが明らかになっております。
その背景には、法律による統治が、十分に機能していないということがあるようです。
バンキシャは、なんとか死刑を免れたえん罪被害者や、無実の罪で死刑になった人の家族を取材しました。
内モンゴル自治区の中心都市フフホト。
市街地から車で30分ほど。
建築資材が廃棄された林の中。
れんがの囲いが見えてきた。
ここがお墓。
なんかこう、ちょっと寂しそうにありますけどね。
墓碑にはフグジルトと刻まれている。
1996年、強かん殺人犯として、死刑となった男性の名前だ。
市内に住む男性の両親を訪ねた。
尚愛雲さん62歳。
見せてくれたのは。
18歳のときの写真です。
これが一番新しい写真で。
工場に入ったときに、証明写真として撮った最後の写真です。
強かん殺人犯とされた息子。
事件からおよそ2か月後、死刑は執行された。
しかしその後、別の事件で逮捕された男が犯行を自供。
真犯人と判明した。
死刑によって、18歳の息子が命を絶たれてから18年たった去年。
母の元に届いたのは、息子は無罪とされた判決書だった。
中国全土が注目したえん罪事件。
真犯人の裁判を傍聴した尚さんは。
中国国営テレビのニュースは、去年1年間に中国で12件の大きなえん罪事件が明らかになったと、大々的に報じた。
なぜ今、中国で、このようなえん罪事件が、次々と発覚しているのだろうか。
バンキシャは、河北省石家荘に向かった。
中国の農村でよく見かける大きな中庭のある家。
この家に住む、張カン芝さん70歳。
納屋から出してきたのは、古びた写真。
息子が17歳か18歳のときです。
19歳で捕まったから、その1、2年前の写真です。
1994年、息子が働いていた工場の近くで女性の変死体が見つかり、警察は、息子の身柄を拘束した。
父親が思い出すのは、その日もふだんと変わりなく出勤した息子の姿。
だがその息子は、強かん・殺人の罪で死刑判決を受け、逮捕からおよそ半年後、刑は執行された。
それは両親にさえ知らされることはなかった。
判決書さえくれなかった。
息子がなんの罪で死刑になったのかさえ分かりませんでした。
生きているときも、死んだ後も会わせてもらえなかった。
もらったのは遺灰だけです。
死刑執行から10年後の2005年。
別の事件で逮捕された男が、息子の事件の犯行を自供。
去年12月、ようやく再調査が始まることになった。
死刑執行から19年がたっていた。
当時、弁護士から聞いたんです。
息子は最初は認めなかったのに、なぜ最後に罪を認めたのかと聞いたら、泣きながら、殴られたと言っていたそうです。
取り調べの際の自白の強要。
これが多くのえん罪事件に共通していた。
中国南部広東省の珠海。
暴力で自白を強要され、死刑判決を受けたことのある男性を訪ねた。
徐輝さん55歳。
徐さんは、死刑囚として収監されたが、去年、罪の疑いが晴れ、16年ぶりに釈放された。
徐さんは当時の取り調べの様子を再現してくれた。
背中にいすを当て、後ろ手に縛られ、ひざまずかされたという。
顔を殴られたり、頭を殴られたり、あんなふうにされると、人格そのものが崩壊してしまう。
徐さんによると、眠ることも許されず、暴力的な取り調べが丸5日間続いた。
その間、食事は1日1食、水は飲ませてもらえなかったという。
命の危険を感じましたか?
当然です。
罪を認めたら死刑になると考えなかったのだろうか。
そのときは、そこまで考えなかった。
少しでも眠らせてもらえるならいいと、寝てから考えようと思ったんです。
徐さんが無実と信じて、16年間弁護に当たった弁護士は、警察の取り調べで、自白が強要される背景について、次のように指摘する。
人命に関わる事件は、必ず解決するという捜査当局の方針はよいのですが、現実的ではありません。
もし事件を解決できなければ、担当者は地位を奪われることをおそれて、過激な方法を取るようになります。
だから誰か1人を捕まえて、犯人に仕立てあげて、事件は解決したとしてしまうのです。
中国のこうした実態に、習近平政権の登場が、ある変化をもたらしつつある。
われわれは法で国を治めることを全面的に推し進め、法治によって人民の権益を保障し、社会の公平と正義を守る。
法律によって国を治める。
当たり前のように聞こえるが、中国では権力が優先され、必ずしも法律が正しく機能してこなかった。
この問題を解決するとして、習近平政権が強く打ち出したのが、法律によって国を治めるという政策だ。
その政策のもとで今、えん罪の疑いがある過去の死刑判決などが次々と見直されているのだ。
死刑執行後にえん罪が発覚したフグジルトさんの母、尚愛雲さん。
先月9日、午前9時前。
これ、裁判所の前ですが、朝からメディアが集まっています。
フグジルトさんがえん罪となった事件。
その新たな被告人に、判決が言い渡される日だ。
そこに母、尚さんの姿があった。
傍聴するため、裁判所の中へ。
裁判所は趙志紅被告に対し、死刑判決を言い渡し、フグジルト事件の真犯人と認定しました。
今、出てきましたね、ご両親。
傍聴を終えたフグジルトさんの母、尚さん。
メディアに囲まれると、思いが込み上げた。
真犯人の特定、フグジルトさんのぬれぎぬは晴れた。
しかし、息子が戻ってくることはない。
当時、事件についてきちんと調べていれば、私の息子がえん罪になったはずはありません。
法律は公正なものだが、法律を扱う人間が公正ではないのです。
フフホトの元検察官、滑力加氏。
滑氏自身は、フグジルトさんの事件の捜査に直接関わったわけではないが、検察内部では、早くからえん罪の疑いが持たれていたと証言する。
私も含め、ほとんどの人が間違った判決だったことを知っていました。
間違って人を殺した大問題ですから、話すことは当然、禁じられていました。
これまでえん罪が隠されてきた背景には、官僚の体質に問題があったと指摘する。
個人の責任を追及するのであれば簡単ですが、多くの人が関わっているため、事件を見直そうとした場合、処分を恐れる官僚たちが互いにかばい合うのです。
フグジルトさんのえん罪事件は、中国が法治国家への道を歩み始めた証しとして、大きく報じられている。
中国は果たして、
全人代はきょう、閉幕しましたが、最高人民法院の周強院長は、刑事事件の判決の見直しが1317件に上ったことを明らかにし、ビデオにあったフグジルト事件について、現在、法と規律に基づき、関係者の責任を追及している。
そして誤審が起きたことを深く反省し、教訓を受け止めて、えん罪や誤審を防ぐよう、システムを見直していくとコメントしています。
野村修也さんは、弁護士という立場から、こうした中国の現状をどうご覧になりますか?
VTRに出てきた警察の取り調べはもう論外ですよね。
やはり何か恐らく政治家のプレッシャーや行政のプレッシャーを受けながら、司法制度というのが営まれている感じがしますので、中国が本当の意味で法治国家になろうとするのであれば、やはり司法制度、あるいは警察当局を政治とか、あるいは行政からしっかり独立させるということが何より大事なんじゃないかなと思いましたね。
尾木さん、いかがでしょう。
そうですね、やっぱりね、ここの中国の場合っていうのは、法律はあっても、全然それが機能していないっていうことを言っていましたけれども、やっぱり人の権力によって動いていくところ、ありますよね。
そこには賄賂が使われたりとかいろいろなことがあると思いますけれども、やっぱりその人治的なシステムから機能のしかたからね、それはやっぱり本当の意味での法治国家にしていくっていうのは基本的な民主主義の大前提ですから、ぜひ頑張ってほしいなと思いますよね。
人治から法治へという。
法治国家っていうのは、本当に努力しないと実現できない
続いては上田さんのニュースコーナーです。
お伝えします。
NNNがこの週末に行った世論調査によりますと、安倍内閣の支持率は、前の月に比べて3.4ポイント下がり、47.6%でした。
世論調査で安倍内閣を支持すると答えた人は47.6%と、前の月より3.4ポイント下落しました。
内閣支持率は前の月、5か月ぶりに50%台を回復しましたが、1か月で再び40%台となりました。
一方、支持しないは32.4%でした。
政治とカネの問題に対する安倍内閣の対応については、適切だと思うが17.1%にとどまり、適切だと思わないが66.5%に上りました。
戦後70年に当たることし、安倍総理大臣が出す談話の中で、何を最も強調すべきか尋ねたところ、70年の平和国家としての歩みが40.3%で最も多く、大戦の反省は、13.1%でした。
また鳩山元総理大臣が、ロシアが一方的に編入したウクライナ南部のクリミアを訪問したうえで、ロシアによる編入を評価したことについて、77.9%の人が適切だと思わないと答えました。
中国の李克強首相が、歴史認識の問題で日本をけん制しました。
李克強首相は、国の指導者は先人の罪がもたらした、歴史の責任も負うべきだと述べ、安倍総理大臣がことし発表する戦後70年の談話を念頭にけん制しました。
一方で、歴史を直視すれば関係改善の新たな契機となり、経済や貿易の発展によい条件を作り出せるだろうと、関係改善に期待感も示しました。
陸上では、14年ぶりの快挙です。
石川県で開かれた全日本競歩能美大会。
男子20キロに出場した鈴木雄介選手は、スタートから他の追随を許さないレース運びで、世界記録を26秒上回る、1時間16分36秒でフィニッシュ。
ではニュース予報です。
水曜日です。
アメリカ、オバマ大統領夫人のミシェルさんが来日します。
外報部の大滝デスクによりますと、2015/03/15(日) 18:00〜18:55
読売テレビ1
真相報道 バンキシャ![字]
バンキシャ!は毎週、注目を集めている事件・出来事について、他にない切り口で検証を加える番組です。今週もスタッフは各地に飛び、ただいま取材中。ご期待ください。
詳細情報
番組内容
真相報道バンキシャ!は福澤朗と夏目三久がお伝えする〈新型〉報道番組。日曜の夜、その1週間の起きた出来事について視聴者の方に「なるほど、そういうことだったのか」と言っていただける番組づくりを目指しています。取り上げるのは、事件・事故・政治・経済からスポーツまで、硬軟とりまぜ幅広く。ニュースの新しい見方をご提供いたします。番組への情報、ご意見は番組HPまでお寄せください。
出演者
【MC】
福澤朗
夏目三久
【ゲスト】
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