日本を代表するアール・デコ建築…アール・デコは円や直線を使ったモダンなスタイルが特徴とされます。
しかしこの館には古代ギリシャやローマを思わせる古典的な装飾も施されています。
アール・デコの知られざる顔「古典主義」に焦点をあてる展覧会です。
アール・デコが花開いた1910年から30年代。
古典的なデザインが流行します。
ファッションの革命児ポール・ポワレは古代の女性が身につけたシュミーズ・ドレスを復活させました。
黒いビーズの刺繍が現代的なおしゃれ心を加えています。
ジャニオが手がけたニンフ像。
ギリシャ神話の妖精。
フランスは第1次世界大戦後の混沌の中古代ギリシャローマから続く古典的な伝統に自らのアイデンティティーを求めました。
朝香宮邸の主な装飾はフランスの芸術家たちに任されました。
古代の庭を思わせる壁画などこの館に古典主義のモチーフがちりばめられているのはそのためです。
朝香宮邸の建物自体が今までのアール・デコという見方からするとちょっと理解しにくいところがあったんですね。
例えばギザギザであるとか直線的放物的というような言葉が必ずしも朝香宮邸にはぴったりこなかった。
それはどういう事なのかという事を改めて見直すというのが今回の展覧会の一つのテーマになっています。
当時世界最大とうたわれた豪華客船「ノルマンディー号」の装飾用の下絵です。
牡牛に化けたゼウスが美しい女性エウロペを誘拐するという神話の物語。
古典主義の作品は人気を博し多くの公共建築を飾りました。
聖書のアダムとイヴの物語を下敷きに描いた作品。
古典主義の作家たちは20世紀の前衛芸術の流れに押され一時は忘れ去られていました。
しかし近年伝統の中に現代性を追求した彼らの魅力が見直されてきています。
日本とスイスの国交樹立150周年を記念してデザイン大国スイスの全貌を紹介します。
小さな国土に雄大なアルプス。
スイスは山岳リゾートを中心とした観光産業で発展してきました。
観光に欠かせないのが鉄道。
安全・正確で知られる連邦鉄道のオリジナル時計はスイスを代表するデザインの一つです。
目盛りだけの文字盤に赤い丸の秒針。
遠くからでも見やすいようデザインされています。
世界を飛び回る航空機は国のイメージを伝える広報大使のようなもの。
ロゴのデザインには特に力が注がれます。
時代ごとに最も活躍するデザイナーが手がけてきました。
文字デザインの分野ではスイスは世界をリードする存在です。
縦長の紙幣。
スイスが生んだ文化人がデザインされています。
近代建築の父ル・コルビュジエもその一人。
およそ90年前仲間と共にデザインした椅子。
無理のない姿勢を保つよう綿密に計算された形は今も世界中で愛されています。
モダンデザインの巨匠マックス・ビルが学生のために作った究極の多目的スツール。
椅子としてはもちろんサイドデスクや本棚逆さにすれば本の持ち運びにも使えます。
家具職人だったクルト・ネフが作った木のおもちゃ。
独特の形をした新発想の積み木です。
崩れにくいため遊び方は無限に広がります。
こちらはクラゲのように伸び縮みする照明。
新世代のデザイナー集団アトリエ・オイの作品です。
16世紀前半から描かれてきた「洛中洛外図屏風」が京都に集結しています。
現存する最古の「洛中洛外図屏風」。
「洛中洛外図」はもともと戦国武将が都の姿を把握したいという思いから生まれました。
念仏踊りなど季節の行事。
板ぶきの屋根の上で仕事をする職人などのどかな庶民の生活もかいま見えます。
「舟木本」は浮世絵の元祖とも言われる岩佐又兵衛作。
大きな母衣を担いだ男たちが練り歩く祇園祭。
人の数はおよそ2,700人。
低い視点から描く事で生き生きとした人の表情や都の躍動感を捉えています。
江戸幕府の御用絵師住吉具慶が描いた「洛中洛外図屏風」。
近年右隻が発見され初公開されています。
祇園祭の前祭に登場する山鉾23基が全て描かれているのはこれだけです。
染色家芹沢介と柳宗悦の関係を芹沢の作品から探ります。
染色で人間国宝となった芹沢。
その道を歩み始めたきっかけは柳との出会いでした。
民芸運動を率いた柳を師と仰ぎ共に暮らしの中の美を求めるようになります。
柳と初めて訪れた沖縄でかねてから憧れていた染め物紅型を習得。
作品は明るく自由になっていきます。
円や正方形の中に日本の伝統的な文様などを組み合わせた76歳の作品。
柳の導きによって芹沢は用の美を超えた芸術表現に到達します。
2人の師弟関係から見る展覧会。
17世紀スペインの画家ムリーリョが描いた「物乞いの少年」。
ボロボロの服についた蚤を無心にとっています。
靴を履かずに街を歩いたのでしょう。
足の裏が汚れています。
名もなき人々の生活や世相にスポットをあてた作品を「風俗画」と呼びます。
ルーヴル美術館のコレクションから珠玉の風俗画を集めました。
金貨の重さを量る「両替商とその妻」。
妻の手元には祈りのための書物。
しかし金貨に心を奪われたのか視線はそこにはありません。
夫が正しく量っているか見守っているようにも見えます。
貪欲を罪とするキリスト教の教訓が込められています。
着飾った上流階級の婦人が占い師に手相を見てもらっています。
その隙に婦人の財布を盗もうとする老婆。
占い師と悪だくみの仲間なのでしょう。
ところがその背後の男性は占い師から鶏を盗んでいます。
だましだまされ人生の教訓です。
やはりパッと見ただけでは分からないような意味が込められている事もあるのでその辺りはまず描かれているものが身近に見えるけど何なんだろうというところから入って見て頂いてそれでより深い意味を知って頂くと意外な発見もあってそこもまた風俗画の魅力の一つだと思います。
風俗画では人目に触れる事のない女性のプライベートな姿も多く描かれました。
差し出された手鏡を見つめ身繕いをする女性。
背後に置かれた鏡には彼女の後ろ姿も映し出されています。
17世紀オランダを代表する画家フェルメールの傑作「天文学者」。
今回初来日しています。
透明な光と影が織り成す静寂の世界。
天文学者がじっと見つめているのは星座が描かれた天球儀。
科学への関心が高まった17世紀。
フェルメールの絵の中にも時代の世相が映し出されていたのです。
2015/03/15(日) 20:45〜21:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン ▽“幻想絶佳 アール・デコと古典主義”展 ほか[字]
「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」(東京都庭園美術館 1月17日〜4月7日)ほか、展覧会情報
詳細情報
番組内容
「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」(東京都庭園美術館 1月17日〜4月7日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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