ダウントン・アビー3 華麗なる英国貴族の館(2)「晩餐(ばんさん)会」 2015.03.15


20世紀初頭イギリスの貴族クローリー家が住む館ダウントン・アビー。
メアリーとマシューの結婚式が近づく中…
(ロバート)そんなバカなことが!?
ダウントンの存続を脅かす新たな問題が起こります
(マレー)グランド・トランク鉄道は間もなく破綻します。
伯爵が投資した株が大暴落
(コーラ)私の財産も失ったの?ほとんど全てだ。
身分の違いを乗り越え三女シビルと結婚した元運転手ブランソン
(バイオレット)あなたは我が家の一員よ。
正式な家族として迎えられます。
使用人たちの間では侍女オブライエンのおいアルフレッドが新しい下僕として仲間に加わります
(オブライエン)とにかく早く昇格できるように仕事を教えて。
(トーマス)どこまで欲深いんだ?
何かと結託していたトーマスとオブライエンの間に溝が生まれます
(イザベル)遺産って一体いくら?
(マシュー)ばく大だ。
そんな折マシューに元婚約者ラビニアの父の遺産相続の話が持ち上がります
(メアリー)受け取ってもらう。
メアリーはその遺産でダウントンを守るよう懇願しますが…
とてもじゃないができない。
僕がラビニアを死なせたのに。
じゃ彼女への償いのために家族を犠牲にするわけ?
屋敷の存続はマシューにかかっていました

(テーマ音楽)
(メアリー・クローリー)おばあ様とお父様のどちらが最初に怒るかしら?
(マシュー・クローリー)ハハッ。
この車を見たら2人同時に吠えるだろうな。
アハハハッ。

(ロバート・クローリー)これは一体どういうことだ?ハハッ。
ハッ。
驚いたな。
(コーラ・クローリー)どうしたの?この車。
フランスへ行く前にロンドンで注文しておいたんです。
ACですよ。
一応国産車か。
メアリーお帰りなさい。
旅行はどうだった?何もかもが刺激的で。
そうだろうな。
さあ入ろう。
アンナは戻ってる?
(コーラ)ええ忙しく働いてるわ。
(トーマス・バロー)誰の服だ?ここで何してる?
(アルフレッド)マシュー様の服がシワになっていたので手入れを。
なんでお前がそんなことを?モールズリーはどうした?
(アンナ)今日は来ないわ。
なら俺の仕事だ。
(オブライエン)カーソンさんがおいにと。
そんなバカな。
どうしたらそんなことに?とにかくこんな所でシャツを広げるな。
汚れるだろ。
俺からの忠告だ。
ボタン付けだったら着替え部屋かよそでやれ。
どうも。
ご忠告ありがとう。
いつも親切ねトーマス。
(銅鑼の音)
(マーサ・レビンソン)それで南フランスはどうだった?すてきだったわ。
今の時期は少し暑いけど。
こっちの人は夏を満喫しないのね。
私は太陽が大好き。
(バイオレット・クローリー)そのようね。
でも夏のカンヌは暑くて耐えられないわ。
平気よ。
彼女はいつまでここに居るの?さあ?
(バイオレット)これからは帰る日を前もって決めておくべきだわね。
まったくもって同感です。
フン。
(イザベル・クローリー)旅行の間の郵便がたまってるけど見るのはあしたにしなさい。
何か変わったことは?実は私新しい仕事を見つけたのよ。
でもバイオレットに反対されているの。
その話はあとにしましょう。
(マーサ)1920年にまだしちゃいけない話がある訳?あきれちゃうわ。
アハハッ。
私は品の問題を言っているの。
古くさいこと言うのね。
フンフン。
どう思う?コーラ。
話題によっては聞かせたくない相手だっているでしょうね。
そう。
それって使用人のこと?ウフフッ。
大丈夫よ。
カーソンたちは私たちよりよっぽど大人だから。
止めてください。
無理よ。
暴走列車は止められない。
行きましょう。
年老いたストラランは?元気でやってる?
(イーディス・クローリー)「年老いた」なんて言わないで。
彼は若々しいわ。
ストラランをイーディスに近づけるのは危険じゃないかしら?イーディスの方が積極的でして。
では彼に頼んでちょうだい。
関係を終わらせるようにね。
(パットモア)あら臓物料理も食べてる。
アメリカ人でも食べられるんだね!あの方は出せば何でも食べますよ。
もうガツガツと…。
カーソンさんが頭から袋をかぶせるかと…。
おっと。
(リード)気にしないで。
レビンソン夫人もあなた方をバカにしてるから。
じゃあまあおあいこだね。
(デイジー)煙突が壊れてるみたいでオーブンが熱くならないの。
どうせまたあんたのやり方が悪いんじゃないの?フン。
(ヒューズ)忙しい?別に。
こっちの食事の用意も済んでるし。
じゃあちょっと向こうで話せる?これはうまい。
わざわざ僕のために?ああそうとも。
君を息子として迎える祝いだ。
言葉にならないくらいうれしいよ。
あなたとは正直な関係を築きたい。
隠し事のない。
私もだ。
メアリーから苦境に立ってると聞きました。
う〜ん。
そのとおりだ。
君たち夫婦が誰よりも影響を受けるだろう。
スワイヤー氏の遺言の件はご存じですか?ええ聞いたわ。
ロバートが全部話してくれた。
だけど1つの会社に大金をつぎ込むなんてどうかしてるわよ。
ええ。
ホントにそうね。
ダウントンを追われる日が来るなんて…。
ロイド・ジョージ首相も嘆くわ。
それはどうだか分からないけど。
とにかく何かいい解決策を考えないと。
どこかにまだ手をつけていない財源はないかしら?
(舌打ち)石炭か砂金でも採れればね。
スズでもいいわ。
財源ならそこに1人居るけどね。
つまり堕落した女たちを援助するわけ?違います。
生きるためにやむなく身を落とした女性を救う施設がヨークにあるのよ。
(マーサ)ああ住所は言わないで。
アルフレッドが興味津々だから。
そこで何をするわけ?まずは彼女たちを保護して休ませる。
まあ休みは必要ね。
それから仕事を探すお手伝いをします。
戦争で稼ぎ手を失ってたくさんの家庭が苦しんでいるからね。
ウン。
要は私に寄付しろって話?誰もそんなことは頼んでないでしょ。
そう?てっきり私は金づるに見られてるんだと思ってた。
ならどうして遺産を受け取らない?正当な権利だ。
僕がラビニアを傷つけたことを彼は知らないんです。
ラビニアを大事にするどころか僕は彼女を裏切った。
金を受け取れば彼をだましたも同然です。
なるほど。
君がそう思うのならしかたがないな。
お邪魔してすみません。
いらっしゃると思わなくて。
いやかまわんよ。
どうぞ。
もう行くから。
アッ…。
まあ確かにしこりはあるけど心配する事ないんじゃないかしら。
でどうするつもりです?分からない。
まあとにかくまずはあしたお医者さんに行ってちゃんと診てもらった方がいいですね。
でももし…。
待った。
もし万が一悪い結果だったとしても早く分かった方がいいでしょ?それはそうだけど…。
(泣き声)ああねえ。
独りで行くのが不安だったら私が付き添いますから。
とにかく診察は受けなくちゃ。
アッ…でもお金がかかるわ。
アッそりゃかかるだろうけど葬儀社に払うより医者の方がいいよ。
(泣き声)ねえパットモアさんそれが励ましの言葉だとしたら付き添いは結構ですよ。
(足音)一糸まとわぬ僕を見たらアンナが驚くかも。
ウッフン。
(アンナ)私は肝が据わってますからご心配なく。
(足音)
(カーテンを開ける音)今日はベイツの面会?そうです。
楽しみで。
ベイツによろしく言って。
君のベッドで起こされるのは気まずいな。
でも幸せよ。
ああ最高に幸せだ。
(キスの音)今日はジャービスに会って家探しを始めるよ。
う〜ん。
それよりもここでの時間を満喫したら?救いの手がないかぎりこの屋敷ともお別れよ。
じゃあ追い出されてから新しい家を探す気?言っときますけど追い出されるのはあなたのせいよ。
(キスの音)
(娼婦1)ねえどう?・
(娼婦2)お兄さんちょっと遊んでいかない?・
(男性1)私?・
(娼婦2)そう。

(男性1)いや〜結構。
遠慮しとく。
(足音)
(娼婦2)ねえお兄さん。
(ストララン)メアリーも戻ってきたことだし家族水入らずで。
ならあなたも…。
やめてくれ。
私は君の家族じゃない。
来週の晩餐会には伺うよ。
何だね?私のこと傷つける気はないだろうけど…。
もちろんだ。
そんなことはしたくない。
だったらどうして突き放すの?私だってそうはしたくない。
だけど…。
腕の話を持ち出すのはやめて。
聞き飽きたわ。
(ストララン)それだけじゃない。
私はもう年だ。
もっと未来のある若者を探してくれ。
あなたにも未来はあるわ。
ああ私だってそう信じたいよ。
なら決まりね。
もう無理に私を避けないで。
今夜の夕食に来ること。
いい?分かった?
(守衛1)ご苦労さま。
(ベイツ)住所録の人たちは?
(アンナ)何人かから返事が届いたわ。
2人は宛先不明で戻ってきちゃった。
誰だ?ええとあれはハーリップさんだったかしら。
あともう一人は確かバートレット夫人。
ハーリップはいとこだがヴェラは会ったことはないはずだ。
だがバートレット夫人は近所の友人だから何か知ってたかも。
捜し出すわ。
任せて。
フランスの話を。
カエルの脚を食べてカンカンを踊った?いいえ。
でもガーターを買ったわ。
(クラークソン)他に何か症状は?これといってありませんけど。
気分が悪くなったり疲れを感じたりは?ああそれは疲れを感じる事はありますがいつもの事ですから。
(クラークソン)なるほど。
では今日のところはまず予備検査をしてみよう。
(パットモア)私も居ていいですか?そうしたまえ。
どうしたんだ?マシュー様のテイルコートに染みが付いてて。
うん。
何だろうな。
いろいろやってみたけどどうしても落ちなくて。
いい方法がある。
ホントに?教えて。
ああ。
だが奥の手だから他のやつに言いふらすなよ。
(足音)
(ドアを開ける音)アァ…ここに居たのね。
おはようおばあ様。
あなたを捜してたの。
例の話だけど実行に移すべき?ホントにあの人に…あなたのもう一人のおばあ様に助けを求める?ええお金持ちだし遺産の半分はお母様のものよ。
まあ遺産は無理でしょうね。
誰よりも長生きしそうだもの。
お金が必要なのは今よ。
何とかして彼女にダウントンを救うのが義務だと思わせるのよ。
でもそんなことどうやって?この屋敷の価値を示して存在意義を知らしめるのよ。
そうすれば孫のあなたにこの屋敷を継がせたくなるでしょう?彼女に人の心があればきっとそうするはずよ。
ではお茶会に招待しましょう。
ウン。
作戦開始ね。
他にもいくつか検査があるから今の時点で悲観することはないよ。
(ヒューズ)検査ってどんな検査です?あしたかあさってにのう胞から液体を採取する。
それが濁っていなければ問題はない。
採取ってどうやって?注射器で。
それ痛い?痛くても痛くなくてもどうせやるんですからそんなこと聞く意味ないわ。
それより知りたいのは液体が濁っていた場合どうなるかです。
詳しい分析に回す。
つまりもしかしたらガンかも?まあそういう事になる。
だが可能性は低いと思うよ。
ほらね。
何も心配することはないんだよ。
でしょ?先生。
私は大人として説明を受けてるんですから子供扱いするのはやめてちょうだい。
ねえ燃えが悪いと思う?別に。
レビンソン夫人はバイオレット様のお茶会に呼ばれたわ。
彼私を好きみたい。
愛想がいいだけよ。
(ドアを閉める音)
(足音)大丈夫?何時間も机にかじりついて。
(ため息)職場復帰に備えて勉強しないと。
ウン。
弁護士から連絡はあった?どうぞ読んで。
(ため息)あなたが相続人に決まりね?そうらしい。
だがインドで死亡証明書を取らなきゃならないからまだしばらく時間がかかるだろう。
よかった。
何がいいの?その間に考え直せるでしょう?いいかげん苦しめないでくれ。
このまま何もなかった顔をして遺産を受け取るのは詐欺と同じだよ。
君のお父さんは分かってくれた。
いいえ。
父はただ援助を頼みたくないだけよ。
今からお茶会なの。
行ってきます。
君を心から愛してる。
ええ。
分かってるわ。
(足音)
(ドアを開ける音)
(コーラ)ハロルドは元気にしてる?今はヨットに取りつかれてるわ。
巨大なヨット速いヨット…。
ヨットなら何でも。
幸せなの?さあ?いつも忙しそうで。
(バイオレット)コーラに男きょうだいがいるなんて何だか不思議。
どうして?
(コーラ)それは男きょうだいがいるのに私が実家の財産をもらったからよ。
(バイオレット)男の相続人がいたら女は何ももらえないの。
息子さんとお会いできる?ハロルドは国を出たがらないの。
あらまあ。
その方はアメリカを出ないし私は絶対に行きたくない。
アハッ。
今のは冗談よね?アメリカは魅力的な国だわ。
ええそうね。
ホントにそのとおり。
今は特にクローリー家とレビンソン家の絆を感じているのよ。
(コーラ)うれしいわ!それが本心ならね。
本心よ。
両家が支え合うのはすばらしいことだと思うわ。
それはうちの財産のおかげでクローリー家が生き延びたから?そういう言い方はどうかしら。
ええかなり心外だわ。
でも確かにお母様の持参金で由緒ある家を守れたの。
とても有意義な使い道よね。
フフフッ。
まあお金ってのは使わなきゃね。
フー。
これは何だ?ああ…。
その…。
どうした?染みがあって…。
知ってるよ。
だからって焼かなくてもいいだろ。
ハッ。
何をした?まあいいや。
あしたの朝ロンドンの店に送って直させてくれ。
別に気にしなくていいよ。
今日はディナージャケットにする。
(カーソン)おいヒューズさん。
デザートワインのグラスが出てないぞ。
あら今夜使うんだった?メニューにあっただろ?冗談で書いたとでも思ってるのか。
いえそうじゃありませんけど…。
いいかね私は今旦那様を説得して有能な人材を雇いたいと思っているんだよ。
だからそれが実現するまで頼むから気を抜かないでくれ。
ああ…。
(マーサ)ニューポートは別にジャングルじゃないわ。
堅苦しくなくていい所よ。
マシューが気を遣って略式の装いにしてるわ。
ハッ。
どうかお許しを。
ちょっとした災難に見舞われまして。
あらどんな?アルフレッドが上着を焦がして穴を開けたんです。
でもご心配なく。
おいカーソン落ち着け。
申し訳ございません。
(ストララン)私も略式が好きだ。
たまには気楽な格好もいいさ。
恋人同士なら特にね。
だけど伝統を守ることも大切だわ。
とは言っても変化は必要だと思うわ。
そうね。
伝統も大事だけど変化を受け入れることも大切よ。
でもこのダウントンの屋敷は伝統の象徴でしょ。
何としても維持しないと。
そうは思わない?レビンソン夫人。
こういう屋敷はどんなことをしても守るべきよ。
そうね。
その価値があるなら。
で晩餐会には誰が来るの?地元の方よ。
きっと華やかな会になるわ。
そうよおばあ様。
晩餐会を見れば屋敷の存在意義が分かるわ。
(アルフレッド)本当にすみませんでした。
(オブライエン)何があったの?アルフレッドがご一家に恥をかかせた。
マシュー様に略式の礼服でお食事をさせたんだ。
なんだ。
そんな大騒ぎしなくても。
私は不作法なことが許せないものでね。
アルフレッドにも悪気はなかったはずです。
ウン。
僕はトーマスに言われて…。
おいおい人のせいか?あなたに言われたとおりにしたら服に穴が開いたんだ。
俺はただ洗濯ソーダを渡しただけだ。
使い方を間違ったんじゃないのか?分不相応な仕事に就くからこうなるんだ。
彼女に近づくなと言うならそうします。
申し訳ないが…。
いいんです。
よく分かってます。
誰だって腕の不自由な年寄りに娘は渡せない。
これは手厳しいな。
だが彼女が訪ねてきたら?私には追い返せない。
手紙を書こう。
このことで君との友情を失いたくない。
少し距離を置きましょう。
晩餐会は遠慮します。
それがいい。
恩に着る。
洗濯ソーダはそれよ。
それだった?いやトーマスに言われたのはこれだ。
間違いない。
そう。
分かったわ。
あなたを信じる。
彼では力不足か?まだほんの若造です。
たまに来るゲストの相手はできてもマシュー様のお世話は…荷が重い。
だがマシュー自体は世話を必要としていない。
それでは我々の立場がありません。
確かにそうだな。
ではどうしたらいい?モールズリー様を従者に。
重圧から解放してやるのがアルフレッドのためだと思うんです。
フム。
あの下僕は平気?カーソンに生きたまま食べられそうだった。
(マシュー)しょげてるよ。
だが彼のせいで上着が駄目になったのは事実だ。
すぐに直してね。
大事な晩餐会があるんだから。
ハッ。
何をたくらんでるんだ?おばあ様にこの屋敷が重要だと証明するの。
今あるレビンソン夫人の財産は息子のものになるんだろ?アメリカじゃそうはならないのよ。
それにおじ様は大金持ちだし。
夫人から巻き上げる気?誰のせいで苦労してると思ってるの?あなたに批判される筋合いはないわ。
うまくいくかな?バイオレットおばあ様は必死よ。
もう余計な口出しはやめてキスして。
(キスの音)先生も言ってたでしょ。
きっと大丈夫だって。
メイドをちゃんと教育してくれ。
また皿を割ったぞ。
来週は晩餐会だというのにどうなってるんだ?下僕も足りないしキッチン・メイドも足りないわ。
それにハウス・メイドも。
アンナが正式にメアリー様の侍女になるというのであればね。
なるだろう。
メアリー様のご希望だ。
冗談じゃないわ!十分な人手もないのに仕事なんかこなせるわけないでしょう!お願いだからあなたもメアリー様もいいかげん今の現実を見てくださいよ。
どうやら疲れがたまっているようだ。
休むといい。
実は…。
おやすみなさいカーソンさん。
あしたの朝打ち合わせを。
うん。
アァ…駄目よ。
カーソンさんには何も言わないで。
ハァ…。
ああマシュー様のお世話は?もう終わりました。
よろしい。
今までご苦労だったな。
これからはモールズリーさんが来てくれる。
マシュー様から苦情が?いいや違う。
君のせいではないよ。
少々荷が重すぎたんだ。
気に病むことはない。
(足音)トーマスの策略よ。
でも大丈夫。
目に物見せてやる。
私は味方よ。
ハァ…アァ。
それはうれしいよ。
(キスの音)フッ。
メアリーは?既婚者なので朝食はベッドで取るんだとか。
ハッ…上着は気の毒だったな。
けさの列車でロンドンに送ってもらい直してもらいますよ。
やはり君の従者にはモールズリーが適任だろう。
彼なら安心だ。
でも僕は別に…。
彼に来てもらうことにしよう。
実は私からも人を増やす件でご相談が…。
今は無理だ。
だがモールズリーは呼んでくれ。
クローリー夫人の許可を取ってな。
イーディス?ひどいわお父様。
(泣き声)何だろう?心当たりは?あるといえばある。
悪いけど実家の財産をこれ以上ダウントンにつぎ込めないわ。
こうなったのも自業自得なわけだし。
お父様のせいだと?少なくとも母やハロルドにうちを救う義理はないわ。
頼んでみるだけでも…。
何をそう恐れているの?屋敷を売ったら今より小さい家に住めばいいだけの話じゃない。
路頭に迷うわけじゃないわ。
そういう問題じゃないの。
メアリー。
今は小さな家に住む人も多いのよ。
アメリカ人のお母様には分からないでしょうけど未来のグランサム伯爵夫人は絶対にダウントンに住まなくてはいけないの。
(鐘の音)・
(イザベル)あなたはどんな仕事ができる?ここでは食事だけじゃなく仕事の場も提供したいのよ。
私に何かご用?
(エセル)はいクローリー夫人。
救いを求めて来たのなら大歓迎よ。
待って。
覚えてるわ。
ダウントンに赤ん坊を連れて乗り込んできたメイドでしょ?やっぱり間違いでした。
お願いがあって来たけど…無理です。
お願いって?
(ドアを開ける音)アッ…。
(ため息)
(ドアを閉める音)お待たせしてすまないね。
期待とは違う結果になった。
なんてこったい!パットモアさんお願いだから取り乱さないで。
ハッ。
(クラークソン)残念だがまだ結論は出せない。
のう胞から採取した内容液に血液が混じっていた。
だからといってガンとは断言できないが見過ごせない量ではある。
それでこのあとは?詳しく分析する。
それにはかなり時間がかかる。
どれくらい?2か月ほどだ。
なんて…。
(クラークソン)その間はできるだけ楽に過ごすように。
のんびり体を休めて。
ハッ。
そんなのまず無理。
ウン。
私から伯爵夫人に話そうか?いいえ結構です。
必要があれば自分で話しますので。
どうも。
(泣き声)これは一体どうしたのだ?とぼけないで。
ストララン氏に手紙を書かせたでしょ。
イーディス分かるだろ?お前のためを思ってしたことだ。
これが私のため?ああそうだとも。
シビルは運転手と結婚してお父様も受け入れた。
私が好きになった人は紳士なのに遠くへ追いやるなんてひどいわ。
一理あるわね。
確かにストラランは紳士だが…。
ええそれにイーディスが言うには家も財産も持ってるそうじゃない?肩書きもあるし何の文句もないでしょう?私は心が狭いか?狭いわ。
だってそうでしょ。
腕が不自由だからって…。
それだけじゃない。
二回り以上も年上なんだぞ。
それは聞きましたか?この子は孤独なのよ。
私だって口をはさみたくはないけど…。
ホントに?
(イーディス)彼がうちに来なくても私が行くわ。
本気よ。
行っても会えんだろう。
会ってくれるまで外で待つ。
彼を嫌うのは年齢のせい?若い男性はみんな戦死してしまったわ。
私は一生独り身なの?ストラランを嫌いとは言っていない。
好きだよ。
私もよお父様。
彼が好きなの。
(泣き声)お願いだから遠ざけないで。
晩餐会に来るよう彼を説得して。
お願いよ。
ああ分かった。
ハァ…。
フーフッ。
バートレット夫人だけど今の住人に手紙を書いて彼女の引っ越し先を聞いたの。
そしたら教えてくれたわ。
連絡が取れても協力してくれないかも。
どうして?彼女はヴェラの親しい友人だった。
だから話を聞くのよ。
ああ。
だが君のことを敵視するかもしれない。
別に嫌われてもいいから真実を聞きたいの。
ロンドンなら日帰りで行けるし会いたいって手紙を書くわ。
断られる。
貸家の家賃で謝礼を払うわ。
ヴェラはどうしてわざわざ彼女に手紙を書いたのかしら?手紙?「夫が怖い」って書いた手紙よ。
別に手紙にしなくても会って話せばいいのに。
両方したのさ。
ところでお屋敷はどうだ?これはここだけの話よ。
みんなには言えないわ。
侍女として失格だから。
旦那様がお困りなの。
このままじゃ売る事になるかも。
何を?お屋敷をか?悲しいな。
囚人の身でもその話はこたえる。
(荒い息遣い)
(モールズリー)ハァ…。

(ノック)
(ドアの開閉音)アァ…駄目です。
「7時には必ず届く」と約束していたのに一向に届きません。
それじゃブラックタイにしよう。
でもメアリー様が…。
今の時代略式だって普通さ。
彼女だって知ってるよ。
アァ…。
アハッ。

(ドアを開ける音)
(ドアを閉める音)ありがとう。
早すぎたかしら?おばあ様早くいらして。
おっと失礼。
いかが?やりすぎくらいでちょうどいいのよ。
説得はいつする?食事のあと直談判よ。
孫娘のためと思えばマーサおばあ様は屋敷を守ってくださるわ。
断言するのはまだ早いけどそうなるよう祈りましょ。

(デイジー)パットモアさん。
今度は何?オーブンから煙が出てます。
風が逆流してんだろ。
灰をかきな。
アルフレッドは?はっ?やつはどこだ!奥に居るはずよ。
どこにある?何が?旦那様のイブニングシャツだ!どこへ隠した?触ってもいないよ。
なんで僕が?あんたか?ちょっとシャツなんて私が知るわけないでしょ。
どうかな?
(オブライエン)そんなことよりさっさと仕事をしたらどう?奥様はもう応接間よ。
旦那様はまだ着替えてないの?ウッ。
(足音)1枚も無いだと?私が無くしたわけではありません。
これは誰かがシャツをぬ…盗んだんです。
それで…。
どうしてそんなことを?私への嫌がらせで。
君は嫌われてるのか?いえそんなことは…。
これは言ってみれば…冗談です。
冗談ではとても済まされん。
犯人が分かったら報告しろ。
それで着替えはどうする?
(男1)ここは変わらんな。
(女1)ホントね。
いらっしゃいませ。
(女2)すてきね。
(男2)相変わらず見事なお屋敷だ。
ようこそ。
火が消えただって?ええ煙突が詰まってるみたいで。
だけどあんたまだスフレも焼いていないのに。
(デイジー)今夜はスフレは無理です。
(パットモア)肉だって生焼けだよ。
一体これはどうなってるの?こういう事さ。
20人の紳士淑女が上で待ってるっていうのに出せる料理が1つもないの!まあなんてこと…。
どうしたの?その格好。
怒らないで。
上着が届かなかったんだ。
フン。
まああなたまでブラックタイなの?どういうこと?申し訳ありません。
シャツが消えて。
ねえどうして彼が居るの?追い払ったはずじゃなかった?それが義理の母上に口出しされて。
今夜こそひと言…。
いいのよ。
今夜は彼女に盾つかないでちょうだい。
そうよね?あら2人ともバーベキューでもやるの?どうです?シカゴ流ですよ。
何だか知らないけどとにかく場違いな格好だわね。
ロバート来て。
どうしたの?オーブンが故障したの。
そんなバカな。
どういうことだ?とにかくお料理が出せないのよ。
アッホホー!妙な格好に料理なし?すてきな夜ね。
やめて。
(せきばらい)前代未聞ね。
料理は無理です。
何も作れません。
でも何か…。
お帰りいただきましょう。
駄目よコーラそんなの。
お客様をもてなさなくちゃ。
カーソン。
ん?ほら。
テーブルを片づけて貯蔵庫からパン果物チーズチキンハムを持ってきて。
室内ピクニックをするわよ。
お屋敷の好きな所で食べてもらいましょう。
ですがよろしいんですか?それではしきたりに反します。
過去は忘れなさい。
やりましょうよ楽しそう。
賛成!力を合わせて成功させましょう。
よ〜し!それじゃあ早速。
誰かピアノ弾ける人いる?お母様これじゃ今夜の計画が台なしよ。
おかしな計画はつぶれて正解ですよ。
諦めたら駄目よ。
ええもちろん。
何か飲物をちょうだい。
あら失礼。
給仕かと思ったわ。
(パットモア)薄くスライスしてパセリを添えて。
端は切り落として。
(アルフレッド)君も助っと?
(リード)嫌じゃないわ。
たまには違う仕事も楽しいもの。
分かるよ。
(モールズリー)全然足りないぞ。
(アンナ)角切りにしてハムと混ぜたら?従者の服がよく似合うわね。
(ヒューズ)アルフレッド貯蔵庫へ行ってきてくれる?食べられそうな物は何でも出してきてちょうだい。
ほらほらヒューズさん。
休んでる暇はないぞ。
ちょっとカーソンさんあのね…。
カーソンさんの言うとおり。
休んでる暇はないわ。
(包丁で刻む音)フッ…ウチー。
(リード)秘密を知りたい?消えた旦那様のシャツだけど…盗んだ人を見たの。
アッ誰?誰かしら。
でも隠し場所に案内してあげる。
どうして僕に親切なの?好きだからよ。
女性の方から告白?私はアメリカ人だし今は1920年よ。
人生楽しまなきゃ。
てっきりレビンソン夫人のスパイかと思ってた。
一体何を探るの?奥様は何もかもお見通しよ。
援助は無理。
援助って?何でもない。
いいからキスして。

(キスの音)
(マーサ)さあ皆さん。
食べたい物をご自由に取って好きな所で召し上がって。
(マンビル夫人)どこでも?ええ屋敷中どこでもね。
どうぞダウントン・アビーを探検してらして。
チャンスよ。
砕けすぎで申し訳ありません。
刺激的ですわ。
新聞でよく見る若い人のパーティーみたい。
それはどうも。
大丈夫。
夫人はいつか帰るわ。
ええだがそれまで身がもたない。

(キスの音)
(ヒューズ)私たちの夕食は何かある?子牛肉のパイを隠してあるよ。
アァ…。
ねえカーソンさんに打ち明けてもいいでしょ?フム。
これから2か月もあの人に病人扱いされるのは嫌よ。
死にゆく女という目で見られるのもね。
(泣き声)シ〜ッ。
そんなことない。
私が保証するよ。
うん。
保証は無理よ。
でもその気持ちがうれしいわ。
(ストララン)10年後に後悔しないと言えるかい?こんな老いぼれと結ばれたことを。
そんなふうにご自分を卑下しないで。
君は大切な人だ。
生きる希望をくれた。
うれしいわ。
(キスの音)なぜ急ぐんだ?だってあなたの気が変わるかも。
大丈夫。
ひとつきで準備できるわ。
家族に話す?いや今夜はいい。
あした伺うよ。
フーッ。
聞きたいことがあるの。
あのアメリカ女が好きなの?何だい?いきなり。
答えて。
そうだね好きかも。
彼女積極的すぎるしそのうち国に帰っちゃうのよ。
だから?彼女は僕に自信をくれる。
そんな人ここでは初めてだ。
それだけで十分さ。
アルフレッド。
急げ。
各部屋に赤ワインを出せ。
でも床にこぼされてしまうかも。
こう言っては何だが屋敷は既に堕落の町ゴモラと化している。
だがワインを出さないわけにはいかない。
それは?旦那様のシャツをしまおうと…。
なら早くしまえ。
(足音)もちろん協力は惜しまないわ。
ああよかった。
ああ一度ならずも二度までもレビンソン家に我が家を救っていただいたわ。
ありがたいこと。
いいえごめんなさいね。
ちょっと誤解があるみたい。
ダウントンを救うのは無理よ。
同情はするけど…無理だわ。
でもどうして?あなたのおじい様がこれ以上クローリー家に財産を渡せないように制限をかけていたの。
でも今協力するって。
だからあなた方皆さんをニューポートとニューヨークでおもてなしするわ。
それにコーラの服飾費も増額しましょう。
でもそれだけよ。
まとまったお金は動かせないの。
いい?メアリー。
世界は変わったわ。
なのにこの家は時代錯誤よ。
アッハァ…この家にそこまでこだわる必要があるかしら?あるわよ。
私ならどうせ失うと決まったなら前向きに考えるわ。
(舌打ち)お宅と同様に私の夫も財産をガッチリ縛って召されたの。
私の夫は召されてはいないわ。
ただ死んだの。
今夜の私たちの食事は残飯かしらね。
別に何かあるみたいよ。
誰が戻した?何を?旦那様のシャツだよ。
(オブライエン)へぇ〜?戻ってきた?見逃してただけじゃないの?
(トーマス)言葉には気をつけろよ。
痛い目に遭うぞ。
今の聞いた?まるで西部劇の荒くれ者みたいね。
人を脅すより旦那様の寝巻きを出したら?
(メイドたちの笑い声)何を笑ってるの?どうやら行方不明だったシャツが歩いて戻ってきたみたいよ。
え〜っ?そうなの!?ウッフッ。
(クレイグ)見なかったことに。
ああ。
でなきゃ殺す。
(立ちあがる音)ウッ…アッ。
アーッ。
アッアッウッ。
二度と俺を脅すな。
あんたが殺人犯だってこと忘れてたぜ。
よく覚えとけ。
アーハッ。
(足音)
(ウイスキーをつぐ音)
(マーサ)今夜の宴でアメリカが恋しくなった。
もうおいとまするわ。
寝酒にウイスキーを1杯いかがです?いいわねいただくわ。
ストレートで。
ありがとう。
ダウントンのために援助できなくてごめんなさいね。
メアリーに頼まれたの。
ああ。
そういうことでしたか。
今の世の中を生き抜くためには時代の流れを無視していては駄目よ。
時々自分が生息地を奪われていく野生動物になった気がします。
(マーサ)新しい環境に適応する動物もいるわ。
絶滅よりはマシな選択よ。
選択というよりは…資質の問題です。
だったらあなたも自分の資質を生かして生き延びていってちょうだい。
(グラスを合わせる音)ああ…。
(ため息)・
(足音)大丈夫かね?
(ヒューズ)ええ。
何かご用ですか?今夜はみんなよく頑張った。
おかげで試練を乗り切れた。
旦那様も感謝しておられた。
じゃあ晩餐会は成功?アァ…奇妙な事に成功のようだ。
だが私から見ればみんなして床に座り込んで食べ物をつまんでいる姿は晩餐会ではなくまるで遠足だ。
優雅さや趣はどこへ行った?今の時代そういったものはもうはやらないのかも。
まあ文豪サミュエル・ジョンソンふうに言うならば「優雅でなくては人生ではない」。
ウッフッ。
おやすみなさい。
悩みがあるなら相談に乗るよ。
最近どなってばかりいたがいつでも味方だ。
どうもありがとう。
(足音)
(足音)
(ライトのスイッチを切る音)一足違いだったわね。
カーソンさんが褒めていたわよ。
ウン。
話しました?いいえ。
何を話せっていうの?どうせいつかは死ぬのよ。
私も彼もあなたもこの屋敷にいる全員がね。
ああ…要は大げさに考えすぎないことだわ。
私はもう大丈夫だから。

(ライトのスイッチを切る音)実はオブライエンさんの後任としてぜひ推薦したい人がいるんです。
オブライエンが辞める?
(イザベル)救いを求めて来たなら歓迎するわよ。
手遅れよ。
夢みたい。
この家で私が主役になる日が来るなんて。
ウン。
2015/03/15(日) 23:00〜23:52
NHK総合1・神戸
ダウントン・アビー3 華麗なる英国貴族の館(2)「晩餐(ばんさん)会」[二][字][デ]

20世紀初頭、貴族と使用人が繰り広げる愛憎劇を描いた大ヒット英国ドラマ、第3章。大金持ちの祖母からの援助獲得作戦は成功するのか?トーマスとオブライエンが対立!

詳細情報
番組内容
メアリーは伯爵家の経済危機を救うため、バイオレットと手を組み、マーサから援助を引き出すための作戦を練る。イーディスは積極的にストラランを誘うが、ストラランは年齢差と片腕が不自由なことでためらっていた。トーマスは、下僕のアルフレッドが早々にマシューの従者の役目を与えられたことが気に入らない。ヒューズは気になる胸のしこりのことをひそかにパットモアに相談。医師の診察を受けるよう勧められる。
出演者
【出演】ヒュー・ボネヴィル…玉野井直樹,エリザベス・マクガヴァン…片貝薫,ミシェル・ドッカリー…甲斐田裕子,ローラ・カーマイケル…坂井恭子,ダン・スティーヴンス…佐藤拓也ほか
原作・脚本
【脚本】ジュリアン・フェローズ
監督・演出
【演出】ブライアン・パーシバル
制作
〜イギリス カーニバル・フィルムズ/アメリカ マスターピース制作〜

ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:24549(0x5FE5)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: