フルスタックなAmazonソリューションアーキテクトが体現する、「自信を持つ力」のグッドサイクル

Posted on 2015年3月17日 19:28

human プレゼンテーションスキル アマゾンデータサービスジャパン 自信を持つ力 技術の源流を知る 知的好奇心 エンジニアからの信頼を得る フルスタック

motech_エンジニアHack_aws_今井

知的好奇心を刺激する、カッティングエッジなエンジニアとの技術雑談

 新卒で入社したNTTコミュニケーションズでは、ネットワークエンジニアとして大規模システムの設計・開発を担当していました。その後、希望してグループ会社のNTTレゾナントへ異動し、ポータルサイト「goo」の広告システムの開発に携わりました。コンシューマー向けのサービス開発は非常に楽しかったのですが、やっていくうちにもっとスピード感が欲しくなってきてしまって(笑)当時SNSとして伸びていたミクシィに転職して、ここでも広告配信システムなど広告系の開発を担当しました。
アマゾン データ サービス ジャパンへは2012年に入社しました。企業にアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)の導入を提案するソリューションアーキテクトというポジションは、技術者というよりも営業に近い役割なのでコードが書けなくなることに対する不安はありましたが、それでも「Amazonでエンジニアとして働けるなら行くしかないでしょ」という好奇心に従いました。

現在は、アドテクやゲーム業界など十数社を担当。AWSを導入していただいているお客様の課題や困りごとなどをヒアリングしながら、AWSがお手伝いできる領域を発見し、課題解決のための提案をしています。お客様は、各業界の中でも成功している、技術的にもカッティングエッジな企業ばかり。その最前線で活躍するエンジニアの人たちと接することができる環境は、技術好きとしては非常に楽しいですね。具体的なアジェンダが無い日のミーティングでは、お客様のエンジニアの方と最近気になっている技術について雑談をして帰ってくるだけのことも多いですが、真面目な提案よりもこのフリートークの方が技術力を試されているようで緊張します(笑)

AWSが実現できる最適な課題解決を提案するためには、顧客へのサーバ提供だけではなく、CPUの利用状況や顧客のアプリケーションのコードにまで踏み込んでいく場面にも直面します。技術者として学び続ける必要がありますが、同僚たちも大規模トラフィックを捌いてきた経験、最新技術へのアンテナの高さ、実現可能性を踏まえた最適解を提案する力など、技術者としての幅の広さと深さを併せ持った人が多いので、常に刺激を受けています。

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エンジニアからの信頼を勝ち取るために、敢えて「古典を読む」

 お客様に踏み込むためには、現場のエンジニアからの信頼を獲得することが大前提。技術者としてのクレディビリティ(信頼性)を高めるために、私が意識して行っているのが「古典を読む」ことです。

Amazonに入社してみて、コンピュータをサイエンスで語る同僚が多いことに驚いたのですが、彼らから影響を受けて昔から良書とされている技術本をたくさん読むようになりました。技術は常に進化していくのでつい新しいものに目を奪われがちですが、コンピュータ自体の基本は変わらないし、どんな技術もCPUとメモリの上で動いています。技術の根源を理解して、そのうえに新しい技術に関する知識を積み上げていくことが、エンジニアとしての視界を拓いていく近道だと感じています。

また、技術の根源を理解するためには英語文献を読むことも重要です。例えば、Devops推進に役立つchefというフレームワークについて調べてみると、日本人エンジニアが日本語で書いているblogや記事が見つかります。もちろん有益な情報も多いのですが、どうしても深い話や最新の内容について知りたいと思うと、本家の文献やコードを読み解いていく必要が出てきます。そのためには英語力が大切で、私もAmazonで働くようになって初めは英語に苦労をしましたが、今では技術力を高めるための有用なスキルだと実感しています。

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「自信」のグッドサイクルを回すために、物怖じせず発言せよ

 顧客からの信頼を獲得し、課題を解決していくためには、「自信を持つ力」が重要だと考えています。お客様が何に困っていて、どういうものを求めているのか知るためにも、技術者からどんどんコミュニケーションを深めていく必要がありますし、AWSとしての良いソリューションを生み出すには、社内や関係者たちを、説得力のある発言をもって動かしていかなければなりません。これらを行う上でベースとなるのは、技術者としての「自信」です。

では「自信」を育てていくために具体的にどんなアクションを取れば良いか?これには「物怖じせずに発言すること」をオススメします。私の場合、自分が憧れている技術のコミュニティに参加して、メーリングリストで発言をしてみることから始めました。最初にメーリングリストへ投稿する時はドキドキしましたが、英語圏のカルチャーでは発言に対して皆さんしっかりと反応をしてくれるんですよね。それが一歩となってコミュニティに馴染めてきて、そこでの継続的なアクションから思わぬ話が舞い込んできたり、コミュニティメンバーからの信頼を獲得できる流れを作る事ができました。

また、アドテク業界向けのAWSのプレゼンスを向上させるために、アドテクエンジニアの勉強会に参加しました。エンジニアとしても、アドテクに関しても先輩の皆様に向けてAWSをプレゼンして、時々突っ込みをいただくような場面もありましたが、好意的に受け止めていただけました。恐れずに勇気を出して一歩踏み出してみると、実は皆さん良い方々で、一緒にアドテク業界を盛り上げていく仲間になれたと勝手に思っています(笑) 

最近では、アドテック東京などの大きなカンファレンスで話す機会も増えてきました。大勢に向けてのプレゼンはまだまだ苦手なのですが、自分の中にストーリーの型が出来てくると、少しずつですが自信が育っていくことを実感できます。技術を学んで、それをアウトプットして、フィードバックを受けると、少しの自信に繋がる。この繰り返しが、「自信を持つ力」のグッドサイクルだと思います。

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 エンジニアとの技術の話を楽しめれば、勝手にフルスタックになっていく

 11でのエンジニアとの対話も、「自信を持つ力」を育ててくれます。自分が持っている技術知識やスキルをさらけ出し、それに対して技術者からフィードバックをもらう。その中には必ず気づきがあるはずなので、それを解釈して自分の技術に取り入れる。コードレビューなんかはまさにその好例だと思いますが、大事なのはレビューをしてもらうとともに、自分でもレビューをしてみる事です。アウトプットとインプットを繰り返していくことで、自分の技術的な引き出しを増やして自信を育てていけます。

これを続けていけば、おのずと最新のテクノロジーや、自分にとって未開拓の技術領域をキャッチアップしていけると思います。“フルスタックなエンジニアになるために何をすればよいか?”というような相談をいただく事もあるのですが、私は「エンジニアと技術の話をするのが好きなら、勝手にフルスタックになっていくから大丈夫だよ」と答えています。

私は、技術者である以上は、世の中に良い影響を発揮したいと考えています。例えば、世界中の技術者の効率を2%改善できるだけで、どれだけ大きなインパクトを与えられるか、などを考えると本当にワクワクします。そのためにはまだまだ技術力が足りないと思いますが、いつか実現できる日まで、技術を学び続けていきます。

 

アマゾンデータサービスジャパン株式会社
技術本部 ストラテジックソリューション部
ソリューションアーキテクト 今井 雄太 氏

2004年にNTTコミュニケーションズに新卒入社し、3年間ネットワークエンジニアとして開発業務に従事。2007年にNTTレゾナントで「goo」の広告関連システムの開発を手掛ける。2010年ミクシィに転職し、広告関連システムの開発に携わった後、2012年より現職。ソリューションアーキテクトとしてアドテク業界やゲーム業界を担当している。

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