(テーマ音楽)北イタリアの小さな町。
ここでルネサンスは最初に花開きました。
町を行き交うたくさんの自転車。
北イタリアの町フェラーラは世界遺産の町並みを守るため自転車を奨励しその数は今や人口よりも多いと言われます。
12世紀に築かれたフェラーラ大聖堂。
13世紀までこの町はこの大聖堂を囲む小さな町でした。
1264年ドイツ出身のエステ家という一族が町の領主となります。
エステ家は塩の取り引きで得た巨万の富を元にこのエステ城を築き城を中心に町を大改造します。
フェラーラの市街は4倍に広がりました。
屋根の色を1色にし建物の高さを制限する。
そんな現代にも通じる町づくりを初めて行ったのもフェラーラでした。
エステ家の宮殿です。
エステ家は文化への惜しみない投資も行いました。
この宮殿の壁画は3段に分かれ真ん中には12星座の絵を描き上に神々の世界下に現実の世界を描きます。
興味深いことに神々の世界は平面的に描かれ下の現実の世界にだけルネサンスを代表する技法である遠近法が用いられています。
神の世界と人の世界が描き分けられているのです。
この絵が描かれたのは1469年。
ダビンチやミケランジェロに先駆けること30年遠近法がどのように用いられていったかが分かる貴重な作品です。
当時のフェラーラで絵画と並び愛された芸術が音楽でした。
町の教会や宮殿にはしばしば楽器の姿が描かれています。
かつて音楽は神のために奏でられるものでした。
それがルネサンスを迎えるとエステ家をはじめ世俗の領主が好む音楽が盛んになりました。
当時の流行歌が伝わっています。
それまで歌は1つの声のパートしかありませんでしたが16世紀ルネサンスの時代に複数のパートを合わせる和声ハーモニーが生まれたのです。
イタリアのどこにも先駆けてルネサンスが花開いたフェラーラ。
当時を再現した祭りが町の誇りを伝えています。
2015/03/16(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「フェラーラとポー川デルタ地帯〜イタリア〜」[字]
イタリアルネサンスの先駆け ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
イタリア北部の地方都市「フェラーラとポー川デルタ地域」は、1999年に登録された世界文化遺産。14世紀からエステ家の支配の下、大聖堂やエステ城、大学などが次々に建設され、ルネサンスの都市計画によって、フィレンツェやミラノに匹敵する大都市に発展した。宮廷美術や音楽も盛んに作られ、“イタリアルネサンス発祥の地”として世界遺産に登録された。
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
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サンプリングレート : 48kHz
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