ららら♪クラシック「名旋律 秘められた思い〜コレッリの“フォリア”〜」 2015.03.16


あのクラシックの名曲をあなたのものに。
人生を豊かにしてくれる一曲を一緒に見つけませんか?「ららら♪クラシック」今回は…。
ヴィヴァルディがリストがそしてラフマニノフが…。
偉大な作曲家たちがほれ込み次々に作品に取り入れたあるフレーズ。
15世紀のポルトガルで誕生しヨーロッパを席巻したその音楽は500年にわたって多くのカバー曲が作られました。
そんな中後世に影響を与える「フォリア」が誕生します。
それを作ったのは「ローマ最高のバイオリニスト」と呼ばれた男。
バイオリンへの強い思いが込められていました。
数百年にわたって人々に愛されてきた「フォリア」。
その歴史をたどり名曲の誕生秘話を明かします。
「ららら♪クラシック」今日はコレッリの「フォリア」をご紹介します。
この曲はバイオリニストの方にとっては大切なレパートリーの一つなんですよね。
今日は大変ゴージャスなお客様をお招きしています。
「ららら♪クラシック」初登場美容家でタレントのIKKOさんです。
(一同)よろしくお願いします。
ようこそお越し下さいました。
本当にすてきなお着物で今日は。
だけどバイオリンの回だって聞いてですよすぐにバイオリンの帯をパッと出せるってすごくないですか?どんなけ着物を持ってるんだって話じゃないですか。
IKKOさんはね美の伝道師としても本当にいろんなジャンルで大活躍ですけれども音楽と美しさ…美に対してはどうでしょう何か共通点は?音楽と例えば美っていうといいものを聴いていいものを目に映して日々囲まれてる環境自分が身を寄せる…そのぐらい…皆さんお聴きになりましたか?すばらしいコメントを頂きました。
ありがとうございます。
今日ご紹介するのはコレッリの「フォリア」という曲なんですけれども「フォリア」に出てくるあるフレーズが非常に人気になってそれをいろんな作曲家が取り入れたんですけれどももともと誰が作った曲なのかというのは実は分からないそうなんです。
一体誰が作ったか分からない。
どういう事なんでしょうか。
謎を解くためにVTRを見てみましょう。

(「フォリア」)このうれいを帯びた印象的な旋律。
これは「フォリア」と呼ばれるフレーズの一つで多くのクラシック音楽に取り入れられてきました。
クラシック音楽界きっての人気フレーズである「フォリア」ですがもともと誰が作ったかは分かっていないんです。
ではそもそも「フォリア」とは一体何でしょうか?その起源は15世紀後半のポルトガルに遡ります。
「フォリア」とは「熱狂的な」「頭が空っぽの」という意味。
もともとは庶民の間で親しまれた踊りの音楽でイベリア半島の各地で演奏されていました。
17世紀に入ると「フォリア」はあのルイ14世が統治したフランスに伝わります。
ここで貴族が楽しむ宮廷音楽として洗練された音楽形式に生まれ変わったのです。
やがてそれはヨーロッパ各地に広まり「フォリア」の音楽形式を取り入れた曲が数え切れないほど誕生しました。
多種多様な「フォリア」が生まれる中ついに今に伝わる傑作が登場します。
それがイタリアのバイオリニストアルカンジェロ・コレッリによる「フォリア」です。
それまで派手なアレンジを施した曲が多かった中でコレッリのそれは余分なものをそぎ落とした非常にシンプルなものでした。
即興演奏が基本だった当時美しい旋律を際立たせたコレッリの「フォリア」は多くの演奏者に好まれました。
そして出版された楽譜は次々と版を重ねていったのです。
その後コレッリの「フォリア」の旋律は偉大な作曲家たちにも影響を与え多くの曲に取り入れられました。
コレッリの「フォリア」。
それは今でも多くの演奏家に作曲家にインスピレーションを与え続けているのです。
いかがですか?私も今化粧品をねプロデュースしたりとかして勉強すればするほどいいところを伝えたいって思うんだけど人のやっぱり耳だったりとか感触だったりっていうのは難しい事を伝えようとすればするほど分からないからメイクもね習い始めてだんだんできるようになるともうこれもかこれもかって…だけどやっぱり「これほんと果たしてきれいなのかな?」。
でもそこに行くまでが大変なんだよね。
ほんとに。
短編小説なんかだとよくこういうふうに言います。
「ストーリー自体がいいものだったらそのストーリーに語らせろ。
何にもしない方がいい」って。
すごい。
コレッリもすごいですね。
それでは「フォリア」の代表作を生み出したコレッリの思いを追っていきましょう。
バイオリンのふるさとイタリア。
あの有名なバイオリンの名器ストラディバリウスが生まれた17世紀の事。
時を同じくして活躍した一人のバイオリニストがいました。
その人こそ…彼の演奏は時にささやくように優しく時に魂を揺さぶるほどの激しさで人々に感動を与えるものでした。
そしてコレッリは20代半ばにして「ローマ最高のバイオリニスト」とたたえられたのです。
その人気ぶりはイタリア中の貴族たちが彼を手元に置こうと競い合うほどでした。
当時はバイオリンが登場して間もない時代。
まだ演奏方法も確立されておらずバイオリンは楽器として発展途上にありました。
そこでコレッリはバイオリンのための曲作りに取りかかったのです。
コレッリの作品の表紙に刻まれた言葉…バイオリンの可能性と魅力を後の世にまで示したい。
強い思いから作品集作りに取りかかったコレッリは自らに厳しい条件を課しました。
作品集に入れる曲は厳選に厳選を重ねるべし。
コレッリは一冊の作品集を発表するまでに実に4年以上の月日をかけて推敲を重ねました。
また作曲しても人前で演奏する機会のなかった曲はそのまま封印。
更に選考に漏れた作品は全て破棄する徹底ぶりでした。
そしてコレッリ46歳の時。
自身の集大成として生前最後の作品集を発表します。
その曲集の最後にあてたのがあの「フォリア」だったのです。
コレッリは当時誰もが知っていた「フォリア」の音楽形式を使う事でバイオリンがより多くの人に演奏される事を望んだのです。
彼は作品の中でシンプルなフレーズを次々に展開しました。
それは優しく激しく繊細にダイナミックに…。
バイオリンの持つさまざまな表現力を引き出すようなものばかりでした。
コレッリの思いが友人に宛てた手紙に残されています。
すごいですね。
ちょっとかっこよすぎませんか。
もう一度ねちょっと整理させて頂きたいと思いますけれども改めてこちらにコレッリの完璧主義者ぶりというのをまとめてみたんですけれども。
私今これを見ますとね完璧主義者で自分がバイオリンというものをすごく愛しててバイオリンを最高の自分の表現方法として曲を作っていく事にどういう条件が大切なんだろうってやっぱりとても頭のいい人で…でも入れないだけではなくて破棄するのは大胆というか…。
だけどね分かりますよこれ。
デザイナーが作ってて世の中に出したくないものはこの場から全部破棄して漏れないように目に触れないように私の作品がやっぱり世の中にどっかで漏れてしまったらっていうものがあるから弟子たちにも見せない。
表紙に「後世に」っていう印象的な言葉があるじゃないですか。
コレッリはバイオリンの事を広めるためにお弟子さんも随分たくさんとってたらしいんですがIKKOさんお弟子さんを抱えていた時期もあるんですよね?そうですね。
20代の時に美容師やめてそれからヘアメイクの世界に入って独立する時に先生にひと言言われた事あるんですよ。
それは何って言われたら…そうするとその弟子の目線に傷ついていき自分の技術が…だから尊敬の念で見られるような視線を送られるように弟子は絶対とってた方がお前のためになるからねって言われてそれからずっと弟子を15人ぐらいとってましたね。
そうやって聞くとお弟子さんとるのもいいかもしれないね。
いろんな刺激をお互いに…。
刺激になりますよね。
「もう追いついてきたな。
私頑張らないと」。
しょっちゅう危機感ありましたね。
クラシックにまつわる素朴な疑問にお答えしま〜す!質問に答えて下さるのは世界的に活躍する…どっちでもいいって言ったらどっちでもいいんだけどもひとつのスタイルとしてその人の指揮のスタイルとして指揮棒は必要なもんだし…リラックスさせたり…なるほど!指揮棒があるなしにかかわらず全身で音楽を表現する事が大切なんですね〜!番組ではクラシックにまつわる疑問・質問をお待ちしていま〜す。

(「フォリア」)うれいを帯びた印象的なフレーズで始まる…曲全体はこのテーマとそれを展開させた23の変奏から成っています。
ではどのように変化していくのでしょうか。
美濃さんと今回は特別にバイオリニストの佐藤俊介さんが解説します!ここからは本日演奏して下さるバイオリニストの佐藤俊介さんにも参加して頂いてコレッリの「フォリア」の魅力をグッと掘り下げて紹介していきたいと思います。
(一同)よろしくお願いします。
いくつかの変奏をパネルにしたものがありますのでご紹介します。
まず1番目の変奏がこちらです。
さあIKKOさん楽譜が出てきましたけれども4分音符という音符なんですけれどもまずはですねこの部分第1番目の変奏の部分をちょっと聴いて頂きたいと思います。
いかがでしょう?何かつぶやきのようなささやきのような。
そこはまだつぶやきとは感じなかったです。
このバイオリンの音を教えてる…原点をっていう。
メロディーになってない感じはありますね。
佐藤さん…では続いて2番目の変奏の譜面を見ていきたいと思います。
いかがでしょうか?パッと見。
こっちよりは少しなんかこう集約されてきたなって。
単純なものからちょっとメロディーに入ってきたのかなっていう感じは。
冒頭の最初の部分ではこの4分音符という本当にシンプルな音符だったんですけれどもその半分の長さの8分音符という音符が並び始めているんですが音は一体どんな感じなのかちょっと聴いてみましょう。
いかがですか?
(IKKO)これを聴いちゃうと私たちが通常耳にするバイオリンの音が聴けたかな少しっていう感じぐらいですかね。
では今度はこちらです。
3番目の変奏になりますが譜面もまたグッと印象が変わりますけれどもこの部分では演奏して頂けますか?今のでこれから何が始まるんだろうって感じ。
作りとしては本当に実はとてもシンプルというか単純。
4分音符が8分音符になって16分音符になるというふうになっているだけなんですが聴いた印象は全然違いますよね。
そうですね。
…っていうふうに言った方が分かりやすいかな。
だからここからは何かが起こる感じはじわじわしてきますよね。
コレッリの「フォリア」がヒットした理由にね奏者が自分の味付けというか自分の料理にできるというようなお話が先ほどVTRでもあったんですがこれは佐藤さんどういう…?それが一体どういう事なのか具体的にねせっかくなのでこの1番目の変奏のとてもシンプルな4分音符の作品。
まずは…ではここに佐藤さんがスパイスをたらすとどんなふうになるのかちょっと聴かせて頂けますか?そしてIKKOさん更にこちらをご覧頂きたいんですけれどもクライマックス最後。
(IKKO)すごい。
もう見て分かりますよね。
びっちりですね。
バイオリニストってすごく自由があるんですね。
いやあ面白い。
でも聴き手も耳を研ぎ澄ませて聴かないといけないですね。
そうですね。
それではコレッリの「フォリア」です。

(拍手)
(IKKO)すご〜い!どうでした?ひと言に涙が出るぐらいすばらしかったなって思うんです。
クラシックってね難しすぎてなんかこう高根の花でちょっと手の届かない難しいものだなと思ってたんですけど生でね聴かせて頂くととりこになっていきそうですね。
佐藤さんのバイオリンかっこよかったですね。
こんなにも激しいんですね。
作品は本当にシンプルに描かれてますけれどもこれほどドラマチックで。
でもやっぱり自分がバイオリニストだった人が作った曲っていうのは感じますね。
バイオリンへの愛というのがね。
コレッリこれを弾いて当時のコンサートものすごい熱狂的な反応が返ってきたでしょうね。
音にも品格がやっぱりあるんだなっていう事を改めて勉強させて頂きました。
演奏者によって違う表情を見せる一曲。
いろんな可能性を感じますね。
2015/03/16(月) 10:25〜10:55
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「名旋律 秘められた思い〜コレッリの“フォリア”〜」[字][再]

偉大な作曲家たちが夢中になり、数々のカバー曲が作られた「フォリア」。その代表作を生み出した、イタリア人バイオリニスト、コレッリの曲に込めた熱い思いに迫ります。

詳細情報
番組内容
偉大な作曲家たちがほれ込み、次々に作品に取り入れたフレーズ「フォリア」。15世紀にポルトガルで誕生し、ヨーロッパを席巻したその音楽は、その後500年に渡って多くのカバー曲が作られました。そんな中、後世に影響を与える「フォリア」の傑作を生み出したのが、「ローマ最高のバイオリニスト」とうたわれたアルカンジェロ・コレッリ。数世紀に渡って愛されてきた「フォリア」の歴史をたどり、名曲の誕生秘話を明かします。
出演者
【出演】バイオリニスト…佐藤俊介,チェンバロ奏者…鈴木優人,音楽評論家、国際基督教大学教授…金澤正剛,IKKO,【司会】石田衣良,加羽沢美濃,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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