流れるような指の動き。
豪快かつ情熱的な撥さばき。
今回の先輩は…アメリカスペインそして中国。
日本文化の担い手として世界を舞台に活躍する2人には片ときも忘れる事のできない風景があります。
北海道登別。
訪れる人の疲れを癒やす温泉。
そして寒さ厳しくも山川海の豊かな自然。
吉田兄弟のふるさとです。
今やその調べで多くの人々を魅了する世界の吉田兄弟ですが…。
あれ?ちょっと緊張してる?
(健一)俺昨日妙に緊張しちゃって1時間置きに目が覚めたんですよ。
多分ね子どもたちより緊張してるかも。
さてどんな授業になるんでしょうか?もちろん2人ともこの学校の卒業生です。
(拍手)
(良一郎)津軽三味線吉田兄弟兄の吉田良一郎です。
どうぞよろしくお願い致します。
(拍手)弟の吉田健一です。
よろしくお願いします。
(拍手)授業は挨拶代わりの生演奏からスタート。
(拍手)三味線触ってみたい人?何それ?
(笑い声)いいんだよ全然。
持ってみたいっていう人?おっやってみる?三味線。
まずこれを2回タンタン。
そのあとにこの辺を押さえてで鳴らしてみて。
そう。
これで「さくらさくら」なの。
・「タンタン」そう。
それで「さくら」なの。
すごっ!アハハ!兄弟が三味線に初めて触れたのは5歳の時。
父親の強い勧めがきっかけでした。
小学生の頃から吉田兄弟としてステージに上がっていた2人ですが最初はいやいやながらだったといいます。
自分はステージに上がって演奏するっていうのがとても恥ずかしくて。
次の日に学校に行った時に冷やかされるのがすごく嫌で。
そういうふうに過ごしたのが小学校4年生5年生ぐらいまで。
もうやめたくてしょうがなかったんです。
しかし転機は津軽三味線との出会いでした。
(津軽三味線)力強く演奏者の個性が際立つじょんがら節の世界に魅せられた2人。
ついにはふるさとを離れプロとして生きていく事を決めたのです。
さて今回の授業で用意した課題は…。
皆さんに民謡を作ってもらいます。
新しい民謡作ってもらいます。
そもそもでも民謡って何だろう?今日はまずその「民謡とは?」っていうところの民謡を聴いてもらいたいというふうに思います。
民謡なんてほとんど聴いた事がない子どもたち。
そこで北海道の代表的な民謡「北海盆唄」を聴いてもらう事にしました。
・「ハァー北海名物」北海道の民謡の多くは明治以来開拓が進む中で生まれました。
厳しい自然やその中で働く苦労。
そして収穫の喜び。
人々の思いを乗せて歌い継がれてきたのです。
今回は昔の人たちがやったのと同じように今みんなが思う登別。
いろんな登別の地元のふるさとの事を調べてもらってそれを題材にしてこの歌詞を作ってもらいます。
各班2番まで。
登別の事を歌詞に書いたり富岸の事でもいい。
多分みんなあんまり知らないと思うんだよね。
僕ら2人もまだ知らない事たくさんあるんですけれども自分たちの根っこの部分を知るというすごく大事な部分なのでこれをこれからちょっといろいろ班ごとに分かれて調べてもらいたいなというふうに思っています。
今回は5つの班に分かれて民謡の歌詞を考えます。
どんな歌詞を入れたい?お〜そっかそっか。
僕が住んでた時は海がしけてると海が荒れてると海の音が聞こえた。
え〜やばっ。
それだけ周りに何もなかった。
静かで?静かだった。
聞こえないよ。
マジ?そうにおいとかが歌詞に入るといいかもね。
それいいじゃない。
どこに行きますか?温泉…。
お〜温泉ね。
全然いい全然いい全然いい。
歌詞を見て「あっ登別だな」とか「富岸だな」とかそういうのが分かるように。
ないんかい。
ハハハッ。
民謡作りを通してふるさとを見つめ直してほしい。
兄弟がそう考えたのには理由があります。
デビュー当時はそれほど感じてはいなかったと思うんですよね。
だけれども海外に出たりとか「どこ出身なの?」って聞かれる事が多々やっぱり外に出れば多くなる時に「あれ?自分って…」。
「あっ故郷やっぱり登別で富岸だな」っていう事を思い出す事がまた力になったりあとはその…対自然ですよね。
登別この富岸はすごいぬくぬくした場所じゃないんですよね。
やっぱり海もあり川も山も背中にしょって。
やっぱり基本的には自然としては厳しい。
…じゃないかなと僕は思います。
何かその環境が僕たちのじょんがら節に出てますね。
それに反発するように出てますね。
そうだね。
何か開拓精神みたいなものは多分根っこの部分にはある気がしますね。
ふるさとを離れ東京そして海外へ。
目まぐるしく変わる環境の中でいつも自分たちを支えてくれたのが登別の風景だったのです。
きっかけなんですよね。
きっかけを感じる事ってすごく大事だと思うんでゆくゆく大きくなった時にというか今言ったとおり周りから求められた時に自分が何者なのかって事をちゃんと言えるっていうのは自分を知ってるっていうのは本当に強みになると思うので。
歌詞の材料を探しに子どもたちは町に飛び出しました。
こういうさ川の流れを歌に入れるとかさ。
(女子)「ざわざわ」。
「ざわざわ」?でもそれもいいんだよ。
「ざわざわ」でも。
1班は学校近くにある集会場を訪ねました。
今と昔の登別をテーマにしようという作戦です。
昔の登別と今の登別で違うところって何ですか?小学校あるでしょ?今あなた方の。
あそこ全部田んぼだった。
昔はだから小学校は違ったんだね。
(女性)そこんとこにあった小学校の時には学校の校庭が桜の花でいっぱいだったの。
校庭全部花びらで埋まるぐらい。
今の小学校も桜の木が今結構植えてて「ああ同じように桜の木でいいな」ってやっぱり思いますもんね。
きれいで。
昔と今をつなぐワードが出来たね。
桜という。
ふだん何気なく目にしている学校の風景でも特別な思いを持っている人がいるんだね。
両親や家族にも話を聞いてみる事にしました。
5班のあかねさんのお父さんは生まれも育ちも東京です。
17歳の時に親戚がいた登別に移り住みそしてあかねさんが生まれました。
パパはさ東京から登別に来て環境が変わって困ったとか田舎だなとか思ったりは?もっと田舎でもいいかなってお父さん思ってたけどね。
もっと田舎の方が好きなんだけどね。
登別で生まれ育って何か嫌だったりする事ある?田舎で欲しいものとかがそろわない。
ああ〜。
都会だったらいいの?まあ都会すぎても嫌だし田舎すぎても嫌だから…。
だって生まれ育った場所ってさやっぱり大きくなってね自分が振り返った時にさいろんな経験が結局は自分が生まれ育った所からスタートするからすごい思い出いっぱいの場所なんだよ。
うん。
自分たちが暮らす町の事をこんなに真面目に話したのは初めて。
あかねさんはたくさんのキーワードを見つけたようです。
おはようございます。
おはようございます。
(一同)おはようございます。
さて前回の授業から1週間がたちましたけれどもみんな取材をした先でいろんなそういう題材をもらったと思うんですけども大事なものは自分たちの根っこの基礎の部分を知る事で自分が何者なのかそしてどんな町で育ったっていう事をですねみんなそれぞれが知ってもらって将来ですねそれを周りから求められた時に話せる人になっていてほしいなというそんな思いでこの授業を進めています。
集会場を訪ねた1班です。
前半にはお年寄りの方々が話していた桜を盛り込みました。
しかしなかなか後半がうまくいきません。
あそこの会場に行って聞きに行ったじゃん。
ね。
ここに住んでる人たちの話をね。
その気持ちだったり自分が今感じるものを温泉ではなくて…入れてほしいなと思った。
「今も昔も」って言ったんだね?ここはいいんじゃない?ここまではいいんじゃない?ここから先だよね。
うん。
これは?どこ行った?これ。
誰も入れてないよね?確か。
そうだね。
誰も入れてない。
「今も昔も亀田公園」。
近所の公園を歌詞にするのかな?そうだね。
あ〜いいね。
こちらは2班。
登別が誇る温泉を歌詞にしようと奮闘中です。
・「人々あたたかいこりゃ気持ちが」ここからだ。
ハハハハッ。
気持ちが。
気持ちが。
そこが勝負だよ。
そこが何かだよ。
気持ちが…。
「伝わる」じゃ全然駄目だから「気持ちが」何だか何だか…。
おっ!きた!温泉と掛けてお湯と掛けて「あふれる」。
イエ〜イ!アハハハ!そういう事だよ。
そういう事そういう事。
そしてこちらは両親に話を聞いたあかねさんたち5班です。
・「思いでよみがえる」「思いでよみがえる」。
メロディーに歌詞がうまくはまりません。
うん「キオク」もいいね。
・「キオクよみがえる」そうだね。
「キオク」の方がいいかもね。
さんはい!少しずつ自分たちの中にあるふるさとの姿が見えてきたようです。
・「ハドーシタドシタ」あとはもう声の大きさだけですね。
さあいよいよ発表会。
吉田兄弟がアレンジした伴奏に乗せてふるさとを歌います。
え〜今日はですね自分たちが考えた歌詞をねただ歌うんじゃなくてどんな事を思ってこれを作ったのかっていうのも思い返しながら歌ってもらえたらなというふうに思います。
まずは今と昔の登別をテーマにした1班です。
・「ハァー今も昔も」・「ドーシタドシタ」・「じゃぶじゃぶ川で遊ぶ」・「ソレカラドシタ」・「おいしい空気コリャ」・「自然あふれる公園よ」続いて温泉をテーマにした2班。
・「ハァー登別温泉」・「ドーシタドシタ」・「じまんのお湯には」・「ソレカラドシタ」・「みんなのあたたかいこりゃ」・「気持ちがあふれている」
(拍手)そしてあかねさんたち5班です。
・「アァー緑の木々たち」・「ドーシタドシタ」・「赤くそまる山景色」・「ソレカラドシタ」・「なつかしいキオクよみがえるコリャ」・「生まれてよかった登別」
(拍手)みんなが大きくなって社会に出てこの北海道から旅立つ時が来るかもしれないし世界で活躍してるかもしれないしその時にね自分のふるさとを紹介する時に是非この歌詞を使って紹介してくれたらなと僕は思いますね。
あの〜いつかふるさとを思い返した時にですねこの授業が支えとか力になってくれる時が必ず来ますからちょっとでも思い出してくれたらいいなと。
あの三味線のおじさん2人が何か言ってたなって思い出してくれればいいなというふうに思います。
今回はありがとうございました。
家でお母さんとかお父さんに聞かせてあげようかなとは今思ってるんですけど。
歌詞をメモっておいてそのメモをしたやつを無くさないようにちゃんとしまっておいてたまに見て「あ〜あったなあ」みたいな。
富岸は自分の生まれ育った場所だからもし向こうとか札幌とかに行ってもまたここに戻ってきたいな。
地元の事自慢できそうな事があったからよかった。
僕子どもたちよく頑張ったと思うな。
この1週間で。
「生まれてよかった登別」これがちゃんとこうはまってきた。
僕たちがテーマとして入れたかったこの場所からこの富岸からっていうそのテーマが今回は歌詞にぐっと入っているんではないかなと僕は思いますね。
僕もまた海外に行った時に思い起こす事が多分多々あるんだろうなと。
自分を育ててくれた町に対しての気持ちはやっぱりぐっと強くなりましたよね。
(笑い声)
(2人)あ〜危ない!
(笑い声)じゃあね〜。
寒いから入っていいよもう。
じゃあね。
またね。
またね〜!2015/03/16(月) 12:25〜12:50
NHKEテレ1大阪
課外授業 ようこそ先輩▽つくろう民謡 歌おうふるさと〜三味線奏者 吉田兄弟[解][字][再]
三味線奏者の吉田兄弟が、母校の登別市立富岸(とんけし)小学校を訪ねる。課題は「民謡を作ること」。子どもたちは民謡づくりを通してふるさとを再発見していく。
詳細情報
番組内容
世界をまたにかけて活躍する三味線奏者の吉田兄弟が、母校の登別市立富岸(とんけし)小学校を訪ねる。子どもたちに出した課題は「民謡を作ること」。民謡にはその土地の風土や暮らしぶりが歌われている。子どもたちには民謡づくりを通してふるさとを見つめてほしいというのが吉田兄弟の狙いだ。子どもたちは学校を飛び出して地域の人たちや家族に話を聞き、民謡の歌詞を考えていく。【出演】吉田兄弟 【ナレーション】小日向文世
出演者
【出演】吉田兄弟,【語り】小日向文世
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – その他
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:25160(0x6248)