(香)あのう。
真知子。
そちらに伺ってないでしょうか?
(奈緒子)真知子さん?うちには来てないけど。
(香)いないんです。
心当たりは捜したんですけどどこにも。
(香)宗佑さんのお店にも。
(奈緒子)どこにもいないってどういうこと?分かりました。
私も心当たりを当たってみます。
香さんたちは寮で真知子さんの帰りを待ってください。
それじゃあ。
(志乃)えっ?真知子さん。
寮におらんがか?はい。
携帯も置いたままで姿がどこにも見当たらないと。
(志乃)えーっ?
(房子)あのう。
お食事の途中ですが寮に戻らせていただいてよろしいでしょうか?
(志乃)ああ。
もちろんや。
(辰夫)ほうやな。
早う帰った方がいい。
(房子)はい。
では失礼いたします。
私はあのう。
真知子さんのお父さまに連絡してみます。
(志乃)ほうやね。
(幸)真知子さん。
どこ行っちゃったんだろうね?
(辰夫・志乃)うん…。
(呼び出し音)あっ。
もしもし。
真知子さんのお父さまでいらっしゃいますか?
(恒雄)ああ。
これはかぐらやの。
いつもうちの真知子がお世話になっとります。
あのう。
夜分遅くに申し訳ありません。
真知子さん。
そちらにお戻りではないでしょうか?真知子ですか?いや。
うちには戻っとりませんが。
そうですか。
(志乃)いない?ああ…。
あのう。
民宿の方はどうでしょうか?真知子さん。
おばあさまの民宿にいるってことはないでしょうか?真知子どうかしたがでしょうか?あのう…。
実は真知子さん仕事で少し失敗をしてしまいましてその後連絡が取れなくなってしまったんです。
失敗…。
あいつ。
大切なお嬢さまをお預かりしときながらご心配おかけして申し訳ありません。
いやいやいやいや。
申し訳ないがはこっちです。
連絡が取れんなんて。
今からすぐに民宿見てきますんで。
(恒雄)真知子?真知子?真知子。
おらんがか?
(恒雄)真知子。
わしや。
父さんや。
おるんやったら出てこんか。
やっぱりおらんがか。
ああ。
もしもし。
ああ。
奈緒子さんですか?ええ。
真知子の父ですが。
やっぱり民宿には来とらんようです。
いやぁ。
あのう。
ご心配かけて本当にすまんことです。
ええ。
どうぞよろしくお願いします。
はい。
(香)真知子大丈夫かな?
(綾)会食リーダーを任されて張り切っていただけに失敗したショックもおっきかったんでしょうね。
(佑美)だからってこんなふうにいなくならなくたって。
心配だよ。
・
(戸の開く音)・お邪魔します。
(綾)奈緒子さん。
(佑美)よかったです。
来てくださって。
(香)真知子見つかりました?いや。
まだ。
大丈夫よ。
真知子さんを見掛けたらすぐに連絡をくれるようにいろんな人に頼んであるから。
あっ。
今日はもう休んでください。
皆さんにはあしたがあります。
真知子さんのことは私に任せて。
(房子)皆さん。
ここは奈緒子さんにお任せしましょう。
(香)ですが…。
(房子)明日の接客に差し障るようなことになれば真知子さん決して喜びません。
(綾)そうですね。
(綾)以前真知子さんも言ってました。
今自分たちのするべきことをきちんとしようって。
(香)これ真知子の携帯です。
お預かりします。
(房子)奈緒子さん。
真知子さんのことくれぐれもよろしくお願いします。
はい。
分かりました。
(綾)では…。
うん。
おやすみなさい。
(一同)おやすみなさい。
(陣内)《おお。
これはすごいな》
(真知子)《こちらの見るからにめでたいオオダイをこの私が腕によりをかけて調理させていただきます》
(陣内)《君が?》
(村田)《女将。
これはいったい何だ!?》《村田さま?》
(真知子)《どうかされましたか?》
(村田)《こんな塩っ辛いものをよく食わせてくれたもんだね?》
(真知子)《塩辛い?》
(村田)《ああ》《あなたをリーダーに指名したのはこの私です。
責任は私にあります》ごめんなさい。
私のせいで。
ごめんなさい。
(すすり泣く声)あっ。
陣内さまでいらっしゃいますか?夜分遅くすみません。
かぐらやの奈緒子です。
(志乃)ハァ…。
(辰夫)眠れんのか?
(志乃)うん。
真知子さんどっかで凍えとったりせんやろうかと思うてね。
(辰夫)うん。
(志乃)ハァ…。
ホントに心配ばっかりかけて。
(辰夫)真知子さんのことや。
どっかでぱーっと発散してすっきりして何もなかったような顔して元気に戻ってくるやろ。
(志乃)ほれやったらいいがやけど。
(陣内)真知子さん。
いったいどこ行ったんだ?《小さな漁師民宿です》《あそこにいるとおばあちゃんが話し掛けてくれる気がするんですよね》《うれしいときは一緒に笑ってくれるしつらいときは励ましてくれる》《今でもそんな気がするんです》もしかして…。
・
(ノック)
(佑美)真知子?
(房子)いいかしら?入っても。
(香)房子さん。
どうしたんですか?こんな朝早くに。
(房子)いえね。
あのう。
もしかして夜のうちに真知子さんが戻ってんじゃないかなと思ったもんだから。
(佑美)真知子は戻ってません。
(房子)そのようね。
(香)連絡もまだです。
ああそう。
あっ。
ごめんなさいね。
真知子さん。
どこに行っちゃったの?
(増岡)幸ちゃんに聞きましたが真知子さんが行方知れずやそうで。
うん。
(辰夫)ほうなんや。
(翔太)ああいう元気な人が落ち込むととことん落ち込みそうだから心配だよな。
(増岡)うーん。
(幸)真知子さん帰ってくればいいのにね。
(翔太)うん。
ただ今戻りました。
(増岡)ああ。
奈緒子さん。
おかえりなさいませ。
ほれでどうやった?真知子さん。
まだ。
えーっ。
(辰夫)真知子さん携帯も置いたままなんやろ?そうなんです。
それでその携帯に陣内さまから着信があったので陣内さまには真知子さんのことお知らせしときました。
ほうやね。
陣内さまには黙っとるわけにもいかんしね。
・
(綾)失礼いたします。
綾さん。
どうしたの?
(綾)朝早くにすみません。
ですが大女将と女将には早めにお知らせするべきかと思いまして。
えっ?真知子さんのことですか?はい。
実は先ほど陣内さまが能登へ向かわれました。
(辰夫・志乃)えっ?えーっ?それってもしかして?真知子さんを捜しに行かれたんだと思います。
えっ。
奈緒子さん。
陣内さまに真知子さんが能登にはおらんということ言わんかったんか?言いました。
なのにどうして?大女将。
私を今から能登に行かせてください。
真知子さんのことお客さまである陣内さまお一人にお任せするわけにはいきません。
もちろんや。
すぐに向こうてたい。
はい。
(知子)ねえ。
聞いた?
(弘美)うん?
(知子)真知子さん行方不明だって。
(弘美)もう。
どうしちゃったんだかね。
真知子さんに限ってそんなに落ち込むとは思ってなかったから心配で。
(和代)その件で陣内さま能登に向かったらしいわよ。
(知子)そうなの?
(和代)うん。
何か連絡あったのかな?
(和代)さあ?でもさ能登って怖そうな崖とかたくさんありそうよね。
・
(弘美)ちょっとやめてよ。
ドラマの見過ぎよ。
・
(和代)だって…。
(恒雄)ああ…。
あのう。
真知子さんのお父さまでいらっしゃいますか?
(恒雄)はい。
ほうですが。
あのう。
奈緒子です。
ゆうべお電話したかぐらやの。
(恒雄)ああ。
これはこれは。
いや。
このたびはうちの真知子がとんだご迷惑をお掛けしまして。
そんなとんでもない。
それより教えていただきたいことがあるんですが。
(恒雄)はあ。
朝か…。
・「トントンとなりの魚屋さん」
(陣内)ここだ。
・
(戸の開く音)・
(陣内)真知子さん。
・
(陣内)俺です。
陣内です。
・
(陣内)真知子さん。
(陣内)ここにいるんでしょ?いるなら…。
真知子さん。
陣内さま。
ごめんなさい。
陣内さまの大切な会食を台無しにしてホントにすみませんでした。
私がどんなことしても償うことなんかできないのは分かってます。
許してもらえなくて当然です。
でも…。
真知子さん。
もういいから。
よくありません。
陣内さまに恩返ししたいなんて言っときながら陣内さまの顔に泥を塗るようなまねして。
もういいんだ。
君がこうして無事でいてくれただけで十分だよ。
陣内さま。
君がどれだけあの会食のために頑張ってくれていたか俺はちゃんと分かってる。
あんな結果になってしまったけど君の思いは俺にはちゃんと伝わった。
それに最終的にはお客さま方も機嫌を直してくださったんだ。
何も問題はないよ。
怒ってらっしゃらないんですか?ああ。
それよりも君が心配だった。
君のことだ。
一人で責任をしょい込んでるんじゃないかって。
ここで見つけるまで気が気じゃなかったよ。
よかった。
無事でいてくれて。
陣内さま。
大女将。
奈緒子です。
真知子さんを見つけました。
えっ?見つかった?
(辰夫)おお。
ああ。
ほれはよかった。
ほうか。
分かりました。
ほんならお父さまにもよろしく伝えてたい。
あのう。
おばあさまの民宿におったんを陣内さまが見つけてくださったそうや。
(増岡)やっぱりおばあさまの民宿は真知子さんの心のよりどころやったんでございますね。
(辰夫)ほれにしても昨日は見つからんかったいうがに陣内さまはよう見つけられたな。
(増岡)はい。
(弘美)見つかったらしいわよ!真知子さん。
(香)えっ?ホントですか?
(弘美)うん。
(弘美)能登のおばあちゃんの民宿にいたんだって。
(一同)ああ…。
(綾)よかったです。
(佑美)もう。
帰ってきたら真知子にたくさん文句言ってやらないと。
(香)そうね。
よかった。
ありがとうございます。
私のためにこんなところまで来てくださって。
でもよく分かりましたね。
私がここにいるって。
(陣内)俺には確信があったよ。
君は絶対ここにいる。
おばあちゃんのそばにいるはずだって。
それでおばあちゃんは何か話し掛けてきてくれた?いいえ。
何も。
でもここにいると不思議と心が落ち着くんです。
おばあちゃんの腕の中にいるみたいで。
この部屋…。
(フミ)《子供なんやさかいたんと笑うまっし》どうかされました?
(陣内)まさか…。
(真知子)《・「トントンとなりの魚屋さん」》《・「お魚づくしのお正月」》《・「明けて元日お目で鯛」》《・「魴鯡秋刀魚のご馳走で」》《・「さめる間もなく屠蘇機嫌」》
(真知子)《今度は達也君の番》
(陣内)《えっ?僕には無理だよ。
真知子ちゃん》
(真知子)《じゃあ一緒にやろっか?》真知子ちゃん…。
えっ?ここだ。
ここだよ。
えっ?何がですか?君には何度か話したろ?ほら。
俺が小さいころに両親と泊まった思い出の宿。
それはここだったんだ。
俺の思い出のおばあちゃんは君のおばあちゃんだったんだよ。
ホントですか?ああ。
間違いない。
あのときまだ幼かった君ともここで会ってる。
この加賀手まりを見て今はっきりと思い出した。
・
(足音)
(辰夫)うん?ただ今戻りました。
ああ。
ご苦労さん。
奈緒子さん。
(増岡)おかえりなさいませ。
(辰夫)ご苦労やったな。
いや。
ですが真知子さんが無事見つかってほっとしました。
(辰夫)うん。
ほれにしてもどこまでも人騒がせな子やね真知子さんは。
またお騒がせをして申し訳ありません。
ハァ。
ホントにあの子がおると心臓が幾つあっても足りんわいね。
(香)あっ。
奈緒子さん。
(佑美)あっ。
みんな。
(佑美)真知子は一緒じゃないんですか?ええ。
でも安心して。
ちゃんと帰ってくるはずだから。
(綾)それじゃ元気なんですね?ええ。
陣内さまがあの会食の失敗のことはもういいんだっておっしゃってくださいましたから。
よかった。
それじゃ真知子の謹慎も解かれるんでしょうか?それはまた別の問題だけど真知子さんがちゃんと戻ってきたら私から大女将に何とかお願いしてみるつもり。
私たち何としても4人で最後まで修業をやり遂げたいんです。
私からもお願いします。
(佑美)お願いします。
みんなの気持ちは分かりました。
取りあえず今はしっかりとお掃除お願いします。
(一同)はい。
驚きました。
陣内さまの思い出のおばあちゃんがうちのおばあちゃんだったなんて。
君のおばあちゃんに俺の家族は救われたと思ってる。
俺にとっては決して忘れられない人だよ。
俺たち家族にとっての命の恩人だからね。
すごくうれしいです。
おばあちゃんとの思い出をそんなふうに大切に思っていてくれて。
俺だけじゃないよ。
えっ?きっとこの宿に泊まったお客さんはみんな君のおばあちゃんとの思い出を大切にしてるはずだよ。
君のおばあちゃんは俺たちをまるで家族みたいに優しく包みこんでくれた。
きっとどのお客さんに対してもそうだったんじゃないかな。
君はおばあちゃんそっくりだよ。
旅館の単なる客にすぎない俺の悩みにも真剣に考えてくれて立ち直る勇気をくれた。
俺は君に何としても最後まで女将修業をやり遂げてもらいたい。
だから一緒に戻ろう。
かぐらやに。
でも私のしたことは決して許されないことです。
君らしくないね。
一度の失敗で夢を諦めてしまうのか?
(フミ)《諦めんうちは失敗とは言わんのや》君なら必ず修業をやり遂げられる。
はい。
やります私。
最後まで修業をやり遂げるために一緒に金沢に帰ります。
2015/03/16(月) 13:30〜14:00
関西テレビ1
花嫁のれん #51[字][デ]【出演:羽田美智子 矢田亜希子 野際陽子】
陣内(須賀貴匡)が開いた宴席で大失敗した真知子(矢田亜希子)は志乃(野際陽子)に謹慎を命じられ、責任を感じて行方をくらます。奈緒子(羽田美智子)は懸命に探すが…
詳細情報
番組内容
陣内(須賀貴匡)が開く大事な食事会のリーダーを任された真知子(矢田亜希子)だったが、その席でまさかの大失敗をしてしまう。責任を感じた真知子は行方をくらましてしまい、「かぐらや」は大騒ぎに。女将の奈緒子(羽田美智子)も真知子のいそうな場所を懸命に探すが、見つからなかった。
真知子は落ち込むあまり、かつておばあちゃんが営んでいた民宿の押し入れの中に隠れていた。
番組内容2
奈緒子からの連絡を受けた真知子の父・恒雄(青山勝)が民宿へ真知子を探しに来るが、誰にも会いたくない真知子は押し入れから出ようとしない。奈緒子から話を聞いた陣内は、真知子がいる場所は一つしかない、と能登に向かう。果たして陣内はおばあちゃんの民宿で真知子を見つけるが…。
出演者
神楽奈緒子:羽田美智子
神楽志乃:野際陽子
片瀬真知子:矢田亜希子
宮崎 綾:原田佳奈
白山 香:広澤 草
石野佑美:川村ゆきえ
神楽翔太:草川拓弥
神楽 幸:木村真那月
・
神楽宗佑:津田寛治
小島房子:沢田雅美
神楽辰夫:山本 圭 ほか
スタッフ
原作・脚本:小松江里子
演出:新村良二
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
伊藤一尋(テレパック)
沼田通嗣(テレパック)
東田陽介(テレパック)
音楽:富貴晴美
主題歌:東方神起「サクラミチ」(avextrax)
エンディングテーマ:東京カランコロン「夢かウツツか」(avex trax)
制作著作:テレパック
制作:東海テレビ
ご案内
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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