トリハダ(秘)スクープ映像100科ジテン 3時間スペシャル 2015.03.16


(爆発音)
(乗客たちの悲鳴)突然空中分解寸前!極限の状況!前代未聞の状態で飛び続ける機体。
さらに…!
(女性)酸素が出ないわ!地獄の苦しみが次々と襲いかかる!
(ロバート)なんだ?そして…。
絶体絶命の中エンジン停止車輪も出ないまま決死の着陸!頑張って!…をトリハダスクープ!日本から毎年およそ145万人が訪れるこの常夏の楽園で前代未聞の航空機事故が起きた。
ハワイ島ヒロ空港はこの日も多くの人で溢れていた。
のちに航空史上最悪とも言われる事故を起こすアロハ航空243便の搭乗が始まった。
この日の乗客は観光客やビジネスマンなど89名。
やあ!手伝いますよ。
副チーフは14年のベテランミシェル・ホンダ。
そして…。
これまで事故とは無縁にハワイの空を飛んできた経験豊富なチーム。
機長を務めるのはロバート・ローレンス・ショーンスタイマー。
アメリカ空軍で飛行経験を持つ勤続11年のベテランパイロット。
彼女は機長昇進を目前に控えていた。
短距離路線用に開発されたものだ。
この日はハワイ島ヒロ空港からオアフ島のホノルル空港まで426キロ35分の短いフライトだった。
機内にはいつもと変わらぬなごやかな空気が。
だがその中に1人不安を感じていた乗客がいた。
ううん。
彼女が機体に入った亀裂。
わずかなこの亀裂がこのあと恐るべき事故を起こす事となる。
午後1時25分乗員乗客95名を乗せアロハ航空243便は定刻どおりハワイ島を飛び立った。
426キロ離れたホノルル空港へ高度7300メートルまで一気に上昇し下りていく。
こちらアロハ243便。
を任されていた。
通い慣れた航路。
いつもどおり速やかに急上昇を続け…。
ホノルル空港まで飛行時間はわずか35分。
そのため客席ではすでにこれもいつもと何一つ変わらない光景。
243便は高度7300メートルに到達。
そしてそれは一瞬の出来事だった。
(爆発音)
(乗客たちの悲鳴)コックピットと客室を仕切るドアの辺りから主翼の付け根まで天井の外壁がおよそ6メートルにわたり吹き飛んだ。
シートベルト着用中だったため乗客が外に飛ばされるという最悪の事態は免れたが通路に立っていた客室乗務員ジェーン・サトウ=トミタの頭に破片が激突。
この時起きていた事の恐ろしさを元全日空パイロット前根明氏はこう語る。
事故が発生した高度7300メートルは富士山の2倍の高さ。
こうした低酸素状態では血液中の酸素濃度が低下し脳へ酸素の供給が出来ず3〜4分で意識が混濁する事も。
さらに長時間続くと脳細胞に深刻なダメージが残る危険もあるという。
通常…。
この時は機体の破損でケーブルが切断され酸素マスクは全く使い物にならなかった。
機体前方では天井と共に酸素マスクも吹き飛び機内は一瞬で絶望的な低酸素状態に陥った。
この日地上の気温は23度だったが高度7300メートルでの気温はおよそマイナス20度。
その上事故発生時243便は時速750キロで飛んでいた。
マイナス20度の中で時速750キロの強風を受ける乗客たち。
その体感温度はなんとマイナス40度にもなるという。
この状態が長く続けば最悪の場合心停止に至る。
機体の高度を早急に下げなければ命が危ない。
だが…。
そんな乗客たちの目の前に広がっていたのは客室乗務員ミシェル・ホンダが内線で連絡を取ろうとした。
しかし…。
果たして
(拍手)さあハワイとはいえ上空7300メートルでいきなり起こった大パニックですけども…。
(宮崎)飛行機に乗る時に機体の亀裂チェックしなきゃいけないのかしらなんて…。
あれ微妙ですよね。
あんな事ってあるのかしら?自分が見てわかるようなやつならこれはなんかわかんないけど航空会社の人もわかってる事なんだろうからわざわざ言わない…。
多分言わないと思いますよね。
だって点検当然しますでしょ?乗る前に。
その結果乗客を入れてるわけですから。
もう…もちろんトッキュウジャーですから。
電車に乗って宇宙に行けるので。
だから飛行機は信じられないって思ったでしょ?
(志尊)そうですね…。
(爆発音)
(乗客たちの悲鳴)突然誰もがそう思ったその時…。
(ミシェル)落ち着いてください!ロバート機長も副操縦士も無事だった。
飛行機の屋根がはがれた事によって2人は機内の酸素供給システムは客室とコックピットで分かれておりコックピットのものは生きていた!ロバート機長はすぐにトンプキンス副操縦士に代わって操縦桿を握った。
この時243便はハワイ島ヒロ空港とマウイ島カフルイ空港の中間地点にいた。
ロバート機長はより近いトンプキンス副操縦士は何度もしかし激しい強風で管制塔との交信が出来ない。
このあと
(ロバート)うううっ!ううっ…!乗員乗客95名を乗せた…。
この時243便はハワイ島とマウイ島の中間地点にいた。
ロバート機長はより近いここで機長は乗員乗客の命を守るには呼吸が可能な70パーセントの酸素濃度が確保出来る高度3000メートルまで速やかに降下しなければならない。
マニュアルでは機内の気圧が下がった場合毎分1500メートルから2000メートルの降下率で高度3000メートルまで短時間で降下するよう決まっている。
243便はだが天井のない飛行機っていうのはね卵の殻と一緒でモノコック応力外皮構造っていうんですけども外皮でもって強度を支えているわけですよ。
(前根さん)ですから上半分が飛ぶ事によって非常にもろくなってたんですよね。
柱などに頼らずしかし…。
この状態でマニュアル通りの降下率とスピードで急降下してしまうと下からの風圧に耐えきれず破損した場所から空中分解する危険があった。
乗員乗客95名の命を守るにはわずかなミスも許されない。
(トンプキンス)こちらアロハ243便!聞こえますか?降下率はマニュアルよりかなり低いこの降下率では乗客の命を守る高度に至るまでおよそ1分近く余計に時間がかかってしまう。
しかし…。
機長は空中分解を防ぎながら最短で安全な場所に導く降下率を瞬時に割り出していた。
243便は酸素濃度の濃い高度3000メートルまでの降下に成功。
地上に近い呼吸が出来るようになった。
速度は時速380キロまで減速され風の音が小さくなった。
副操縦士トンプキンスはようやく上空でどんな事態が発生しているのかわからないままマウイ島カフルイ空港では客室との連絡は取れないまま。
この時客室乗務員のミシェル・ホンダは危険を顧みず懸命の救助活動を続けていた。
だがこのあと…。
ハワイ上空7300メートルで…。
(乗客たちの悲鳴)突然そして胴体の下半分には地上に近い空気が入っている。
という事で…。
エンジンをコントロールするためのケーブルがエンジンの付け根のところですね引っ張られたことによって切断してるんですね。
真っすぐ進むには機体を右に傾けるしかないがその分受ける風圧は増してしまう。
しかも目指す着陸するには絶対に右旋回しなければならない。
うっ…うう…!に達していた!だが航空機の操縦で最も難しく事故が多いのが着陸。
そのため着陸の際パイロットは滑走路への進入角度や体勢が悪い場合には再び上昇し着陸をやり直す可能性まで想定しなければならない。
機体を大きく損傷した通常なら体勢が悪いと判断すれば再上昇を繰り返し何度も着陸を試みる事が出来るのだが…。
片側のエンジンが停止した243便にそんな力は残されていなかった。
でも…。
いいから!フラップとは両翼にある羽。
通常着陸時はスピードを落とすためフラップを40度に下ろす事になっている。
機長が指示した5度ではスピードはほとんど落ちない。
だが機長はこう考えていた。
一度目の着陸に失敗してもそのスピードを利用し再上昇する事が出来る。
この時243便のスピードはマニュアルより1.5倍速い時速300キロ。
当然スピードが速い分操縦は難しい。
滑走路に跳ね返されたり車輪が破損したり最悪の場合オーバーランし大事故を招く恐れもあった。
しかしそれは空軍で鍛えられた機長ならではの万に一つの方法だった。
しかし…。
またしてもところが…。
3つある車輪のうちこれは前方の車輪が下りていない事を示していた。
こちらアロハ243便。
車輪が出ないままでは胴体着陸となり最悪の場合着陸時に摩擦で燃料に引火。
大惨事となる事もある。
機体の強度が極度に弱まっている243便は衝撃でバラバラになる恐れもあった。
このような場合操縦士は飛行場を一度通り越ししかし…。
243便はいつバラバラになってもおかしくない。
機長の決断は…。
それはロバート機長にとっても一か八かの賭けだった。
243便は頑張って!頑張って!ミシェル・ホンダは倒れた乗務員を守ろうと覆いかぶさった。
いよいよ243便は最大の難関着陸の瞬間を迎える!天井に穴が開いた243便が滑走路に近づく!乗員乗客95名の命をかけた決死の着陸!果たしてその運命は…。
うう…!事故の凄まじさを物語るむき出しの客席。
そこにはあまりの衝撃に立ち上がる事すら出来ない乗客の姿があった。
絶体絶命の中乗客89名全員の命が救われた。
乗客と抱き合っているのは客室乗務員ミシェル・ホンダ。
そして奇跡を成し遂げた機長ロバートの姿もあった。
だが勤続37年の彼女は飛行機は…。
地上ではわずかな違いしかないが高度7300メートルでは圧倒的に機内の気圧が大きくなり機体は膨らもうとする。
その時機体にかかる力はなんと1平方メートルで5トン以上にもなるという。
そのため飛行機の機体は万一亀裂が入っても全体に及ばないような構造になっている。
ところがアロハ航空243便の機体にはあまりに多くの亀裂が走っていた。
それらが連鎖反応しまるでジッパーが開くかのように拡大。
大規模な損傷をもたらしたと考えられる。
243便の航路は短距離短時間のフライトを繰り返す。
そのため離陸着陸の回数は他の航路の3倍にのぼっていた。
つまり上昇と下降による機体の膨張と収縮の回数も3倍。
にもかかわらずアロハ航空の検査は不定期。
しかも当時は夜間暗い照明の下で行われていたため無数の亀裂は見落とされたという。
そしてこの事故はさらに恐怖を克服するカウンセリングとして事故現場を訪れる乗客もいる。
事故後FAA連邦航空局はロバート機長をはじめとするクルー全員を表彰。
突如発生した困難に対する機長の的確な判断と命がけのクルーの行動が乗員乗客の尊い命を救ったのだ。
…をトリハダスクープ!
(2人)あっ…!
(悲鳴)511名もの乗客を乗せた旅客船が…。
(乗客たちの悲鳴)あっという間に傾いた船がどんどん沈んでいく。
この船ダメだ。
落ちる!ああ…!そして…たったそれをはるかに上回るわずか50分でエーゲ海に沈んだ大型旅客船。
その信じられない早さに現場もそしてその事実を知った世界も呆然とした。
一体なぜわずか50分で沈んでしまったのか?そしてその船の名はエクスプレス・サミナ号。
全長115メートル最大乗客数1500名の大型旅客船。
エーゲ海の島々を車を乗せ毎日定期運行するギリシャ国民のなくてはならない交通手段。
この日もいつもと変わらずサミナ号は出港した。
指揮を執るのは…。
共に長くこの業務に携わる大ベテラン。
エーゲ海を知り尽くしていた。
この日は乗員乗客511名を乗せアテネピレウス港から南東166キロのパリキア港に向かうおよそ5時間の航路。
乗客も様々だった。
どこに行くの?もう…。
いいじゃないか。
はしゃいでるんだ。
ねえ早く早く!ふるさとの島へ久しぶりに帰る親子や…。
ああ…!あっすみません!大丈夫ですか?いえ…私ぼーっとしてたから。
悪いのは僕です。
気になさらないで。
どうも…すみません。
共に一人旅の若い男女。
さらに…。
この2人は外国からの観光客。
予定していた船を乗り過ごし偶然切符が取れたサミナ号に乗船していた。
それぞれの思いを胸にエーゲ海に出た乗客たち。
出港からおよそ3時間。
サミナ号は中間地点キスノス島を通過。
目的地に向け走り慣れた海を順調に進んでいた。
ヤナキス船長が船の操縦を自動操舵に切り替えた。
自動操舵とは進みたい方角を設定すれば船に装備されたジャイロという磁石が自動的に舵を操作進む方角を常に一定に保つ装置。
目印のない大海原で船を効率よく安全に進ませるのに欠かせないものだ。
この日は天候も良好。
船長はいつもと同様自動操舵に切り替え…。
副船長にあとの事を任せ船長室で仮眠をとる事にした。
その頃1階のホールでは…。
(男性)いけ!もっと右から。
あー!その人気は凄まじく視聴率はときに60パーセントを超えるなどヨーロッパ各国の国民が自国のチームの戦いに熱狂する大イベント。
しかもこの日はギリシャのパナシナイコスがドイツのハンブルクと対戦。
グループリーグ突破をかけた大一番にギリシャ中が熱狂していた。
そんな喧騒をよそにくつろぎながら到着を待っていた。
すると…。
そしてたまたまこの船に乗った外国人女性ハイディとクリスティンはデッキにいた。
2人は夜風を受けながら船の中には入らず到着を待っていた。
だが…。
出航から4時間半が経った頃…。

(鼻歌)あっ!突然揺れ始めたサミナ号。
穏やかだった風速13メートルを超え波も高くなった。
(男性)抜かれるな。
粘って守り抜くんだ。
(男性)おっ…。
(女性)あれ?そして10時を過ぎた頃…。
(乗客たちの悲鳴)いきなりデッキからは目的地ピレウス港の明かりが間近に見えた。
だが次の瞬間…。
2人の視界を巨大な岩が遮った。
そして…!
(乗客たちの悲鳴)サミナ号はああっあっ…!この衝突で一体その理由は…。
ありえない事だった。
(乗客たちの悲鳴)500名以上の乗客を乗せエーゲ海を進んでいたサミナ号。
そして…。
(衝突音)サミナ号は高さ23メートルはある巨大な岩礁に激突!ああっ…!この衝突で一体それは船長が部屋に戻った時の事。
自動操舵を見ていたはずの副船長が…。
(叩く音)
(男性)おっ…なんだよ。
(男性)なんとかしてくれ!
(叩く音)すると…。
(サイコイオス)おお!直ったぞ!なんと511名もの乗客を乗せているにもかかわらず任務をほったらかしサッカー観戦に夢中。
たとえ自動操舵に任せていても乗員は常に不測の事態に備え監視を怠らないのが義務。
それを知りながら副船長たちはサッカーに気を取られ怠っていた。
そのためサミナ号は真っすぐパリキア港を目指すはずがルートを大きく南に外れパリキア港沖2キロにある岩目がけて直進。
激突してしまったのだ。
しかし自動操舵は機能していたはず。
それなのになぜ?海上技術安全研究所海難事故解析センター長田村先生はこう分析する。
船の船首…。
真北に例えば進めというふうにすれば真北に進んでいくわけですけれども…。
だから船が斜めに進んでいるような状況はあり得るんですね。
自動操舵はあくまで進む方角を保つシステム。
風や潮の流れが強いと方角は保っても流されてしまう場合があるという。
そのため常に船員が監視し進路を調整する必要があるのだが…。
いけいけいけいけいけ!よっし!副船長たちはサッカーに夢中になり操舵室に戻った時には…。
岩が目の前に迫っていた。
(サイコイオス)バカ言うな!
(操舵手)はい!副船長は慌てて船を左に旋廻させた。
(乗客たちの悲鳴)だが時すでに遅し。
(衝突音)サミナ号は海に突き出た岩礁に激突!サミナ号沈没までタイムリミットは50分。
なんだって!?その時船内は…。
何が起きたんだ?どうなってるの!?乗客はパニック状態になっていた。
どうなってんだ!何が起きているのか船員からのアナウンスは全くない。
これが乗客のパニックに拍車をかけた。
とにかく船の外へ!乗客はそれしか考えられなくなっていた。
(ディエゴ)こっちだ!だが悲劇は始まりに過ぎなかった。
衝突から5分…。
(ディエゴ)どうした?何が起きた!?
(悲鳴)落ち着け!船内が一気に暗闇に。
実は岩との衝突でサミナ号のある重要なものが壊れていた。
それは…。
フィンスタビライザーとは船の真ん中の下辺りに付いている羽のようなもの。
サミナ号が岩に激突した時…。
これも水面下で衝突。
その衝撃でフィンスタビライザーは折れ底に幅3メートルもの穴が開いた。
穴が開いた場所は船内の電気をつかさどる…。
大量の海水が一気に流れ込み船の命とも言える電気系統が全てショート。
サミナ号は闇に包まれた。
デッキは逃げ出そうとする乗客で溢れた。
この船こっちよ!早く!子連れの夫婦もライフジャケットを探し出しデッキに飛び出した。
(乗客たちの悲鳴)
(子どもの泣き声)突然その傾きなんと13度。
何かにつかまらないと自力では立てない状態だった。
どうした!?エンジンルームだけでなく最初の衝突で開いた別の穴からも浸水が始まり一気に沈み始めたサミナ号。
500名もの乗客が出口を求めデッキに。
だがこの時海に放たれた救命ボートはなんとわずか3艇。
500名もの乗客を乗せるには圧倒的に少ない数だった。
一体どういう事なのか?そもそもサミナ号にはだが急激な船の傾きで4艇が海に下ろせない状態だった。
目の前に出されたわずかな命綱。
乗客たちは3艇のボート目がけて次々と海に飛び込んだ。
しかし…。
(乗客たちの悲鳴)サミナ号の傾きは止まらなかった。
そして乗客もパニックになってどうしたらいいかわからなくなるものなんですかね。
これどっちがいいんですかね?誘導されなかったら動かない方がいいのか。
まあでもセウォル号の場合は船員がとどまれって言ったわけだし。
海の中に飛び込んで一番死んでしまう確率が高くなるのは低体温なんですね。
そういった意味でちゃんと船長さんの指示があった時に飛び込むというのが前提です。
ただし何も指示がないというような場合には疑いながら待つというのが一番正しい方法でしょうね。
正解はないですよね。
見えてこないですね。
疑いながら待つにしてもじゃあ救命胴衣を着て甲板に出る…?閉じ込められたら船の場合は外に出られなくなりますから上に上がってくるというのは正解だと思います。
傾きが23度を超え逃げ場を失った乗客は次々と海に避難した。
必死で救命ボートにしがみついた。
(女性)ああ…!海外から来た2人の女性客が海に飛び込もうとした…。
(乗客たちの悲鳴)助けて!一体何が起きたのか?それは「RO‐RO」とは「Roll‐onRoll‐off」の略。
車に乗ったまま乗船しそのまま降りる事が出来る船の事で車や荷物を同時に運べる利点を持つ。
この日の航海でも多くの車や貨物を積み込んでいたがここに問題が…。
船が傾いた事で大量に積まれた車や貨物が片側に寄ってしまい重心をさらに傾かせていたのだ。
ダメだ落ちる!ああ…!傾きに耐えきれなくなった乗客が海に放り出された。
(悲鳴)いくぞ!
(子どもの泣き声)決死の思いで海に飛び込んだ夫婦と子どもは懸命に泳ぎなんとかボートにたどり着いた。
ここで救助を待ち続けた。
そしてなんとかデッキに出る事が出来たこの船で出会ったタマラとディエゴは…。
2人は暗い海の中で抱き合いながら救助を待った。
海面に近いサミナ号の後部は逃げ出そうとする乗客でパニックになりすぐに脱出出来ない危険がある。
クリスティンは逆の先端から逃げた方が早いと判断したのだ。
しかしそれは一か八かの賭け。
2人は傾く船を必死によじ登った。
すると…。
そこには風に飛ばされた誰も乗っていない救命ボートが。
最後のチャンスよ。
いくわよ。
うん。
(海に飛び込む音)2人は無事脱出に成功した。
そして船は完全にサミナ号は…。
(警笛)ここよ!助けて!こっちこっち!遭難信号を受けた地元の漁師が現場に駆けつけたのは衝突からおよそ40分後の事だった。
ああ…よかった!助かるぞ!到着予定だったパリキア港へ救助船で運ばれる乗客たち。
その中には幼い子どもたちの姿もあった。
突然の海難事故にもかかわらず島民が協力し合い総出で救出。
9月のエーゲ海は比較的暖かく事故の現場が港に近かった事も幸いし救命ボートに乗れなかった人々も多くが救われた。
しかしそれでも船に取り残された者海で溺れた者など80名もの尊い命が失われた。
そこにはとんでもない事実が隠されていた。
実はサミナ号が岩に衝突した直後…。
あのセウォル号の時と同じように…。
行くぞ。
(乗員たち)はい!この船は沈むそう判断した船長は乗客には一切何も告げず乗員を連れいち早く脱出。
そこにはサッカーに夢中になっていたあの副船長と操舵手もいた。
その後ヤナキス船長はギリシャ司法当局により乗組員5名とともに身柄を拘束され業務上過失致死などの罪で16年の懲役となった。
サッカーを見ていた副船長には最長の19年の懲役が課された。
ギリシャを騒然とさせた沈没事故。
最も不可解なのはわずか50分という驚くべき沈没の速さではないだろうか。
一体そこには驚きの原因があった。
通常その区画の間には水密扉と呼ばれる頑丈な扉が備え付けられているのだ。
この扉を閉める事で隣の区画への浸水を食い止める事が出来た。
ところが海底に沈んだサミナ号を調査した結果…。
なんと11の水密扉のうち9つが開いていた事が判明。
恐らくフィンスタビライザーの破損による急激な浸水でいきなり電気系統がストップ。
これにより海水が途方もない速さで船内に入り込んでしまったと考えられる。
さらにRO‐RO船だったサミナ号には車や貨物を積み込む巨大なスペースがあった。
そこに大量の海水が瞬時に流れ込んだ事で50分という驚異的な速さで沈没したと推測されている。
もしもしサミナ号が50分という速さで沈没する事はなくもっと多くの命が救われたかもしれない。
事故から生還した2人の旅行者ハイディとクリスティンはこう語る。
クリスティンといつも言うの。
船舶の耐用年数を35年から30年に短縮するとともに乗客を乗せる全ての船舶に航海レコーダーの設置が義務づけられた。
心の隙が招いた途方もない大事故だった。
…をトリハダスクープ!イタリアミラノから南東におよそ120キロの田舎町。
中世の景観が残るこの美しい町で…。
が起きた。
町には事件が起きた実際の家がまだ残っている。
被害に遭ったのはこの家に住んでいた4人家族オノフリ一家。
夫パオロは地元郵便局の局長。
妻パオラも同じ郵便局で共働き。
この地域では一般的な中流家庭。
子どもは2人。
8歳のセバスティアーノと1歳6か月の弟トンマーソ。
楽しい夕食のひと時を過ごしていた一家4人に…。
血も凍るようなその時…。
普段から頻繁にブレーカーが下りて停電していたためオノフリ一家はいつもろうそくを用意していた。
ろうそくの明かりでそのまま食事を続けたオノフリ一家。
そして悲劇が訪れる。
2人の男が侵入。
拳銃を持ったヘルメットの男はひと言もしゃべらず…。
ナイフを持った目出し帽の男は夫パオロの手足をテープで縛り動きを封じた。
パパ!手持ちの150ユーロおよそ2万円を渡した。
その後妻も手足を縛られ長男セバスティアーノもイスに縛りつけられた。
そして…。
(泣き声)妻パオラは自力でテープをはがす。
わずか1歳6か月のトンマーソが謎の2人組に誘拐された。
てんかんの持病があったトンマーソ。
薬を飲まなければ発作を起こし命を落としかねない。
警察は自宅を中心に現場周辺の大がかりな捜索を開始。
犯人が落としたブレーカーなど自宅の周りを入念に調べても犯人に繋がる手掛かりは何も見つからなかった。
だが8歳の長男セバスティアーノは見ていた。
テープの端がなかなか取れず犯人が手袋を外したところを。
これが事実なら指紋が残っているはず。
鑑識による指紋採取の結果…。
決定的な証拠が見つかった。
しかし過去の犯罪者の指紋データを調べても該当者はいない。
だと思われたこの事件。
しかしいくら待てど1歳6か月の子どもの誘拐。
それはイタリア全土で連日大きく報じられた。
国中が犯人への怒り家族への同情でわきトンマーソの無事を祈った。
犯人は人でなしだと思います。
許されない事です。
町中があの子の帰りを待っています。
だが容疑者が挙がらないまま4日が過ぎた。
悲しみにくれる両親にこのあとさらなる悲劇が。
そのため父パオロが誘拐に関与しているという疑惑が浮上。
父パオロが誘拐に関与しているという疑惑が浮上。
警察はパオロの書斎をしらみ潰しに家宅捜索。
彼が息子の誘拐に関わっている証拠を探した。
ついには警察で事情聴取を受けるほどパオロは疑われた。
10日以上過ぎても犯人から接触がなく手掛かりもつかめない持病を抱える幼いトンマーソ。
その命が危ない。
そんな時…。
そこはパオロの家からおよそ100キロの場所。
マグラ川の河口付近で消防署の水中捜索隊によるトンマーソの捜索が行われた。
この場所を捜索するきっかけとなったのは…。
そうイタリアナンバー1の超能力者マリアがこの川にトンマーソが沈んでいると透視したのだという。
マリアはこれまで数々の難事件を解決に導いてきた。
最も有名な事件がキアーラが突然姿を消し2年以上全く手掛かりがつかめない謎の事件。
キアーラの両親は娘の捜索をジャーナリストを通じて超能力者マリアに依頼。
透視はキアーラの霊にコンタクトする事から始まった。
そして…。
超能力者マリアがキアーラの霊に導かれてやってきたのがコモ湖という湖。
キアーラの霊はマリアに帰宅途中車の運転を誤って湖に落ちてしまったと告げた。
この地図はマリアが遺体の場所だと示したもの。
日本の霞ヶ浦ほどの大きさのコモ湖。
その中ほどの岸から150メートルの地点に沈んでいる車の中にキアーラは眠っているという。
これは捜索の時実際に撮影された水中映像。
なんの根拠もないマリアの話を本気で信じる者は誰ひとりいなかった。
だが奇跡が起きる。
光の届かない暗い湖の底。
そこで発見されたのは赤い車。
そしてカメラは衝撃の光景をとらえる。
そこにはうつ伏せで横たわるキアーラの姿が。
誰も知りえないキアーラの居場所をピンポイントで特定した超能力者マリア・ローザ・ブージィ。
イタリアのマスコミも…。
彼女の力を大きく報じた。
マリアに実際に捜査協力を依頼したイタリア警察の現役捜査官に話を聞く事が出来た。
イタリア警察も信頼する奇跡の超能力者。
そんなマリアが誘拐されたトンマーソは川底に沈んでいると透視した。
つまりトンマーソは既に殺害されてしまったのか?誰もがそう信じ固唾をのんで警察の捜索を見守った。
しかし透視の失敗でトンマーソ生存の希望は残った。
がその一方でマリアは力を失ってしまったとイタリア中が落胆した。
『トリハダ』スタッフは現地イタリアで緊急取材。
当時マグラ川の捜索に携わった新聞記者を捜し当てた。
マリアの透視ミス。
その真相は?実はマリア・ローザではなくて違う超能力者の…。
マリアじゃないです。
ではなぜマリアが透視したと報道されたのか?当時の資料にはミラノのコンスタンティナ・コモデーリという超能力者の名前が。
誘拐されたトンマーソの両親はキアーラの遺族に超能力者マリアを紹介してくれと依頼。
偽者ではなく本物のマリアに息子の居場所を透視してほしいと願ったのだ。
『トリハダ』はその経緯を確かめるため母ルチアーナさんが快く取材に応じてくれた。
1人寂しく暮らすルチアーナさん。
息子トンマーソの誘拐に関与してるのではないかと警察から疑われていた父パオロ。
そんな彼からマリアを紹介してほしいと相談された時どう思ったのか?『トリハダ』スタッフはマリアに接触。
聖母マリアの再来と言われる当時彼女はこのトンマーソ誘拐事件の依頼をどう受け止めたのか?ついにマリアがトンマーソ誘拐事件の透視捜査に動く。
というわけだったんですけども…。
直接でもこうやって事件が解決出来るんだったら…まあ浅はかですけどじゃあもっと他の事件は?っていうふうに警察側も多分そうなってるんじゃないかなっていう…。
成功例を見てあれに希望を持ちたい人がいっぱいいるのは間違いないよね。
あとはガムテープを剥がす時に手袋を取っちゃいけないという…。
そっち側はいいでしょう。
そこまでやったんだったら…。
(伊集院)色んな役するからって犯人側はいいですよ。
トンマーソ誘拐事件超能力者マリアの透視が始まる。
事件発生から23日目。
マリアは誘拐現場トンマーソの自宅を訪れる。
事件後家族は親戚の家に身を寄せていたためそこは空き家となっていた。
トンマーソは今どこに?マリアの透視が始まった。
マリアは近くに落ちている木の枝で地面に穴を掘り始める。
そしてケースから取り出したのは…。
紙で作られた十字架。
それを掘った穴の中に置き土を被せる。
マリアに力を与える精霊とは?生前政治家ムッソリーニにも助言したという有名な予言者。
彼女は死後マリアの守護霊となり透視の手助けをしてくれるのだという。
透視の儀式は続く。
十字架を埋めた場所に聖水をかけ…。
マリアが祈りを捧げると…。
目の前にトンマーソが現れた。
すでに殺害されてしまったという事なのか!?その時…。
マリアが祈りを捧げると…。
目の前にトンマーソが現れた。
その時ビジョンが浮かんだ…。
さらに…。
透視結果を伝えるため父パオロと待ち合わせた。
場所は弁護士事務所。
そこにはマリアの透視を期待する警察も同席していた。
マリアの透視と特徴が一致する男が存在した。
かつてオノフリ家のリフォームを手掛けた事がある職人だった。
容疑者として警察に事情を聞かれるアレッシ。
自分は関係ないと容疑を否認していたが…。
アレッシと親しいサルバトーレ・ライモンディーという男を調べると…。
長男セバスティアーノを粘着テープで縛る時についたあの指紋と一致。
2人でトンマーソを身代金目的で誘拐した事を自供した。
さらにアレッシの妻が誘拐したトンマーソの面倒を見るための共犯者だった事を自供。
ついに犯人グループを捕らえた。
病気の子どもを抱え安定した収入もないため誘拐で大金を手に入れようとしたという。
だが正面から来る車を警察かと思った犯人はパニックになり泣き止まないトンマーソを静かにさせるため殺害し茂みの中に埋めたという。
最愛の息子トンマーソを亡くした父は…。
裁判の結果…。
主犯格マリオ・アレッシにはイタリアでは最高刑の無期懲役が言い渡された。
あれから9年。
今も事件のあった家は残っている。
事件解決後マリアが初めて今もその家に住む遺族のもとを訪ねた。
このあと無念の死を遂げた息子を思う父。
悲劇のストーリーにイタリア中が涙した。
事件解決後マリアが初めて今もその家に住む遺族のもとを訪ねた。
出迎えてくれたのはパオロへの弔いの花。
実は事件後父パオロは心労から心臓発作を起こし長い闘病の末去年1月トンマーソのいる天国へ旅立った。
事件から8年が経っていたにもかかわらずテレビでは父パオロの追悼番組が放送された。
あの時命を捨ててでも犯人に立ち向かっていれば息子を救えたかもしれない…。
だが過ぎた時は戻せずただ後悔の日々。
ついには犯人に疑われ失意のどん底に。
帰らぬトンマーソを思い泣き暮らす毎日。
体は病に蝕まれていった。
トンマーソが殺害された現場には慰霊碑が作られ今も多くの人々がお菓子やおもちゃを供え祈りを捧げに来る。
メディアからの非難を受けても助けを求めに来る被害者がいる限り…をトリハダスクープ!戦後最大の未解決事件と言われる3億円事件。
だがその18年後再び3億円事件が起きていたのをご存じだろうか?東京都府中市。
府中刑務所の裏で現金輸送車が狙われた。
盗まれたのは東芝の従業員のボーナスおよそ3億円。
犯人は改造したバイクに乗ったニセの白バイ隊員。
現場の遺留品はおよそ120点。
容疑者リストの数は実に11万人にも上った。
しかし事件から7年。
現在の価値にして10億円以上とも言われる当時誰も殺さず現金だけを奪った犯人を英雄視する声もあった。
時効直前市民の声を聞いたインタビューがある。
その一方で警察は威信をかけ雨の日も風の日も動員された捜査員は延べ17万人。
時効が成立した時拳を握り悔し涙を浮かべたという。
警視庁鑑識課指紋係塚本宇兵もその1人だった。
犯人の遺留品から数多くの指紋が検出されたがどれも事件解決に繋がらなかった。
指紋捜査官としての誇りが傷つけられた。
東京のど真ん中で再び起こった第二の3億円事件を皆さんはご存じだろうか?東京有楽町の3億円強奪事件を捜査しています警視庁はこれまでの捜査で犯行直後駐車場から不審な車が出ていっているのを確認しておりまして事件になんらかの関係があるものと見て特定を急いでいます。
第二の3億円事件は東京千代田区。
東京有楽町交通会館前で起きた。
現金輸送車が大手都市銀行に到着。
多額の現金を降ろそうとしたその時だった。
(警備員)うわっ!うわあ〜っ!催涙スプレーとピストルで脅し警備員がひるんだ隙に…。
ジュラルミンケース2つ。
が奪われた。
連休明けの給料日を狙ったしたたかな犯人グループ。
入念な下準備がなされていたと思われた。
これが第二の3億円事件と呼ばれている。
犯人はヘルメットを被った3人組。
一体何者なのか?被害に遭った警備員はこう語った。
(リポーター)事件当時の模様を教えてくれますか?犯人の特徴は不明。
残る手掛かりは遺留品と指紋に絞られた。
この時鑑識課指紋係のリーダーだったのが…。
偶然にも2度目の3億円事件に遭遇。
汚名返上のチャンスが来た。
府中の3億円事件以来よど号のハイジャック事件三菱重工爆破事件など数々の捜査に関わりその技術はトップレベルにまで達し塚本は海外でも技術指導をしていた。
そんな彼はいつしか「指紋の神様」と呼ばれるようになっていた。
そんな中第二の3億円事件に新展開。
現場から500メートル離れた銀座6丁目の地下駐車場で…。
逃走車両を発見。
車内には犯人が被っていたヘルメットなど多くの遺留品があった。
だが…。
指紋照合には時間がかかる。
コツコツと粘り強く手作業で事件解決に挑む鑑識課指紋係6名と塚本。
絶対に犯人を突き止める。
塚本には期するものがあった。
その原動力は3億円事件の犯人を逃した悔しさと…。
花形刑事緒方保範との因縁。
2人はかつて同じ派出所に勤めていた先輩と後輩だった。
はい。
寝る間も惜しんで指紋鑑定。
頭が指紋で渦巻いていたがそうして照合した指紋の人数は実に…。
そして…。
ついに決定的な指紋が検出された。
第二の3億円事件の犯人像が浮かび上がった。
それは誰もが予想さえ出来なかった男たちだった。
事件から1年。
指紋の神様塚本が名誉を取り戻す時が来た。
つい最近指紋捜査が大きく注目された事件がある。
19年前東京八王子市のスーパーナンペイで高校生2人を含む女性3人が射殺された事件で女子生徒2人が縛られた粘着テープから犯人のものとみられる指紋の一部が採取されこれが10年ほど前に死亡した日本人の男の指紋とほぼ一致していた事がわかりました。
八王子のスーパーナンペイで女子高生2人を含む3名の女性が惨殺された。
そして今年2月新たな動きが…。
女子高生を縛っていた粘着テープの指紋が…。
一つの指紋が未解決事件の突破口になり被害者とその遺族の無念を晴らす時がやがて来る。
その鍵となるのは手作業での地道な照合作業は現場の刑事たちのように脚光を浴びる事はなかった。
しかし科学的な検出方法の研究を重ね膨大なデータベースと直結する事で捜査における指紋係の重要性が飛躍的に高まった。
そもそも指紋鑑定のきっかけは日本にあった。
今からなんと布教のため来日していたイギリス人ヘンリー・フォールズが大森貝塚の発掘を手伝った際…。
縄文土器の表面に付いていた指紋を見て土器の作者を特定出来るのではと指紋の研究を進めたという。
今でも東京築地にその記念碑はある。
世界の指紋鑑定の始まりがここに記されている。
そして今や世界のトップレベルを誇る日本の指紋鑑定。
その力を世界に知らしめたのが第二の3億円事件。
浮かんできた決定的な指紋。
果たして指紋の神様はいかにして事件を解決に導いたのか?事件の現場となったのは東京銀座の表玄関有楽町。
毎日30万人が通行する交通会館前で第二の3億円事件が起きた。
通勤ラッシュの時間帯だが意外にも人通りがまばらでそれはまるで大都会の死角エアポケットだった。
現金輸送車のスタートは午前8時世田谷の池尻。
銀行の事務センターを出た車は有楽町の支店へ向かう。
ジュラルミンケース7つに現金が現金輸送車は予定通りの時刻に有楽町に到着。
特別な資格は必要ないが皆防護訓練を受けている。
彼らには運搬と警護それぞれ役割がある。
だがこの時1人は銀行へ手続きに行き残った1人だけで現金を下ろそうとした。
その時だった。

(警備員)うわっ!うわあ〜!
(警備員)うわーっ!!催涙スプレーでひるんだ隙に…。
ヘルメットを被った男たちは手際よく現金を奪い現場から逃走。
わずか2〜3分の出来事だった。
奪われたのはジュラルミンケース2つ。
事件から10分捜査員が到着。
聞き込みをするが目撃者は見当たらなかった。
しかし現場からおよそ100メートル。
そば店の従業員が悲鳴を聞いていたという。
証言によると車内にいたのは3人。
うち2人が現金強奪1人はドライバーだった。
ヘルメットの2人は顔は全く見えず…。
誰もが意表を突かれた東京都心で起こった第二の3億円事件。
第一報を受けた警視庁鑑識課指紋係が現場に到着。
リーダーは指紋の神様塚本宇兵。
犯行現場にはまず鑑識課が入る。
目に見えない証拠がのちに決定的なものになる事もある。
事件解決は鑑識の初動捜査にかかっているとも言われている。
鑑識チームの指揮を執りながら自らも指紋を採取する塚本。
そこにはある信念があった。
塚本には苦い思い出があった。
指紋は誰ひとり同じものはない。
同じDNAを持つ双子でも指紋は別のものとなる。
それだけに裁判でも決定的な物的証拠となる。
だが…。
現場に入った捜査官たちが調査のため犯人の遺留品に素手で触っていた。
その結果犯人の指紋が消え代わりに捜査官の指紋が付いてしまったという。
だが当時証拠といえば自白が主なもの。
仕事が出来る刑事というのは供述がとれる刑事だったという。
捜査官のあとから現場に入る鑑識はそれほど重要視されない時代だった。
犯人を取り逃がしたのもそうした慣習のせいだと塚本は思っていた。
それから18年の時を経て再び起きた3億円事件。
緒方保範通称赤鬼。
誰もが認めるスゴ腕刑事だった。
当時18歳の少年と600人の警官隊が渋谷の繁華街で銃撃戦を繰り広げた。
「さながら市街戦です」
(銃声)緒方は肩に銃弾を浴びながらも犯人逮捕に貢献。
名を馳せていた。
緒方と塚本はかつて同じ派出所に勤務していた先輩と後輩。
塚本は茨城の農家の次男。
曲がった事が大嫌いな若者だった。
東京に出たくて新宿御苑の派出所で3年先輩の緒方と知り合った。
若い頃からお互い立派な警視庁の刑事になろうと語り合っていた2人。
緒方は夢を叶えていたが塚本は鑑識に異動となっていた。
(塚本)はい。
因縁に結ばれた2人が犯人を追い詰めていく。
現場から500メートル離れた銀座6丁目の地下駐車場で犯行に使用された白のワゴンを発見。
車中には多くの遺留品が残されていたがジュラルミンケースの防犯カメラが設置されていたが死角になっているエリアから逃走したと思われる。
(緒方)本日午前8時20分…。
警視庁は3億円強奪事件特捜本部を設置。
指揮官は捜査一課の赤鬼緒方保範。
乗り捨てられたワゴンには…。
カメラメーカーのそして毛布が残されていた。
ここで緒方が注目したのはこの4つの中で生活に密着するもの。
それは…。
実はレンタル用のもの。
一見事件とは関係なさそうだがこれが重要な手掛かりとなった。
ついていたタグからリース会社を特定。
同じタイプのものは49枚貸し出されていた事をつかんだ。
調べればすぐにわかりますので少々お待ちください。
捜査員たちは49枚の毛布の貸し出し先を一つずつ潰しにかかった。
だが…。
すでに引っ越して転居先が不明なもの…。
ホテルや企業に貸し出され誰が使っているのかわからないケースが相次ぎ…。
赤鬼緒方率いる一課の一方指紋の神様塚本の鑑識班指紋係は襲われた現金輸送車からおよそ40個の指紋を採取。
そもそもよく見ると指先には紋様を織り成す盛り上がった線がある。
これを隆線という。
実はここから汗が出ている。
つまりこの汗が隆線に沿って分泌し…。
触る事によってハンコのように指紋として残るのだ。
指紋が消えてなくならないのは汗に脂質とタンパク質が含まれているため。
保管状況にもよるが長いもので30年残っていた例もある。
これはウサギなどの毛で作られたはけでアルミニウムの粉をはたく粉末法というやり方。
アルミニウムの粉が汗などの指紋成分に付着。
肉眼で見る事が出来ないさらに逃走に使われたワゴン車からおよそ110個車内にあった駐車券からおよそ40個の指紋を採取。
合わせておよそ200個の指紋の種類を仕分ける作業から始める。
日本人の指紋のパターンは大きく3種類に分けられる。
渦を巻くように広がる渦状紋。
これは日本人の5割を占める。
そして馬の足につける蹄鉄のような紋様が蹄状紋。
これが4割。
残る1割がこちら。
指の中央で紋様が弓なりになっている弓状紋。
果たしてどのように照合していくのか?人の指の指紋には1本でおよそ100もの特徴があるという。
指紋係はこれらの特徴点を照合する。
警視庁では地球の人口から考え本人しかありえないという事になる。
塚本は警視庁の捜査がヒトに聞く捜査からモノに聞く捜査に変わりつつある事を感じていた。
果たして3億円もの大金を持って足取りは有楽町交通会館前から銀座6丁目の駐車場で消えたまま。
11月27日。
今度は赤坂で犯人の新たな遺留品が発見された。
なんと盗まれた現金の一部が捨てられていた。
現場は青山通りに面した豊川稲荷の地下駐車場。
そこに何気なく置かれていたゴミ袋を警備員が発見。
中には犯人たちはかさばる千円札だけを捨てていったと思われた。
犯人は一体何者なのか?そして再び犯人の足取りが途絶えた。
現在8時11分。
3億円強奪の犯行時間です。
出勤の方はまだピークを迎えていませんが多くのサラリーマンが行き来しています。
こうした状況の中で起きたあの事件から7日経ちましたがまだ捜査の方は依然として進展していません。
だが塚本は一筋の光明を見出していた。
実は…。
捨てられていた千円札1万5000枚の中に新札が3000枚あった。
銀行に届けられる前の紙幣。
これに触っているとしたら造幣局の職員か犯人しかないとにらんだ。
塚本は捜査対象をその決断の裏にはかつての3億円事件の経験があった。
1968年かつての府中3億円事件。
犯人の遺留品から採取された指紋は30個。
それら一つ一つを過去の犯罪者の指紋と照合。
その数600万人以上。
当時コンピューターはなく3名の手作業で行っていた。
塚本を含め不眠不休の作業が続いたが…。
時効を迎えた時まだかなりの数の指紋が残っていたという。
同じ過ちは繰り返せない。
今回も現金輸送車や駐車券などからおよそ200もの指紋が採取されていたが…。
塚本は犯人のみが触っている確率が高い新札に絞った。
果たして犯人にたどり着く事は出来るのか?紙幣から指紋を取る場合は液体法といってまず揮発性の高い特殊なインクに浸し…。
紙幣が収まる本などに挟む。
それを濡れたタオルでくるみビニール袋に。
そして本来の使い方とは異なるが電子レンジで乾かす事2分。
これで目に見えなかった指紋が浮かび上がる。
この作業を3000枚行う。
かつては検出液に浸したあと干していたという。
その方法では指紋の有無がわかるまで1週間かかったという。
電子レンジが使われるようになって2分ほどでわかるようになったが…。
気の遠くなるような地道な作業。
だが塚本は…。
3000枚の新札の捜査が完了。
塚本の狙いどおり7個の指紋が浮かび上がった。
うち一つは造幣局職員の指紋と判明。
残る指紋は6つ。
塚本は確信した。
だが…。
塚本の狙いどおり7個の指紋が浮かび上がった。
うち一つは造幣局職員の指紋と判明。
この事件の5年前1981年に導入された自動指紋識別装置を使い過去の犯罪者600万人分のデータと照合。
だが…。
該当者なし。
振り出しに戻った指紋捜査。
その窮地を救ったのは…。
捜査一課の指揮官緒方だった。
東京有楽町で起きた第二の3億円事件。
さあ第二の3億円事件。
宮崎さんどうですか?覚えてます?今なんかもうドラマ見てるみたいでわくわくして見ちゃいました。
この近くのラジオ局でこの1年後ぐらいに僕レギュラー番組もらってデビューする事になるんですけど…。
この頃初めて業界に出来たネットワークがそのラジオ局のディレクターでその人に呼ばれたらすぐ駆けつけられるように…。
そのあともなんか何かある事にレポーターが出たりしてるのよく見てたから…。
まあその指紋指紋って言うけど志尊君さあ…。
指紋ですか?そもそも。
いやなんですかね?えっなんか…なんだろう?なんで指紋ってあるんだろう?なん…。
ないとどうなる?ないと…。
(菊地)これね例えばないとですね僕の頭みたいになったら…。
ちょっとこう…。
(伊集院)じゃあ本とかめくりやすいようになってるんですか?これは。
っていうのは今菊地先生おっしゃったようにグリップしやすいように。
指紋がないとやっぱり手ってツルッと滑ってしまって物がつかみにくい。
1987年8月事件発生から9か月が過ぎたが捜査に進展はなかった。
塚本率いる鑑識課指紋係は新札から採取した6つの指紋と日々捜査員から持ち込まれる容疑者の指紋を地道に照合していた。
指紋の神様塚本はある事が気になっていた。
塚本ですら見慣れていない指紋。
そんな時1人の男が指紋係を訪れた。
捜査一課の指揮官赤鬼緒方保範だった。
一課の人間が鑑識に顔を出す事はほとんどない。
捜査のトップの言葉に塚本は…。
かつて警察の花形は捜査一課で鑑識は目立たない存在だった。
しかしその重要性が次第に認められるようになっていた。
捜査一課に動きが…。
それはあの遺留品の毛布だった。
49枚貸し出されていたが1枚だけ行方がつかめぬものがあった。
都内のどこから貸し出されたか探し出し…。
さらに49枚の毛布の行方をたどっていき1年がかりで48枚の借り主を確認した。
ついに現場は東京麻布のウイークリーマンション。
直ちに捜査員が駆けつけると…。
すでにもぬけの殻だった。
管理人の証言から滞在していた意外な人物が明らかになる!捜査一課の赤鬼緒方が犯人を追い詰める!管理人の証言によれば滞在していたのは外国人だったという。
申し込みの際の国際免許証の写しが残っていた。
国籍は毛布1枚から犯人を追い詰める一課の赤鬼緒方。
一方指紋の神様塚本は…。
塚本の読みも当たっていた。
警視庁がフランスの警察に問い合わせたところ…。
免許証の名前は偽名だった事が判明。
そこで免許証の写真に似た容疑者の指紋を送るようフランス警察に要請。
そして…。
確かな信念を持っていた塚本。
事件から11か月が過ぎた自分の目で確かめずにはいられなかった。
一つの指紋から犯人を追い詰めた塚本。
新札に残されていた指紋とフランス捜査当局から送られてきた浮かんできたのはフィリップ・ジャマンというフランス人。
さらに関与していた男が3人。
彼らはフィリップ・ジャマン率いる実は東京有楽町で3億円が強奪される前フランスで絵画の盗難が相次いでいた。
パリのマルモッタン美術館では推定11億円ともいわれるモネの名作『印象・日の出』など9点が強奪。
こうした歴史的資産といえる名画を犯人たちは日本で密売しようとした。
有楽町3億円事件のあった1986年の日本はバブル景気に沸いていた。
銀座の地価がうなぎのぼりで上がりその頃ジャマンたちも来日。
さらに現金輸送車襲撃を企んだという。
(警備員)うわっ!うわあ〜!果たして盗まれた世界各地で強盗や窃盗を繰り返してきた強盗団にとってピストルを持っていない日本の警備を破る事は簡単な事だった。
そしてその日のうちにシンガポールへ出国したという。
だが…。
2人の日本人警察官が主犯格残る3人も仲間割れを起こしバラバラに。
盗まれた3億円の行方はシンガポール入国以降情報が途絶えている。
そして絵画窃盗事件の専門家フランス警察のバレストラジ警視が来日。
盗まれた作品を引き取りに来た。
さらに…。
日本の指紋採取の技術を賞賛しそして…。
事件を解決した2人が事件後警視庁の廊下で再会した2人は…。
勝負は引き分けですかね?五分と五分だ。
指紋の神様塚本宇兵。
執念の捜査で見事リベンジを果たした。
2015/03/16(月) 19:00〜21:48
ABCテレビ1
トリハダ(秘)スクープ映像100科ジテン 3時間スペシャル[字]

陸海空で大パニック&日本の事件SP
▼東京有楽町で起きた「もうひとつの3億円事件」
▼ハワイ上空で起きた航空パニック
▼ギリシャの観光客を襲った客船事故
ほか

詳細情報
◇番組内容
▼「もうひとつの3億円事件」鑑識課指紋係、執念の捜査
東京都府中市で発生した未解決事件「3億円事件」。
その捜査に加わりながら犯人の指紋を特定できなかった鑑識官がいた。
18年後、東京有楽町で再び現金およそ3億円が強奪された。
リベンジを誓った男の執念の捜査が犯人追い詰める!
◇番組内容2
▼ハワイ上空!バカンスを襲った恐怖の着陸劇
乗客乗員95名を乗せた旅客機の屋根が吹き飛んだ!
吹き荒れる体感温度マイナス40℃の暴風&空中分解寸前の機体。
前代未聞の着陸劇、その結末は!?
▼511名乗りフェリーが沈没!わずか50分で完全沈没
ギリシャで観光客をのせたフェリーが沈没!
わずか50分で沈没!そのありえない原因とは!?
大海原に投げだされた乗客たち…救助の実録映像!
◇出演者
【MC】石原良純、加藤真輝子(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】伊集院光、菊地幸夫、志尊淳、宮崎美子、吉本実憂
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/torihada/

ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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