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 同性愛や性同一性障害など性的少数者への差別解消を目指す超党派の国会議員連盟が17日、国会内で設立総会を開き、自民、民主、維新、公明、共産などの約30人が参加した。内閣や自民党内に伝統的な家族観を重んじる考えが根強いため、議連では「差別解消法」などの制定を目的とせず、時間をかけて理解を広めていく。

 会長に就いた自民党の馳浩・元文部科学副大臣は記者団に「社会生活上の不利益があるか、当事者に聞き取りを重ねることが活動の入り口だ」と語った。12日の議連の役員会では、活動目的として法制化を掲げないことを確認した。

 背景には、同性婚や同性パートナーシップに慎重な意見が強い自民党への配慮がある。谷垣禎一幹事長は記者会見で、東京都渋谷区が検討する同性パートナーに証明書を出す条例について問われ、「伝統的な価値観の中で育ったので、自分の価値観に従って答えていいのか非常に迷う」、稲田朋美政調会長は「憲法や家族のあり方に関わる問題は条例でなく大きな議論をすべきだ」と語った。

 このため、議連幹部は「法律の議論を急ぐと反発を招く」と判断。性的少数者への差別を人権問題と捉えるところから活動を始め、徐々に国会議員の間に浸透させたいとしている。(二階堂友紀)