中国株下落に備えたETFのプット、景気減速懸念で過去最高
2015/03/16 12:15 JST
(ブルームバーグ):投資家は中国株の下落に備えるオプションの購入を急いでいる。他の主要株式市場を上回るパフォーマンスを見せてきた中国株の上昇相場が景気減速で損なわれるとの懸念が広がっているためだ。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、中国本土株に連動する米国籍の上場投資信託(ETF)では最大の「ドイチェXトラッカーズ・ハーベストCSI300中国A株ETF」の将来の損失に対するヘッジ 需要は2013年11月の同ETF創設以来の高水準となった。同ETFのプットオプション(売る権利)建玉は先週、1月の低水準の4倍に相当する過去最高の4万4760枚に増加。コールオプション(買う権利)建玉に対する比率は11日時点で5カ月ぶり高水準に達した。同ETFは2週連続で純流出となり、3400万ドルを失った。
上海総合指数は昨年10月以降に39%上昇したが、プットを買う動きは同指数が上げを維持できるかについて懐疑的見方が投資家の間で強まっていることを示している。中国人民銀行(中央銀行)は2年ぶりの低成長となった経済のてこ入れに向けて4カ月間に2回の利下げを実施し、A株相場の上昇を後押しした。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、チャン・リウ氏(ロンドン在勤)は12日の電話インタビューで上海総合指数について、「ある程度反落するだろう」と指摘。キャピタル・エコノミクスは同指数が15年末までに先週の終値から11%程度下げると予想している。リウ氏は「国内総生産(GDP)成長率が鈍化する見通しに加え、不動産市場は引き続き低調で、過剰生産能力がなお問題となっている」と理由を説明した。
原題:China Slowdown Concern Spurs Record Option Hedges on ETF (1)(抜粋)
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更新日時: 2015/03/16 12:15 JST