ノームコアバンド、スピッツ

去年くらいから「ノームコア」という言葉をよく見聞きする。ここ最近のファッションのトレンドで「究極の普通」みたいなことを指して、normalとhardcoreを掛け合わせた造語らしい。具体的にどんなファッションなのかは検索してください。僕は特にそれを志向しているわけじゃないのだけれど、チャンピオンの無地のスウェットとかリーバイスとかジャックパーセル履いたりしてスゲー普通な格好していることが多いので、なんとなくそれっぽい感じになっている気がしないでもない。

さて、僕は音楽が好きなのでハードコアという言葉を見ると、ハードコアパンクの方を思い浮かべてしまう。テクノはあんまり詳しくないので、ハードコアテクノというのは言葉は知っているけれど、どんな具体的にどんなテクノなのかは知らない。んで、音楽というかロックにおける「ノームコア」ってどんなバンドかなあ、と考えた時に真っ先に思い浮かんだのがスピッツだった。

語弊があるかもしれないけれど、スピッツがやっている音楽って「めっちゃ普通」だと思う。そんで「めっちゃ普通」なんだけれど「めちゃくちゃ良い」。もちろん、細かいところを聴くとすげえややこしいことやっている*1し、歌詞が難解な曲もあったりするのだけれど、基本的な路線は「普通」だと思う。すごく高いレベルで普通の音楽をやっていて、これこそノームコアなんじゃねえかなと、なんとなく思った。

んで、つい先日なんだけれど、スピッツのコピーバンドをやった。というか、それをきっかけにこの記事を書いているんだけれど、コピーのために久しぶりに"ロビンソン"を聴いてちょっとびっくりした。すげえいい曲なのは重々承知していたんだけれど、曲展開が普通すぎてビックリした。Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒サビx2⇒終わり、という普通すぎる展開なのだけれど、それを含めて神がかった曲だなあと思った。


他にも"スパイダー"なんかもやったりしたのだけれど、この曲もむちゃくちゃハイレベルな「普通」だなーと思った。


とはいえ、スピッツにも分かりやすく普通じゃないところはあって、それはボーカルの声と三輪さんのファッション。特に草野さんの声は唯一無二と言っても過言ではない。曲自体も「普通」と言ってもそれは、ものすごい強度を持った普通だと思う。だから、2015年の今でも20年前にリリースされた『ハチミツ』や『空の飛び方』は全く古くなくて、輝きは保ったままだし、多分2020年も2025年もきっとそのままだと思う。普通の曲を普通に表現して残り続ける、ってこれは凄いことだし、それ自体がもう普通じゃないな、と思う。


★★★


ここから余談。僕の好きなスピッツの曲ベスト5。順位はありません。思いついた順。"ロビンソン"と"スパイダー"は好きなのだけれど、もう貼ったので省きます。

けもの道

ライブは結構普通じゃない。歌詞が好き。

青い車

ベタに。

愛のことば

これもこないだコピーした。

春の歌

サビに入った瞬間の多幸感がたまらない。ブレイクが良い仕事している。

これもサビに入った瞬間がヤバすぎる。


なんかシングル曲ばっかだな。まあいいか。

*1:"渚"のベースはヤバい