コンサルティング会社は近年、人気の就職先の一つだ。大手のボストンコンサルティンググループ(東京・千代田)では若いうちからコンサルタントとして、企業や行政機関の課題解決に取り組む。「事実の前にはすべてが平等」との考え方のもと、人に会い、現場に出向いて集めた事実と、議論する力で勝負する。
■納得を得られない提案では駄目
「私が考えるのではなく、相手と一緒に考えることが大事」。汪斯匯さん(28)は最近になってそう気付いたと話す。
大学まで中国で過ごし、東大の大学院を修了。生物学を専攻し、製薬など「製造業の経営に自分の知識を生かしたい」と入社した。顧客の課題に合わせて経営幹部はもちろん、実際に製品を使う医者にインタビューしたり、国内外の専門家に話を聞きに行ったり。1日の半分は人に会い、残りの時間で聞いた話を分析するのが日課だった。
このままでは駄目だと思ったきっかけは、ある会社の組織改革。一つの部署で提案した改革が進み出して、大丈夫だろうと次の部署に移ったら、最初にやっていた部署での改革が止まっていた。部外者があれこれ言い、その場では進めても、ふに落ちていなければ元に戻ってしまう。
一緒に考えて、納得してもらわなければ駄目だと分かった。顧客から「一緒に何かをやろう」と思ってもらえるには何が必要か。最初の数週間で懐に入れるよう、関係作りと勉強に必死だ。
「仕事をした相手から名指しで呼んでもらえると頑張って良かったと思う」。1つのプロジェクトは平均で3~6カ月。そのたびに違う世界を担当するが、刺激的で楽しいと充実感を見せる。
ボストンコンサルティンググループ
米国に本社があり、日本法人の従業員は460人。同じく米国系のマッキンゼー・アンド・カンパニーとともに二大コンサルと呼ばれる。若手は専門分野などを設けず、様々な業種の案件に参加する。経験を積みながら部下の数を増やし、プロジェクト全体を運営するプロジェクト・リーダーなどに進む。一定のスキルを身に付けると転職する社員も多い。
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