亀澤恭平がチームにアツさを注入! ドラゴンズ二遊間のレギュラー争いに参戦
ベースボールチャンネル 3月14日(土)8時0分配信
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中日ドラゴンズの二遊間は荒木雅博と井端弘和だった。しかし井端はチームを去り、荒木もベテランの域に入った。この二つのポジションに早く核となる選手が登場することが待ち望まれている。 |
中日ドラゴンズの二遊間といえば、誰が何と言ってもアライバだった。
荒木雅博と井端弘和。
攻めれば俊足巧打の1、2番コンビとして敵をかく乱。
守っては鉄壁の守備で相手のヒットを何十本、何百本もアウトにしてきた。
あの野村克也でさえアライバには絶賛を惜しまず、その偉業は歌として讃えられたほどだ。二遊間が破れないよ〜♪
落合博満監督時代のドラゴンズ黄金期は、アライバが支えていたと過言ではない。
しかし、時は移り変わる。
現在、ドラゴンズの課題はいろいろあるが、中でもポイントとされているのがセンターライン、特に二遊間である。
現時点でのドラゴンズの二遊間候補をおさらいしてみよう。
荒木雅博 主に二塁
アンダーソン・エルナンデス 主に遊撃
堂上直倫 二塁、遊撃どちらもOK
谷哲也 主に二塁
三ツ俣大樹 主に遊撃
亀澤恭平 主に二塁
石川駿 主に二塁
遠藤一星 主に遊撃
このほかに現在二軍で二遊間を守る溝脇隼人と藤澤拓斗がいる。
森野将彦、福田永将、高橋周平も二遊間を守った経験があるが、可能性は低いだろう。
こうして見るとそれなりに悪くはない布陣だが「帯に短し、襷に長し」とでもいうのか、誰もレギュラー確定までには至っていないのが正直なところである。
今シーズンのキャンプ中に注目されていたのは、石川・遠藤の新人大型二遊間コンビだ。しかし、実戦に入ると石川は打力を発揮するには至らず、遠藤は外野へのコンバートまで検討され始めている。
オープン戦に入ると、実績のあるベテラン荒木が起用されることが増えてきたが、全盛期を知るファンとしてはどうしても物足りなさを感じてしまう。
三球団競合スラッガー・堂上直の覚醒も待っているのだが、現在は腰痛で出遅れている模様。
そんな中、現在アピールしているのが、ソフトバンクの育成から新戦力として入団した亀澤である。
亀澤は1988年生まれの現在26歳。
環太平洋大学では又吉克樹の2年先輩にあたる。
四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズを経て、ソフトバンクに入団。
育成契約ながら、3年目にはウエスタンリーグで106試合に出場した。
選手枠の都合でソフトバンクでは支配下契約されなかったが、育成として再契約しようとしたところ、ドラゴンズが契約したという経緯がある。
売り物は堅実な守備と50メートル5秒8の俊足。
そして何よりも持ち前のガッツだ。
入団会見では「ハングリー精神は誰にも負けない。野獣のような走塁を見てほしい」とブチ上げている。
亀なのに野獣! 野獣走塁!
その言葉に恥じず、練習試合、オープン戦が始まるとチャンスを見るや、果敢な走塁を見せている。
すでに盗塁もいくつも決めており、大島や他の若手選手とともに機動力を活かした新しいドラゴンズ野球の先陣を切っている。
とにかく、どんな状況でも一つでも先の塁を陥れようとヘッドスライディングで突っ込む様は、ひたすらアツイ。
今では一般人の我々でさえ、「ヘッドスライディングはケガが多いのでやめたほうがいい」なんて言いがちだが、亀澤にとってはどこ吹く風だ。
どこかおとなしめの若手選手が多かったドラゴンズだが、こうしたアツさは見ているほうとしても大歓迎である。
99年の優勝の立役者だった関川浩一のようになってほしいと願うファンは、筆者だけではないはずだ。
積極的な走塁は、試合の雰囲気を変えることだってある。
3月8日の楽天戦は途中出場だったが、同じく途中出場のエルナンデスとの「カメナンデス」コンビであっという間に1点をもぎとって見せた。
3月12日のDeNA戦では、代走として途中出場すると、そのままホームを踏み、9回には2アウトから貴重な同点タイムリーを放っている。
こうした勝負強さも頼もしい限りだ。
土壇場でまわってきたチャンスを、なんとなくピンチと捉えてしまうのがドラゴンズの悪いところだった。
「満塁はピンチ、ノーアウト満塁は大ピンチ」というのが典型的な「ドラゴンズあるある」なのだが、これも亀澤にとっては関係ない話だろう。
きっと野獣の目になって、回ってきたチャンスをモノにしようとするはずである。
まさにアイ・オブ・ザ・タイガー亀澤。
堅実な守備と俊足、そしてガッツを兼ね備えた新型内野手・亀澤に大いに期待したいのである。
二塁の定位置を掴み取れ、カメ!
大山くまお
ベースボールチャンネル編集部
最終更新:3月14日(土)8時0分
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