THIS WEEK 週刊文春 掲載記事

「リーガルハイ」もびっくり?
PC遠隔・佐藤弁護士の拝金主義

その涙に同情は集まらない

「悪魔が完全な仮面をかぶっていた」

 保釈中だった片山祐輔被告(32)が、稚拙な自作自演の“真犯人メール”で馬脚を現したPC遠隔操作事件。5月22日、会見で目に涙をためながら発言したのは、主任弁護人の佐藤博史氏である。

 かつて東大ロースクールで佐藤氏の授業を受けた法曹関係者は、こう苦笑する。

「目立ちたがりの佐藤先生らしいなと思いましたよ。今後は情状酌量を求めるだけなのに、あんな会見をする必要があったのか疑問です。授業の様子ですか? 当時はまだ世間の耳目を集める存在ではなかったものの、刑事法の専門家として上から目線で自分の手柄話を披露していました」

 一方、急な手のひら返しに同業者からは厳しい意見が。

「起訴事実を一転して認める方針になったとはいえ、結審していない公判の被告人について、人格を否定するような発言をするのは、弁護士の職業倫理として不適切。懲戒請求ものですよ」(刑事訴訟に詳しい弁護士)

 足利事件で菅家利和さんの無罪を勝ち取るなど“冤罪事件のヒーロー”として名高い佐藤氏だが、単なる人権派弁護士というわけではない。

「社会正義と金銭欲の両立を追い求める稀有な弁護士です。評論家の増田俊男氏が約250億円を集めて金融商品取引法違反の判決を受けた『サンラ・ワールド事件』では、サンラ社の顧問弁護士として計2億円の報酬を受け取っています。その原資は被害者のお金ですが、佐藤氏が反省や謝罪の言葉を口にしたことはありません。また、足利事件では1000万円を持ち出して手弁当で支援したことが美談になっていますが、司法記者に対して自分と菅家さんに5万円ずつ『取材謝礼』を要求して批判されました」(ジャーナリスト・津田哲也氏)

 トラブルも多く、たびたび懲戒請求をかけられている。

「交通事故の依頼業務放置で戒告処分を受けており、つい先日も2件目の戒告処分があったことが判明しています。また、ある裁判の証言者に対して、『事件はカネなり』と話していたことがありますが、彼の本性を表している言葉だと思います」(同前)

 会見では片山被告に「ありのままであれ」と呼びかけた佐藤氏。だが、剥き出しの欲望に世間は辟易している。

「週刊文春」編集部

この記事の掲載号

2014年6月5日号
2014年6月5日号
重大証言 ASKA転落のきっかけは飯島愛 変死と「麻薬性交ビデオ」騒動
2014年5月29日 発売 / 定価400円(税込)
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佐藤 博史片山 祐輔冤罪弁護士

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