【ヒ素耐性人間】3月3日・スウェーデン:天然のヒ素耐性ヒト集団見つかる。アルゼンチン北部の標高4000メートルにある村(San Antonio de los Cobres:上地図)では近郊の火山岩盤からの漏出で地下水にWHOガイドラインの20倍以上のヒ素が含まれている。しかし、村人たちはヒ素中毒症状を示さない。この地で見つかった7000年前のミイラからもヒ素が検出されたことから村人は長年にわたってヒ素に暴露されてきたと考えられる。この村に住む124人の女性のSNP解析を行ったところ、尿中のメチル化ヒ素濃度と相関するSNPをAS3MT遺伝子上に発見した。AS3MT遺伝子はヒ素のメチル化酵素をコードし、ヒ素の無毒化に寄与する。村人の1/4以上がこのSNPをもち、その割合はアルゼンチンの他の地域に住む人と比べて有意に多かった。ただし、現時点ではこのSNPが本当にヒ素耐性に関与してるのかどうかは不明。メカニズムの解明が待たれる。

Carina M Schlebusch, Lucie M Gattepaille, Karin Engstrom, Marie Vahter, Mattias Jakobsson, Karin Broberg. Human Adaptation to Arsenic-Rich Environments. Mol Biol Evol, March 3, 2015; DOI: 10.1093/molbev/msv046