思いつきのメモ帳

2015-03-15

[][][]「慰安婦」問題、1993年3月時点での強制性に関する国会での質疑

一応、資料として。強調部分は引用者が施した。

第126回国会 予算委員会 第7号
平成五年三月二十三日(火曜日)

清水澄子君 ところで、政府は強制を立証する資料がないと表明しておられるわけですけれども、政府が考えられる強制というのはどのような内容でございますか。
政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。
 いろいろな意味合いがあろうかと思いますが、ごく自然に強制ということを受け取りまして、その場合には単に物理的に強制を加えるということのみならず、おどかしてといいますか、畏怖させてこういう方々を本人の自由な意思に反してある種の行為をさせた、そういう場合も広く含むというふうに私どもは考えております。
清水澄子君 まさに例えばだまされた場合があっても、それはもう現地で逃げ出せない状況、やっぱり心、体ともに自由が全く拘束されている、しかもその上に性的に奴隷の状態に置かれるということは、もはやそれ自体が強制だと思います。

 そこで、私は総理に、この韓国挺身隊問題対策協議会が一生懸命その証人たちの証言をもとに挺身隊研究会と共同編集しました「強制的に連行された朝鮮人慰安婦たち」というものを出されました。それを今一冊総理にお渡しいたします。その中に目次と、それから一部だけをちょっとお読みいただけるようにそこに翻訳しておきましたけれども、どうぞ総理、それをお読みいただきたいと思います。そして、その中からどういう状態で強制されたかということを、必ずそれを資料の中にあらわすということをぜひお約束いただきたいと思いますが、いかがですか。
国務大臣宮澤喜一君) わかりました。
 後段に言われたこと、ちょっとよくわかりませんですが、ひとつ読ませていただきます。
清水澄子君 私は、やはり資料だけでこの問題の全体像というのは難しいんじゃないかと思います。
 それで、やはり実際の被害者の体験こそがまさに生きた資料だと思います。そういう意味で、私はこの証言集を調査資料の中にきちんと加え公表をされることを今要望したわけです。
 そこで官房長官、私は、もっと現地に行って、自分たち日本の方が足を運んで元慰安婦の方と直接面接をされ、そしてその聞き取り調査をしなければ、私たちの本当の意味の反省とか誠意をあらわすことができないと思うわけですけれども、ぜひそのことを実行していただきたいのですが、いかがでございますか。
国務大臣河野洋平君) まずは文書を徹底的に調べるということが調査のスタートでございます。大分調査は進んでおりまして、先ほども御客弁を申し上げましたが、相当なところまで文書を探す調査は進んだようにも思います。この文書を探す調査だけでは十分でないという部分もございますから、関係された方々のお話もお聞きをするということを考えております。ただ、その関係された方々をどういう範囲でどういう人たちを選ぶか、考えるかということについては、よく慎重に考えていたしたいと思っておるところでございます。
清水澄子君 実行されるかどうか。
国務大臣河野洋平君) 慎重に今考えているところでございます。
清水澄子君 それはもう新聞に既に実行すると報道されているんですが、どうしてここで約束していただけないんですか。
国務大臣河野洋平君) 御意見としてはよく承っておきたいと思います。
政府委員(谷野作太郎君) 若干補足させていただきますと、先生からそのようなお話はかねてから伺っておるところでございますし、官房長官も恐らくその御要望に沿った措置を考えておられるんだと思いますが、ただ、慎重にと官房長官がおっしゃいますゆえんは、これは私どもだけが決め得る話ではございませんで、相手国政府がございますし、それから当事者の方々の同意といいますかそういうことも必要でございますし、そういった今後の手続を念頭に置いての御答弁だと思います。
清水澄子君 もう予定におありなんだと思うんですけれども、やはりその場合には北朝鮮とかアジア各地にも行かれるかどうかということについてお尋ねします。
国務大臣河野洋平君) 聞き取り調査につきましては、我が国との関係、各地域の事情など考慮すべき点がまだございます。先ほどから申し上げておりますように、十分委員の御意見は承らせていただいて慎重に考えたいと存じます。
清水澄子君 ぜひそれは実行していただきたい。また、それを実行しなければこの問題は解決されていかないと思います。
 次に、政府はよく強制に関する資料がないと言うわけですけれども、岩波で「昭和天皇の終戦史」というのが最近出ました。これを読みましてもはっきり、敗戦のとき、二週間の空白期のときにこれは徹底して文書を燃やしたということをここに書かれています。それが軍からの指令で、そして警察のルートを通じて余りにもたくさん燃やし過ぎて他のものまで燃やしたということが書かれているわけですけれども、こういう資料の隠滅というのは刑法でいう証拠隠滅罪に本来ならなるものだと思います。
 そういう意味で、資料がない、そういうものがないということの中で問題をいろいろ逃げていくのじゃなくて、やはりですからあらゆる人々の言葉、証言を聞いて、そして誠意をあらわすべきだ、こういうことを私は申し上げたいわけですが、もう一度そういう意味で聞き取り調査、それから民間の人たちの協力を得るということをお約束いただきたいと思います。
政府委員(谷野作太郎君) 民間の方の御協力といいますか、先ほども御答弁いたしましたように、既に資料に当たるだけではございませんでいろいろな方々のお話を伺っておるということでございます。それから、聞き取り調査につきましては、先ほど来官房長官の御答弁のとおりでありまして、清水先生の御意見を重いものとして伺っておくということであろうかと思います。
 ただ、あえて申し上げますれば、従軍慰安婦の方々、時々東京に見えます。私自身かなり時間をかけてお会いいたしておりまして、全くこういった方々と私どもの間に接触がない、お話を伺っていないということではございません。

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