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No.3628
2015年3月10日(火)放送
論文不正は止められるのか
~始まった防止への取り組み~
~始まった防止への取り組み~
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出演者
浅島 誠
さん
(日本学術振興会理事)
東京大学の加藤茂明元教授らが執筆した分子生物学の33報の論文に不正があると、去年12月大学が公表した。実験を行う前から、期待する実験結果をあらかじめ作成しておく「仮置き」という作業慣行が、不正の一因となっていたことを報告書は指摘。「ストーリーに合った実験結果を求める姿勢の行き過ぎ」があったとした。STAP細胞問題など相次ぐ論文ねつ造の背景には、インパクトある論文を量産しないと研究費が確保できない研究環境や、研究室の密室性が関わっていると専門家は指摘する。そうした中、国は去年「研究不正防止のガイドライン」を改定。研究者の倫理教育プログラム受講の徹底や、研究生データの保存義務づけなどの新たな対策に乗り出した。画像不正検出ソフトを使い、民間の力で研究不正を洗い出す取り組みも始まっている。崩壊しつつある科学界のモラルを取り戻すには何が必要かを考える。
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2015年3月2日(月)
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去年(2014年)12月、S TAP細胞論文に関する調査結果が公表された同じ日。
東京大学でも、生命科学の分野で重要な会見が行われていました。
国から多額の研究費を受けていたある研究室が、10年以上にわたって不正な論文を発表していたと公表したのです。
東京大学 総長
「不正行為、ねつ造、改ざんが行われた。
誠に遺憾です。」
近年、生命科学の分野で相次ぐ論文の不正。
中でも科学界に大きな衝撃を与えたのが、東京大学・旧加藤研究室から出された論文です。
東京大学が行った調査結果には、この研究室が実験データを不適切に扱い、その結果、33の不正な論文が作られたと指摘しています。
調査関係者
「こういうデータが出るはずだと考えて仮置いたものが、(そのまま)論文に使われていた。」
科学界ではこの10年、倫理綱領やガイドラインを定めて不正防止に取り組んできましたが、その後も問題は後を絶ちません。
専門家
「(研究の)成果を求めてしまうことが、不正の誘惑を生みだしている。」
どうすれば不正をなくし、科学への信頼を取り戻せるのか。
問われる科学。
研究現場からの報告です。
論文不正は止められるのか
- 調査報告書が明かす 論文不正の要因
- あとを絶たない論文不正 信頼は取り戻せるか
- 論文不正 始まった対策 信頼は取り戻せるか
- あとを絶たない論文不正 信頼は取り戻せるか
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2015年3月5日(木)放送
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