九条の会:東京で初討論集会 450人「安保法制は暴走」
毎日新聞 2015年03月15日 20時09分(最終更新 03月15日 20時12分)
護憲派の市民団体「九条の会」が15日、全国各地の会員を集めた初めての討論集会を東京都千代田区で開き、安倍政権が憲法改正を前面に押し出す中、どう活動していくか意見を交わした。参加した約450人は、集団的自衛権行使容認の閣議決定(昨年7月)や、現在進行中の安全保障法制の整備について「憲法9条を根底から覆す暴走」と危機感を募らせた。
戦争放棄を定めた9条の堅持を訴える同会は2004年、作家の大江健三郎さんらの呼びかけで設立。同会によると、理念に賛同する地域や職種ごとの団体は約7500あり、閣議決定撤回などを求める署名の賛同者は延べ9万人を超えた。
集会では、作家の澤地久枝さんが「戦争のできる時代が迫っている。『戦争で得るものは何もない』という経験に学び声を上げ続けたい」、大江さんも「戦争を起こさせないため努力を続けなければならない。政府は期待できない。独自の活動を続ける(約7500の)団体に希望は託されている」と訴えた。
会場からは「若い世代の運動と連携していくべきだ」「草の根から大きな声にしていきたい」などの意見が出た。「九条の会奈良」の岩下美佐子さん(66)=奈良県葛城市=は取材に対し、昨年12月の衆院選で自民党が沖縄県の全4選挙区で敗北したことに触れたうえで「沖縄の今の混乱を見れば、政府が市民の声に真摯(しんし)に耳を傾けていないことが分かる。政治に関心を持ち続けなければ政権は暴走する。おかしいと思ったことは議論を尽くしていきたい」と語った。【山田奈緒】