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【開発ヒストリー】
こんな“エンディングノート”がほしかった…累計販売約50万冊のヒット、コクヨS&T「もしもの時に役立つノート」
人生の終わりに備えて生前から準備を進める「終活」。葬儀や墓の準備、円滑な相続のための計画づくりなどその範囲は広く、「何から手を付けたらよいかがわからない」という人も少なくない。そんな声に応え、スムーズに終活の一歩を踏み出せる手助け役として登場したのがコクヨグループの文具製造販売、コクヨS&T(大阪市東成区)の「もしもの時に役立つノート」だ。
表紙は黄色やだいだい色の暖かい色調
人生の終わりに大切なことを書き留めるエンディングノートは、すでに他社からも出ていたが、厚手の表紙のハードカバーのもの、また表紙が白や淡い青、緑を基調としたものが多く、書こうとしても気がめいりがち。コクヨの製品は「思ったときに気軽に書き始められるようなエンディングノート」(クリエイティブプロダクツ事業部の伊井理恵さん)とのコンセプトで開発された。表紙の色を黄色やだいだい色といった暖かい色調にしたのもそうした理由からだ。
B5判、64ページのノートの巻頭には記入の際にイメージしやすいように、「家族の入院」「親の相続」「日常生活での困りごと」の3つのシーンをテーマにしたまんがを掲載。さらに、エンディングノートでは欠かせない介護、墓、遺言書、相続に関する項目はページの最後の方に配し、前半は記帳者の基本情報や親族表、預貯金の口座、保有する不動産、保険・年金など、調べればすぐに書けそうなものをまとめた。