生産・販売実績のない群小製薬会社
朴大統領の中東歴訪に合わせて医療契約
昨年6月、保健福祉部でムン・ヒョンピョ保健福祉部長官(中央)が参加した中、SPC社との輸液剤工場建設了解覚書(MOU)の締結式でパク・クソJWホールディングス社長(左)とSPC社ヤセル・イブラヒム・アロバイダ社長(右)が握手している。中外製薬提供//ハンギョレ新聞社
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保寧製薬・鍾根堂など韓国の製薬会社は
政府の紹介に依存して実態把握できず
福祉部は「検証は企業の責任」と手を引く 「2000億ウォン(約220億円)台のサウジ医療輸出」と関連して、政府が韓国国内の製薬会社に紹介したサウジアラビアの製薬会社は、医薬品の生産・販売実績が全くない新生・群小製薬会社であることが確認された。 また、政府はこの製薬会社の投資余力や信頼度、営業力に対する基礎的検証さえせずに、韓国の製薬会社の医薬品輸出契約パートナーとして斡旋したことが明らかになった。 製薬分野のサウジ進出のニュースを朴槿恵(パク・クネ)大統領の中東歴訪日程に合せようとして、現地の会社について基礎的な調査さえおろそかにしたのではないかという指摘が出ている。 9日、ハンギョレの取材結果、韓国国内の製薬会社4社と「2000億ウォン台」(政府の主張)の医薬品輸出および製薬工場の建設契約と了解覚書(MOU)を締結したサウジSPC(Sudair Pharmaceutical Company)社は、設立されて1年になったばかりの(2013年末に設立)新生製薬会社であることが分かった。 「2000億ウォン台サウジ医療輸出」に関する政府発表のあった4日、保健福祉部海外医療進出支援課の関係者が「(SPCは)現地製薬会社だが、向こうでは最も大きな会社」と説明したのとは異なり、全世界企業情報網であるコンパス(Kompass)やフーバーズ(Hoovers)にもこの会社名は登録されていない。 もちろん、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の中東部門顧客会社のリストにもない。 サウジアラビアで医薬品を製造・販売した実績も全くない。 その他、SPC社の主要株主構成や人材規模、具体的な財政現況なども全く知られていない。 「2000億ウォン台」の医薬品輸出契約当事者である国内4社も、この会社について正確に知らない。 SPC社と抗がん剤など4品目に関する輸出了解覚書を結んだというある製薬会社関係者は5日、「SPCは一種のペーパーカンパニーで、簡単に言えば一種のプロジェクト名だ」と言ったが、後になって「政府に再度確認してみたら、ペーパーカンパニーではなく実体がある会社だ」と知らせてきた。 また、製薬企業4社のうち、唯一この会社と実契約を結んだBCワールド製薬は、金融監督院にこの会社と結んだ契約内容を公示する際、「SPC」の横に括弧して「Al Osool Medical Co.」と別の会社名を表記した。 政府の説明によれば、その会社はSPCの関係会社であって同じ会社ではない。 また別の製薬会社関係者は「サウジの国営製薬会社だと聞いている」と話した。 SPCは民間企業だ。 SPCについて知られていることは多くないが、この会社と契約を結んだり了解覚書を交わした韓国の製薬会社は概ね「政府が紹介したのだから、大きな問題はないだろう」という態度だ。 鍾根堂(チョングンダン)のキム・ミングォン部長は「政府が仲介したものなので、事業が危険だとは言いにくい」と言う。 中外製薬のユ・ヒョンジュン広報部長も、この会社の信頼度と関連して「基本的に(韓国)政府がついているではないか」と話した。 問題は、国内製薬会社のこのような“期待”とは異なり、政府がSPC社の投資余力や営業力などに対する検証を全くしなかったという事実だ。 果たして、この会社が「2000億ウォン台」の製薬ビジネスを引き受ける能力があるのかどうか、政府も国内製薬会社も分かっていないという意味だ。 保健福祉部海外医療進出支援課のチョン・ウニョン課長は9日「SPCの資本規模や営業力、信頼度などに対する政府レベルの検証が行われたのか」というハンギョレの問いに「韓国の製薬会社をあちらとブリッジ(連結)したことは事実だが、政府レベルで検証した事実はない」と明らかにした。 チョン課長は「該当業者に対する具体的な検証は、契約当事者である個別の製薬会社がするべきことだ」と話した。 チェ・ソンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr ) 韓国語原文入力:2015/03/10 09:22
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/681551.html 訳A.K(1891字)