【ソウル聯合ニュース】韓国政府は、中国が主導して設立する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)の設立メンバーとしての参加するかどうかについて、今月中に結論を下し中国側に伝える見通しだ。韓国政府関係者が15日、明らかにした。ただ、中国の影響力拡大を懸念する米国のけん制のなか、韓国政府がどのような出方をするかは未知数だ。
中国側は韓国がAIIBの設立メンバーとして参加するためには今月末までにその意向を表明するよう求めている。この期限がすぎてもAIIBに参加できる方法が全くないわけではないが、相対的により多くの影響力を行使できる設立メンバーとなるため、韓国政府は今月中に結論を出すという立場だ。
ただ、AIIBへの参加は経済的実益だけでなく米国のけん制の動きも考慮しなければならず、韓国政府は難しい判断を迫られている。
AIIBは中国の習近平国家主席が2013年10月にインドネシア大統領との首脳会談で設立を提唱した。アジアの発展途上国のインフラ建設支援を目標とする。昨年10月、21カ国が設立に基本合意した。
一方、AIIBの設立は、米国主導の世界金融秩序に対する中国の挑戦状の意味も持つ。AIIBが日米主導のアジア開発銀行(ADB)や世界銀行の対抗馬になり得るためだ。
韓国はアジア諸国のうち、建設、技術、資金、経験などインフラ関連分野で優位に立ち、中国からAIIB参加の提案を受けている。習国家主席は昨年の韓中首脳会談で朴槿恵(パク・クネ)大統領に韓国が設立メンバーとして参加することを希望すると正式に提案した。
建設企業の本格的なアジア進出、国際社会での地位向上などAIIB参加を通じてさまざまな利益が得られると期待されるが、同盟関係にある米国がこれらの動きにけん制していることも考慮せざるを得ない。
韓国政府関係者は、簡単に結論を出すのは難しいとした上で「今月末までに関係官庁の意見や周辺国の動向などをみながら決定する」と話している。