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【サッカー】

<目撃者>協会、メディアと共同歩調へ 「辛抱強く見守って」と予防線

2015年3月14日 紙面から

 おそらく想像以上の数だっただろう。242人もの報道陣が集まり生中継もされた約53分間の就任会見。新監督がメディアに向け何度も口にした言葉がある。「時間」、そして「我慢」だ。

 「ジャーナリストの方々にも日本国民のみなさんにもお願いしたいのは、少し時間をいただきたいということ。少しだけ我慢して辛抱強く見ていただきたい」

 日本代表を取材するメディアの数は世界でも有数だ。6月には早くも結果を求められる次回W杯アジア2次予選(日本は1次予選免除)が始まるが、すぐに期待されているような結果を出せなかったときの早計なバッシング回避に向け、強く予防線を張った。

 「みなさんと本当に良い関係、お互いリスペクトした関係を築きたい。うまくいかなければ批判が出るのは当たり前。しかし、そんな状況になったとしても、みなさんとともに戦う」

 “懐柔”する相手は、メディアだけではない。2008年から代表監督を務めたコートジボワールでは、23戦無敗で南アW杯のダークホースとなりながら、直前の1敗を理由に解任された。協会幹部との衝突が背景にあった。ブラジルW杯後に就任したトルコのトラブゾンスポルでも、クラブ会長との「意見の相違」を理由に退任している。

 だからこそ、「大仁会長と2回話したが、彼にも要求した。まずわれわれスタッフがファミリーになることが大事だ。それがグラウンドにも影響を与える」と隣席の会長への公開“念押し”も忘れなかった。

 新監督の第一印象は、頑固一徹、職人かたぎといった予備知識とはやや違っていた。周囲を味方に付けなければ目的を達成できないと、重々承知しているからだろう。

 「コンニチワ」で始まった会見は「最後に一つ日本語で言いたい。アリガトウ」で終わった。3年後、逆に日本人から感謝を伝える日が来ることを願い、指揮官と、彼を取り巻く人間模様を注視し続けたい。 (宮崎厚志)

 

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