毎度の本からの模写。
筑摩書房・新ちくま文学の森15に、竹久夢二の「あやとりかけとり」、辻まこと「虫類図鑑」
など30編程の作品抜粋が載っている。
その中から、アメリカ・インディアンの部族のひとつの文字を持たないチッペワ族の
口承で伝えられる歌(訳)と白樺の樹皮に記録された絵の「歌と歌絵」の模写。
(手書きの文字が読みづらといういうことで歌を活字で追加した:1月24)

歌と歌絵1
狩の歌1
大地のどまんなか これはおれの棍棒だ振りまわすと
おれはそこから生まれたのだ 空がブーン ブーンと鳴る
けものたちよおれが 呼んだらくるんだぞ
狩の歌2 湖面がしずかで こんどおれも姿を現そう
ただ霧が流れ込んでくるようなとき てんの毛皮を着て
おれはちょくちょく姿を見せる 世界じゅうを どこまでも
水が流れいる
その音が
おれの家に向かってくる
歌と歌絵2
狩の歌3 頭の皮を剥ぐときの踊り
星のように輝きながら 空にいる人間どもは
おれの出す光線が きっとおれのことを妬くだろうな
けものたちの眼を眩ます おれがこの頭皮をもって踊るのを見たら
愛の歌 カニのまじない袋の歌
あなたはわたしになにかいった? どんなカニ男とも おんなじぐらい上手に
わたしは薔薇のように着飾っている おれはそいつがつかえるんだよ
ほら こんなにきれいに
成功した男の歌 火のお守りの歌
おれは自分で 炎がおれのからだの高さぐらい
自分を試練にかける 噴き上がっている
歌と歌絵3:
飢えの歌
おまえたちのなかのだれが 音が消えてゆく
おれのからだを 取るんだい? 五つぐらいのちがった音らしい
あそこで おまじないを作ってる 自由
ばあさんに気をつけろよ 五つぐらいのちがった音らしい
こんなことぐらい はじめから分かっていたはずなんだけど――
水鳥のやろうどもがやってきて おれのからだじゅうにとまりやがる
右下は 「朝から晩までスケッチ遊び」という真似(笑)
- 関連記事