注 目 欧州サッカー速報   プロ野球オープン戦結果(14日)   J1試合結果(14日)

「逮捕されると食べられなくなるから」暴行直後にラーメンセット注文

2015年3月14日6時0分  スポーツ報知

 昨年9月に、都内のラーメン店で座席を巡ってトラブルになった男性客(当時49歳)の腹部を踏みつけるなどして死亡させたとして傷害致死罪に問われた東京都足立区の元会社員・今西伸一郎被告(38)の裁判員裁判初公判が13日、東京地裁(園原敏彦裁判長)で開かれた。暴行後、逮捕直前まで店で食事をしていた被告は、「逮捕されると、ちゃんとしたものが食べられなくなると思った」と、理由を述べた。

 「このまま警察に捕まると、多分、ちゃんとしたものが食べられないので、ラーメンセットを頼んだ」―。逮捕時の調べでは、店員に「刑務所に行くので最後の晩さんだ」と、口にしたとされる今西被告。暴行後にみそラーメンと半チャーハンのセットを注文し、救命措置などを取らず食事をした理由について、法廷で説明した。

 検察側の冒頭陳述などによると、今西被告は昨年9月27日午前0時ごろ、東京都北区JR田端駅近くのラーメン店に入店。座席を巡って後から来た男性客とトラブルになり、襟首をつかんで床に倒した上、頭部や腹部をアウトドア用ブーツで蹴ったり、踏みつけたりの暴行を加え、死亡させた。検察側は「(被告は)体重120キロと大柄で、一方的で激しい暴行」「ささいなことで激高し、短絡的な犯行で被害者は死亡した」と指摘した。

 事件当日は仕事を終え、居酒屋やフィリピンパブで飲酒してからラーメン店に入店。ギョーザと酎ハイを飲み、トラブルとなり、暴行に至った。倒れていた相手を介抱しようと首に手を添えるなどしたが、周囲の客から「動かさない方が良い」と言われ、座席に戻ったという。今西被告は身長175センチ、120キロと巨体で高校時代はラグビー部にも所属したが「つまらなくなって」すぐに辞め、中退。一方、被害者は162センチ、体重88キロだったという。

 「自分は終わった。刑務所に行くことになると思い(倒れた被害者の近くで)食事を続けた。警察が来てバタバタすると思い、会計を済ませた」と当時を振り返った被告。「ささいなことで言い争いになり、手を出して結果的に男性は亡くなった。最悪なことになり後悔してます」と述べ、傍聴席にいた家族に目をやって、号泣する場面もあった。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
社会
報知ブログ(最新更新分)一覧へ