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北陸の持続的成長のばねに

2015/3/14付
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 北陸新幹線が14日、金沢まで開業する。1973年に整備計画が決定して以降、40年越しで北陸まで新幹線が延びる。開業効果を北陸の持続的な成長につなげる取り組みが欠かせない。

 石川、富山、福井の北陸3県はもともと観光資源が豊富な地域だ。東京からぐっと近くなるのだから、観光面の効果は大きい。

 日本政策投資銀行は首都圏から石川県への入り込み客だけでも3割程度増えると試算している。金沢駅周辺などではすでに開業をにらんだ再開発が活発だ。

 一方、海外からみた場合、北陸の存在感は小さい。3県への外国人の延べ宿泊者数は2013年で50万人弱と全国の1.5%程度にすぎない。官民が協力して様々な広域観光ルートを整え、国内外から繰り返し訪れてもらえる地域に生まれ変わらないといけない。

 北陸経済の足腰の強化につなげられるかも課題だ。富山県黒部市に東京から本社機能の一部を移すYKKのような企業はまだ少ない。各県ともに企業誘致に取り組む好機である。災害が比較的少ない、電力や水が豊富などといった利点をもっと訴えたい。

 医薬品から繊維、伝統工芸まで地元の様々な企業群の潜在力を引き出すことも重要だ。大学などとも協力して、セーレンや津田駒工業のような北陸から世界を目指す企業をもっと輩出したい。

 法政大学が11年に実施した40指標から算出した幸福度ランキングをみると、福井、富山、石川が全国の上位3位を独占した。暮らしやすい地域である北陸が近くなるのだから、人材を誘致する面でも期待できるだろう。

 今回の新幹線開業は、これまで関西との関わりが深かった北陸が首都圏の経済圏に組み込まれることを意味する。北陸の消費者が東京に吸い寄せられやすくなるともいえる。それだけにここ数年の取り組みが北陸の将来を左右する。

 開業効果を一過性のブームに終わらせないように、官民が協力して北陸の魅力を発信し続けたい。

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