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【武蔵映像公開】
久しぶりの武蔵「静かに眠らせて」 元砲術士の93歳 「船内に多くの人」と涙も
「武蔵は静かに眠らせてあげて」。フィリピン中部シブヤン海に沈んだ旧日本海軍の戦艦武蔵とみられる船体の中継映像を見た武蔵の元砲術士、原口静彦さん(93)=長崎県南島原市=は13日、「久しぶりにお会いした」と感激した様子で話した。
原口さんは、中継が始まる前から落ち着かないそぶりを見せ、海底の船体が姿を見せると、食い入るように画面を見つめた。当時の記憶は鮮明で、映像を見ながら「これはスクリュー、これは大砲」などと説明。「武蔵はあまりに広く、慣れるのが大変だった。艦内で迷子になる人も多かった」と振り返った。
さびに覆われた船体を見て「大変な変わりようだ。変わり果てた姿は見たくなかった。船内にはまだ、多くの人がいるだろう。引き揚げてもらいたくない」と涙ぐんだ。