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【東日本大震災4年】
「われわれは加害者」東電社長…汚染雨水の流出問題で再び地元の「不信の目」
廃炉に向けた作業が続く東京電力福島第1原発では11日、免震重要棟で東電の広瀬直己社長が約100人の社員らを前に「われわれは加害者で、加害者と被害者の立場はなかなか超えられない。長く大変な道のりだがきっとやっていけると確信している」と訴えた。
ただ、2月には、汚染された雨水が排水路を通じて外洋に流出していたことを9カ月間公表していなかった問題が発覚。再び不信の目が注がれており、最長40年かかるとされる廃炉の進展に大きく影響している。電気料金の値上げや大幅なコスト削減で業績は持ち直しているものの、地元との関係の再構築に一からの出直しが求められている。
汚染雨水の外洋流出問題では、漁業関係者が大激怒。広瀬社長はこの問題にも触れ、「漁業関係者がどういう思いか、もう少し寄り添えていたら違う対応ができた」と悔やんだ。
昨年末には、リスクの大きかった4号機の燃料貯蔵プールから燃料の取り出しが無事に完了するなど、廃炉作業は一歩ずつ進んでいる。しかし、汚染水に悩まされる状況は変わっておらず、タンクにためる汚染水はこの1年間で15万トンも増えた。タンクは2日に1個のペースで増設しているが敷地内のスペースは限界に近づいている。