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 福井県勝山市は赤とんぼの生態調査や生息できる環境を保全するプロジェクトを2011年から進めている。当初から関わってきたのが前園泰徳容疑者だった。担当者は「勝山市の環境、生態の希少性について、必要な時に助言をもらっていた。今後の環境教育の普及にも期待していた」と話した。別の市職員も「子どもたちに優しく、時に厳しく、情熱を持って環境教育をしていた。温厚な良い人だった」と話した。

 勝山市立村岡小学校では昨年、前園容疑者から赤とんぼの生態調査の手法について助言を受け、児童たちが標識をつけたアキアカネが高山域と低地を移動していることを確認。学校を挙げて環境教育に力を入れていた。黒田真生校長は前園容疑者について「信頼を寄せていただけに非常にショック。今は何も考えられない」と話した。

 菅原さんは、前園容疑者の環境教育の現場や講演に常に付き添い、手伝っていた。県内の環境保全活動の場で2人と何度も顔を合わせた女性は「前園さんは研究一筋で、生物に関する説明も上手だった。仕事も順調に見えたし、勝山市や福井県から頼りにされていた。菅原さんは、昨年の研究発表の場で前園さんの手伝いをしているのを見かけた。若くて、とてもかわいい子だった」と驚いた様子だった。

 2人を知る市教委の関係者も「菅原さんは昨年春から勝山市に来てくれて、子どもたちにも『先生』『お姉ちゃん』と慕われていた。何があったのか……」と声を詰まらせた。