免震のこと知っていますか?
地震に対する建物の構造に、「耐震」「制震」「免震」の3つのタイプがあります。東洋ゴムは、その中でも免震構造のメリットに着目し、ゴムの技術を活かした免震装置の開発に取り組んできました。
耐震構造 | 地震の揺れを直接受けてしまい、高層部になるほど揺れは激しく、建物の内部も大きな被害を受けてしまいます。 |
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免震構造 | 激しい揺れを免震装置がゆるやかな揺れに変え、建物内部の被害も抑えます。 低層部も高層部も同じ動きで、揺れの時間も短縮します。 |
免震力=東洋ゴム。
タイヤづくりのノウハウを活かした免震技術。
東洋ゴムの「高減衰積層ゴム」は世界的にも大変高い水準の品質を誇っています。優れた免震力は、優れたゴムの開発から生まれるのです。
免震積層ゴムの構造
薄いゴム層と鋼板を交互に重ねた特殊な構造により、鉛直方向に建物の荷重を支えつつ、地震時には水平方向への大きな変形に耐えることができます。
- 揺れを長周期化し、滑らかな動きに
- 建物の荷重にも耐える強固な特性
- 一体成型技術による安定した仕上がり
明石工場だからできた、 免震積層ゴム。
品質の高さは、繰り返される性能テストから。
兵庫県の明石工場には、国内でも最高水準を誇る大型試験機があります。研究・開発から製造にいたるまで一貫体制を整え、常に質の高い製品を生み出しています。
荷重の大きなビルなどから受ける鉛直方向の力と、巨大地震が発生した時にかかる水平方向の力にどこまで耐えられるか。その試行錯誤から蓄積される膨大なデータが製品の品質向上に活かされています。
品質を守る、世界最大級の26MN横剛性試験機
明石工場では、最大直径が1,5mの実大製品を性能テストできる世界最大級の横剛性試験機が稼働。製品づくりに重要な役割を担っています。
建物の用途に合わせた免震技術。
進化を続ける東洋ゴムの免震技術は、「基礎免震」の技術をもとに、
「柱頭免震」や「中間層免震」など、建物のデザインや用途に合わせた施工が可能です。-
建物の最下部に免震積層ゴムを施し、地盤と建物とを絶縁します。最も普及している基本タイプで、低層から高層までの幅広い建物に適用できます。
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免震層をピロティ方式とし、柱の上部に免震積層ゴムを設置することで、駐車場や開口部の大きな店舗など、多目的な用途に利用できます。
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建物の途中階に免震層を設置。下層階は耐震や制震構造とし店舗などに利用、免震構造の上層階は共同住宅にするなど、異なる用途をもつ建物に適しています。
「免震構造」導入=「減災」対策。
― 3.11で経験した「想定外」を教訓に ―
2011年3月11日、東北地方を中心に東日本を襲った大震災。その後、社会で「減災」という考え方が注目され始めました。「減災」はあのときの「想定外」を教訓に、突然の災害に対し事前に防災対策を施そうという取り組みです。
「免震構造」は、地震災害から建物の中のヒトを守り、モノを守ります。
「免震構造」の導入は、「被害を回避するための投資」といえます。
東洋ゴムの「減災」啓発。
3.11東日本大震災で私たちの3つの拠点が被災しましたが、地域の皆さまと共に乗り越えることができました。被災経験企業として、また地震災害から建物内のヒト・モノを守る免震事業を行なう企業として、私たちは「感謝」と「災害への備えを意識づけたい」という気持ちを込めて、これからも「減災」啓発を積極的に展開してまいります。
減災ポケット『結』
災害が発生したらどう行動するか、日頃から何を注意しておくかなど、災害が起こる前に考え、備えるためのアイデアがたくさん詰まっています。