2009年9月から12月にかけて、習志野市主催の市民講座「習志野市民環境大学」(全7回)が行われました。この講座は、市民一人ひとりが環境について主体的に学び、考える場を提供することで、豊かな地域、素晴らしい地球を将来の世代へ継承できるような社会を創り出せる人材を育成することを目的に習志野市が東邦大学・日本大学生産工学部・千葉工業大学の3大学と連携し行われたものです。東邦大学からは本学科の風呂田利夫 教授(第7回)・前園泰徳 非常勤講師(第1回)、生物学科の長谷川雅美 教授(第3回)が講師を担当しました。
習志野市民環境大学 実施報告
『環境教育が持続可能な社会を創る!』
9月26日、「習志野市民環境大学」開校式が行われた後、第1回講座が行われました。奄美大島龍郷町環境教育推進指導員で本学科非常勤講師を務める前園泰徳 氏が『環境教育が持続可能な社会を創る!』と題し、講演を行いました。環境問題が深刻化するなか、持続可能な社会を形成するうえで、社会形成の担い手の育成は必須で、その育成において最も重要なのが環境教育であるといいます。しかし、その現状は極めて不十分であると前園氏は指摘しました。前園氏がこれまで実践してきた経験をもとに環境教育の現状に足りないことや問題点を挙げ、その解決に向けての提案、さらには今後人類に必要なことを環境教育の視点から述べられました。特に、学位を取得しているなどといった専門知識や論理的思考能力の訓練を受けた人材が環境教育に関わる必要性を唱えているのが印象的でした。
前園泰徳 非常勤講師 |
『ラムサール条約登録湿地「谷津干潟」の環境保全への取組みと社会創り』
12月19日 最終回である第7回の講座において、本学科教授の風呂田利夫 氏が『ラムサール条約登録湿地「谷津干潟」の環境保全への取組みと社会創り』と題し、講演を行いました。三番瀬や谷津干潟など東京湾の干潟の現状について、そこに生息する生物相と環境との関係、外来種の生息状況などを紹介し、人間生活と干潟生態系の共生について述べられました。
風呂田利夫 教授 |