体幹トレーニングは一流のスポーツ選手などが取り入れるなどメディアでの話題に事欠かない最近のフィットネスの流行り言葉の一つと言えます。
ネット上で最近よく見かける体幹トレーニングの一つプランク(上図)を取ってみても「驚くほどお腹がへこむ」、「1日10秒でOK!」、「運動不足を解消」など少し行き過ぎた煽りを見かけることもしばしば…。
「体幹トレーニングだけ実践していれば完璧!」、「ダイエットにも効果的!!」と誤解してしまいそうなものも多々見かけます。
(まったく効果が無いとは言えませんが…。)
本記事では「そもそもの体幹の定義」から「痩せるのか?」といった体幹トレーニングの基礎知識から、実践編としての具体的なやり方までを一挙ご紹介いたします。
<体幹トレーニング理論編>
<体幹トレーニング実践編>
1-1:そもそもの体幹ってどこ??
体幹と聞いた時にお腹周辺の筋肉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
「体幹」という言葉が指す意味としては辞書を参考にしてみましょう。
体の主要部分。胴体のこと。また、その部分にある筋肉。
引用:goo辞書
脊椎動物の体のうち,体肢を除いた部分。体幹はさらに頭部,頸部,胸部,腹部,骨盤部,尾部に区分される。
引用:コトバンク(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説)
一言で言ってしまえば「手足を除いた胴体とその筋肉」を指します。
意外に広い範囲を指す言葉だと思いませんか?
解剖学や運動学的な視点でも「体幹」が指す箇所は若干異なります。
狭義のトレーニング用語としての「体幹」が指す箇所は肩(肩甲帯)から股関節周辺(脚の付け根)までを指すと言えます。
1-2:では体幹トレーニングのメリットとは?
- ・ケガをしにくいトレーニングが出来る。
- ・自宅など省スペースで行える。
- ・体幹の安定により日常の動作が楽になる。
- ・姿勢の改善。
- ・腰痛などの体の痛みを未然に防ぐ。
- ・運動パフォーマンスの向上。
その他には腹部のインナーマッスルを強化することで腹圧が上がり、いわゆるポッコリお腹の改善にも役立ちます。
<体幹トレーニングのデメリット>
- ・筋肥大には向いていない。
- ・基礎代謝の向上によるカロリー消費はわずか。
体幹トレーニングのメリットは沢山ありますが、過大に効果にフォーカスされ過ぎているのが現状と言えます。
競技のパフォーマンス向上で行う際、ダイエットや健康目的で行う際など、対象となる方別で行うべきメニューも注意点も異なります。
次からの項目で「競技のパフォーマンス向上の目的」と「ダイエット・健康維持目的」で体幹トレーニングを活用する際のポイントなどをご紹介します。
1-3:体幹トレーニングは万能ではない
プランクなどに代表される体幹トレーニングの方法は筋肉を固めるトレーニング方法です。
一定の姿勢を保ち、動作を止めることで自重(じじゅう)を活かしたトレーニング方法は手軽に始めることができますが、筋肉を効率よく発達させる目的や脂肪の燃焼効果を期待してのトレーニングとしては不向きです。
また、この「筋肉を固める」というトレーニング方法自体、運動パフォーマンスの向上には欠かせない要素の一つではあります。
ですが、あくまで1要素です。
例えばサッカーのボール蹴るという動作は脚を踏み込むという固定する動きと、振り出すという動きの連続で構成されています。
では体幹トレーニングを取り入れて競技パフォーマンスを向上させるためにはどのような手法が良いのでしょうか?
当サイトに記事提供をしていただいている認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストの株式会社コアアンドコードの早稲田さんの別サイトでの記事を引用させていただきます。
1.体幹の中心部である腹部の深層筋を意識させるためのパーツ単体での体幹トレーニングは有効だと思います。(ドローインやプランクなど)
[~中略~]2.体幹を安定させた状態で四肢が連動できるための体幹トレーニング。
[~中略~]5.実際の相手を想定した競技特性に近い動作や競技そのままの動作による体幹トレーニング。
引用:STROOPS Japan >体幹を鍛えるには・・・。
体幹トレーニングの実践で話題となっているプロスポーツ選手たちも体幹トレーニングだけを行なっているわけではありません。
それぞれのスポーツには競技特性があり、そのパフォーマンスを向上させることにフォーカスするならば、体幹トレーニングをどのように競技へ活かすのかを考えながら組み立てることが必要かと思います。もっと細分化するならば、ポジションごとにレベルアッププログラムを変える必要性もある
引用:STROOPS Japan >体幹を鍛える – STROOPSを私自身がここまで薦める理由(その1)
本格的な競技パフォーマンスの向上目的での体幹トレーニングの導入には、トレーナーのアドバイスが必須だと言えます。
本記事でも後半では実践編として具体的なやり方をご紹介します。
トレーニング前や競技前に筋肉への意識を向ける目的での活用であれば、画一的なトレーニングメニューであっても効果は得られやすいです。
書籍やネットで手に入る体幹トレーニングの方法などはあくまで自宅などで補助的に行う方法の一つとして実践をしてみてください。
1-4:体幹トレーニングはダイエットになる??
女性が一番に気になる事としては何と言っても「ダイエット」や「痩身」ではないでしょうか?
雑誌などでもダイエット目的で行う体幹トレーニングのメニューや女性向けの体幹トレーニングの書籍なども最近では見かけます。
本章ではダイエットと体幹トレーニングの関係についてご紹介します。
<体幹トレーニングとダイエットの関係>
- 1:脂肪を減らす効果は低い
- 2:姿勢を整える効果(美しいスタイルに)
- 3:腹部の引き締め効果
それぞれを詳しく解説します。
1:まず大前提として体幹トレーニングによる脂肪を減らす効果は低いです。
これは体幹部の筋肉自体が筋肥大しにくい筋肉で、鍛えても基礎代謝の向上とはイコールでない点が挙げられます。
(運動による基礎代謝の向上への寄与自体がそもそも低いとも言えます。)
2:デスクワークが長い方や慢性的な運動不足などは筋肉の強弱をもたらし、正しい姿勢を保てなくなります。
姿勢を保てなくなることで骨盤のゆがみや前傾姿勢、猫背など、どうしてもスタイルが悪く見えてしまう傾向があります。
体幹トレーニングにより、衰えがちな筋肉を鍛えることで、姿勢が整い、実体重やBMI以上にスタイルをよく見せる事ができる効果は期待できます。
3:腹部のインナーマッスルの筋力低下は、内蔵を正しい位置に保てなくなり、いわゆるポッコリお腹の原因となります。
ドローイングなどを初めとした体幹部の筋肉を刺激することで引き締める効果が期待できます。
以上の1~3をまとめると、体幹トレーニングは『ダイエットというよりも、美しいスタイル作りに役立つ』という認識で実践したほうが期待ハズレに終わらないと言えるでしょう。
(体幹トレーニングで痩せる。という表現自体、ウソでは無いと思いますが、誇大だと言うのが個人的な感想です。)
もちろん、運動習慣のきっかけとしての体幹トレーニングの実践は、基礎的な筋力を向上させ、運動時の怪我予防などにも役立ちますので、実践自体はぜひオススメしたいです。
当サイトでは様々なエクササイズ方法やダイエットに効果的な食事方法などを複数ご紹介していますが、健康的なダイエットを実現するためには「持続可能なライフスタイルの変化」が近道であると定義しています。
体幹トレーニングをダイエット目的で始めることも決して間違いではありませんので、『体幹トレーニング+ウォーキング』、『体幹トレーニング+炭水化物を少し減らす食生活』、などを実践することで少しずつ日々の生活に変化をもたらしてみましょう。
2-1:体幹トレーニングのやり方
だいぶ前置きが長くなってしまいました。
当サイトでは過去に30記事以上の体幹トレーニングに関する記事をご紹介してきました。
今回はその総まとめとしてやり方をご紹介します。
「お腹」、「背中」など部位を中心とした区分けでご紹介しますが、決してその部位だけに効果的なトレーニング方法という訳ではありません。
本記事での解説は少なめに、詳細なやり方や注意点などは、それぞれの記事をご覧ください。
2-2:お腹周辺の体幹トレーニング
お腹周辺は男女にかかわらず気になるダイエットしたい箇所の一つ。
腹部周辺の筋力の衰により、内蔵を支える力が弱くなり、ポッコリお腹の原因となります。
(もちろん、皮下脂肪も原因の一つではあります…。)
お肉はあまりつまめないのにお腹が出てしまう、食後や便秘でポッコリ出てしまうという方はドローインでお腹周辺のインナーマッスルの強化がオススメです。
腹部に力を入れて意識するだけでもいいのですが、ここでは足上げドローインをご紹介します。
◇足上げドローイン
足上げドローインに物足らなさを感じる方は以下も行なってましょう。!
◇タッチ・ニー&エルボー
1:仰向けでドローインを行なった状態で両手足を持ち上げる
2:両膝と両肘をタッチさせる
1と2の動作を5~10回を1セット、2~3セット目標で行いましょう。
このエクササイズの更に詳しいやり方とインナーマッスルの強化方法については以下を参考にしてみてください。
女性でも簡単!ダイエットに効果的なインナーマッスルの鍛え方って?
お腹周りの筋トレはこちらもどうぞ!
外腹斜筋を強化するサイドベントで体幹トレーニング
腹直筋を鍛えるヒップレイズで体幹トレーニング
◇サイドプランク
体幹トレーニングの中でもメジャーなサイドプランクも腹横筋や腹斜筋などのお腹周りのトレーニングに役立ちます。
ポイントは骨盤をしっかりと持ち上げ、足先から胸元までが一直線になるようにしましょう。
一直線にならないと腰への負担が大きくなります。
(一直線にならない方はその他のトレーニングで体を慣らしてから徐々に行うようにしましょう)
2-3:腰・お尻周辺の体幹トレーニング
腰周辺の筋肉はもちろんのこと、お尻周辺の筋肉の疲労は腰痛と深い関わりがあります。
ストレッチやマッサージなどでほぐすことも大切ですが、根本解決には姿勢の改善など筋力強化も欠かせない要素です。
デスクワークが長時間に渡る方など座る機会の多い方は特に鍛えておきたい腰、お尻周辺を刺激する体幹トレーニングの方法をご紹介します。
◇腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)を鍛えるトレーニング
腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)を鍛える筋トレ体幹トレーニング
腰方形筋のストレッチと体幹部を鍛えるトレーニング方法
◇ヒップリフトでお尻周辺の筋トレ
肩甲骨を支点に、太ももとお腹の筋肉を使い、肩から膝までが一直線になるように骨盤を浮かします。
10秒ほどを目標に2~3セット行なってみてください。
ヒップリフトは骨盤底筋も同時に鍛えることができ、腰痛の緩和や重い生理痛の緩和、便秘の改善など女性に嬉しい効果の期待できるエクササイズです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
骨盤底筋を鍛えるひめトレ体操でお手軽ヒップアップ!
以下の記事ではヒップリフトから脚を上げることで太ももの前部なども同時に鍛えることの出来るシングルレッグブリッジ&アブダクションも紹介しています。
大臀筋(大殿筋)を鍛える筋トレで垂れ尻解消する体幹部のエクササイズ
2-4:背中や肩の体幹トレーニング
背中側の筋肉は上半身の安定と深く関わり、一般の方でも姿勢悪化などは肩こりの原因などにも繋がる部位です。
こちらのエクササイズは脊柱起立筋を始め、後背筋・僧帽筋、太もも裏(ハムストリングス)、ふくらはぎ裏(腓腹筋)など広範囲の背中側のトレーニングが可能な体幹トレーニングの方法です。
辛いと感じる方は以下の方が少し負荷の少ないトレーニングが可能です。
◇アームレッグレイズ
対角線上の両手足を地面と出来るだけ平行に10秒ほど持ち上げます。
◇フロントブリッジ(プランク)
プランクもメジャーな体幹トレーニングの一つではないでしょうか?
脊柱起立筋・大殿筋の他、太もも、腹筋、肩甲骨などを鍛えることが出来ます。
プランクも姿勢がとても大切で、腰が落ちてしまうと怪我の元です。
もししっかりとキープが出来ない場合は以下の膝付きプランクから実践しましょう。
詳しいやり方と更にステップアップした中〜上級者向けのプランクの実践方法の記事は以下を参考にしてみてください。
以上です。
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