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パワハラ教育長突然辞任 トップダウン方式裏目で多くの〝後遺症〟も
職員らへの発言が「パワーハラスメント」と認定された騒動の責任を取る形で12日、中原徹教育長(44)が辞任した大阪府教委。中原氏主導で英語教育の推進や高校入試改革などを矢継ぎ早に進めてきたが、任期を2年残し突然のトップ不在となった。松井一郎知事は後任の人選を急ぐ方針だが、野党会派が過半数を握る府議会では同意を得ることは難しく、空白期間は長引く可能性がある。中原色の強い施策が将来的にどこまで残るかは不透明だ。
教育長が不在の間は橋本正司教育次長が職務代理を務める。今後の焦点は次の教育長の人選と就任時期だ。任命権を持つ松井知事は、後任の条件として「今やっている教育改革をやり遂げられるかどうか」を第一に挙げ、「中原氏は児童・生徒の将来にプラスになる教育改革を実現しようとした。ここでやめて中途半端なものにはしたくはない」と強調した。
新年度からの新教育委員会制度では、事務方トップという位置づけだった教育長に教育委員長の権限も付され、名実ともに教育行政のトップとしての強い権限が与えられる。
ただ、いずれにせよ就任には議会の同意が必要で、提案次第では野党会派の反発は必至。実際、昨年10月に退任した教育委員の後任人事もまだ決まっていない。