神戸新聞
クリップは5ミリ前後の大きさで、多いときは一度の手術で30~40個を使用する。従来のチタン製クリップは体内に残り続け、通常は害がないものの臓器に入り込むと別の病気を引き起こす可能性がある。またコンピューター断層撮影(CT)ではクリップ周囲の組織が鮮明に映らないという問題点があった。
研究チームは体内の水で溶けやすく、かつ安全性が高いマグネシウムに着目した。カルシウムや亜鉛を混ぜてつくることで締め付け能力の高いクリップの開発に成功。マウスを使った実験では、約3カ月後には溶けて半分程度まで小さくなり、1年以内にはすべてなくなるとみられる。
工学研究科の向井敏司教授は「クリップは一般的な器具で、実用化されれば大きな貢献となる」と話している。
参考:神戸新聞