岩崎生之助、泗水康信、山岸一生
2015年3月13日18時11分
沖縄・辺野古の海で米軍基地移設のためのボーリング調査が再開された。最近の選挙で示された「移設ノー」の民意を顧みることなく計画を進める安倍政権に、現地では反発の声が相次いだ。本土から沖縄を見つめる識者らの目にも、民主主義の危機が映る。
■懐深くすべきは国の方 古賀誠・元自民幹事長
辺野古一辺倒で押しまくっていいのか。いっぺん立ち止まり、半年なら半年凍結して、トップ同士で首相と知事がとことん議論するぐらいのことが必要ではないか。
民主主義は時間と手間が必要。無駄を排除してはいけない。後から見れば「何でこんなに遅くなったの」ということがあったとしても、それが民主主義の手続きだ。辺野古移設は国としての方向性だと私も思うが、地元の民意は大事にしなければいけない。調整こそ民主主義だ。北朝鮮のような一党独裁の国ではないのだ。
国と県では、横綱と前頭よりももっと大きな力の差がある。より懐を深くすべきは国、官邸だ。玄関先で「ダメ」と言ったら、話し合いにならない。自民党もしっかり議論しないといけない。今は政府の追認ばかりで、政党政治の劣化だと危惧している。
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〈こが・まこと〉 自民党ハト派の「宏池会」を率いた。2012年に引退した後は、保守の立場ながら安倍政権に厳しい発言も多い。
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■まず沖縄との対話必要 鈴木崇弘・城西国際大客員教授
民主主義では、民意と専門的な知見とのバランスをとることも必要。普天間問題は安全保障という専門性の高いテーマで、長い年月をかけて辺野古移設にたどり着いた経緯がある。
沖縄にもかつて、知事や名護市長が移設容認だった時期があり、昨年の知事選と衆院選でも容認候補に一定の投票があった。移設の是非は直近の選挙だけで決められるものではない。
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