大阪府教育委員会の陰山英男委員長(57)は13日、今月中に辞職すると表明した。松井一郎知事から「新しい体制をつくるために身を引いてほしい」と求められたとしている。

 陰山氏は同日夜に会見し、部下職員らへのパワーハラスメントを認定された中原徹氏(44)の教育長辞職にからみ、「私が(中原氏を)追い出したという評価が一部にあり、誤解が生じる場にこれ以上いたくないという思いもあった」などと説明した。陰山氏はパワハラ問題についての第三者委員会設置を主導するなど、中原氏に厳しい姿勢を取っていた。

 陰山氏はこの日、松井知事からいったんは教育課題の解決に取り組むよう求められたが、「教育長不在の中、非常勤の立場では実務的に手に負えない」と答え、教育委員と委員長を辞めると判断したという。

 陰山氏は橋下徹・大阪市長が府知事だった2008年に教育委員に就任し、12年から委員長を務めた。公立小学校で教諭や校長経験があり、「百ます計算」など反復学習を重視した指導法で知られる。