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日本のアニメ産業環境は厳しいのではない。”違法な劣悪環境”である。

本ブログでも何回かその翻訳を取り上げたくみかおるさんが※欄で紹介しておられた日本のアニメ業界に来たアメリカ人のお話ですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-abd9.html#comment-110345380

それで少々虫がいいのかもしれませんが、濱口先生のこのブログで今一度取り上げていただけないでしょうか。アニメマニア同士の閉じた議論に少しでも風穴を開けたいのです。

どういう話かというと、出発点はこの英文記事です。

http://www.cartoonbrew.com/artist-rights/japans-animation-industry-isnt-just-tough-its-illegally-harsh-110074.html(Japan’s Animation Industry Isn’t Just Tough, It’s “Illegally Harsh” Says American Artist)

これがTwitter上で紹介され、

http://togetter.com/li/794400

日本のアニメ産業環境は厳しいのではない。”違法な劣悪環境”である。
夢見ていた日本のアニメ産業で働いたアメリカ人アーティストが語る。週給$25(3000円)完全な奴隷労働者。

「はっきりしておきたいのは日本のアニメ産業は厳しいのではなく、違法な劣悪状態であるということ。彼らは最低賃金さえ払わず、現場で嘔吐し、病院に運ばれるまで長時間労働が課せる。締め切りに間に合わないと分かれば、。1ヶ月半1日の休みもなく働かされます。通常ですら週6、1日10時間勤務」

「私がニューヨークでアニメーターとして働いていた時は家賃も払えたし、自分のものを買ったり、”人生を生きる”時間もありました」

・・・・・・・

06111128_5397bedeedbb7そこでくみかおるさんが、「それでしっかりした議論のたたき台として、私の『ミッキーマウス~』小論をネットに公開したほうがいいと考え」、

http://www.godo-shuppan.co.jp/img/kokai/kaisetsu_kokai.pdf(訳者解説)

http://www.godo-shuppan.co.jp/img/kokai/atogaki_kokai.pdf(訳者あとがき)

を公開されたというわけです。

本ブログにおける紹介です。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-cfbe.html(『ミッキーマウスのストライキ!』)

このエントリの※欄で、私がこう述べた思いは変わっておりませんので、

読みながら、これをもっと膨らまして新書版くらいの分量で世間に出して読まれるべきだと強く感じました。

いま出版社は、労使関係とかいうとそれだけで尻込みするような感じですが、アニメ界の労使関係という切り口は突破口になりそうな気がします(もう一つはスポーツ界ですが)。知ってる人々が出てくるというのはすごく売りになるように思います。

そう、ジブリ関係の本を出しているところなんか、久美薫さんの本を出しませんか?(→中の人たち)

つまらん本を量産するより、よっぽど世のため人のためでしかもすごく面白い。

心ある編集者の方は、上のリンク先の訳者解説と訳者あとがきを読んで、考えてみてください。

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