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2015-03-13(Fri)

[]4種類のヒートマップ・動画分析・フォーム分析を備えた解析ツール「USERDIVE」を使ってみた

f:id:ryuka01:20150311223251j:image

2015年1月に社外取締役CAO (Chief Analytics Offcier)として就任したUNCOVER TRUTHが提供しているUSERDIVEを使ってみたので、ツールを紹介いたしますね。

今回のツールのレビューは関係者という立場でのレビューになります。いつも通り、率直な内容となっておりますが、事前にお断りさせていただきます。


ツールの概要

ヒートマップやフォーム分析、ユーザーの動きの動画再生機能などアクセス解析ツールでは対応出来ない、サイト内の改善を実現するためのツールとなります。PCサイト・スマホサイト・スマホアプリ全てに対応しており、高機能な分析ツールとなっています。


本ツールはアクセス解析の簡易な機能は用意されていますが、基本的にはGoogle アナリティクス・Adobe Analyticsなどのアクセス解析ツールとセットで利用する事が前提です。アクセス解析ツールを使って、サイト全体の傾向や改善対象ページを特定した後に、USERDIVEを使って更に深堀りし、ユーザーの行動を可視化をするという使い方が主になります。


例えば、フォーム入力ページの離脱をとっても、入力してから離脱したのか、入力せずに離脱したのかでは対策が大きく変わってきます。アクセス解析ツールだと、どちらも離脱扱いになってしまいます。しかし、USERDIVEを利用すれば、「ページのどこに注目し、どこまで見たのか」「フォーム内のどこをクリックしているのか」「項目ごとの入力率」「再入力率」「ユーザーの実際の入力の動き」などを確認し、より正確な原因特定と施策を打つ事ができます。


では、USERDIVEの機能と活用方法を詳しく見ていきましょう。



実装方法

アクセス解析ツールの計測方式と考え変えたは一緒です。決まった計測記述を計測対象ページに追加するという方式になります。

管理画面でタグの発行を行い、以下の記述を</BODY>の手前に追加いたします。

f:id:ryuka01:20150311215256j:image

上記の記述を追加するだけで、ヒートマップ・動画・フォーム分析など全てに対応いたします(アプリを中心に、必要に応じてカスタマイズの要素あり)。



全体のメニュー構成

ログイン後の画面ですが、以下のような画面となります。左側にメニューが有り、右側に図表という形式になっています。

f:id:ryuka01:20150311215740j:image

メニューは6つの項目があります。

プロジェクト:サイトの選択やトラッキングコードの発行に利用

ダッシュボード:アクセス解析関連の基本的な指標の表示(訪問者数・訪問回数・直帰率・新規数・ブラウザ・OS・デバイス・流入元などの情報)

導線分析:サイト内の遷移を見るためのレポート

ヒートマップ:利用者がどこをみてどこをクリックしているかを把握するためのレポート

ユーザー動画:サイトに訪れた人が、サイト内をどう動いているかを動画で表示するレポート

フォーム:フォームの入力や遷移をみるためのレポート

今回のレビューでは「導線分析」「ヒートマップ」「ユーザー動画」「フォーム」のレポートを紹介いたします。



導線分析

こちらが、導線分析の画面になります。

f:id:ryuka01:20150311220217j:image

URLを指定して、URL間の遷移と流入元・離脱先を確認することができます。どこから入ってきて、どこまで遷移したのか。Google アナリティクスなどでも見られる機能ですが、独自の特徴がいくつかあります。


1つ目は、10STEPを越える遷移を見ることができるということです。大きなサイトでない限り、ここまで細かく設定することは無いかもしれませんが、ソーシャルゲームのチュートリアルや、就職サイトのレジュメ登録・確定申告の入力など、遷移の数が多い登録や情報入力の分析には最適です。


次に特徴的なのは、遷移元・遷移先にある「Watch」のアイコンです。Watchアイコンを選択すると、後ほど紹介する「ユーザー動画」に遷移します。こちらでは、クリックしたWatchの該当条件(例:STEP1で特定ページに離脱した、STEPからSTEP3に遷移した)にマッチするユーザーの動きを動画で確認することができます。


最後の特徴はセグメントとフィルタ機能です。こちらはGoogle アナリティクスが提供しているアドバンスセグメントに類似した機能です。カスタムセグメントの機能はありませんが、基本的なセグメント条件は網羅されています。

訪問したページ

入口ページ

出口ページ

参照元サイト

マーケティングチャネル

キーワード

流入元

流出先

ブラウザ・OS・デバイス

国・地域

言語

訪問者別滞在時間

直帰率

見たページ数

新規/既存訪問者

定番の項目が並んでいますが、特徴的なのが「直帰率」の考え方です。通常「直帰率」は「流入したページだけ見てサイトから離脱した割合」ですが、USERDIVEでは3種類の「直帰」から選ぶことが出来ます。1ページだけ見て離脱したという条件に加えてハード(4秒以内に直帰)・ミーディアム(4秒〜10秒以内に直帰)・ソフト(10秒以上立ってから直帰)といった具合です。ページを開いてすぐ直帰したのか、ページにしっかり滞在してから直帰したのかを分けて判断することが出来ます。


以下の図は先程の導線に対して、「検索エンジン以外」と「検索エンジン」のセグメントを追加したレポートになります。

f:id:ryuka01:20150311220925j:image

このようにセグメントは横並びで比較することができます。また、セグメントとフィルタは同時に反映することも出来ます。ただし、セグメントに関しては同一系統のセグメントしか同時に設定することは出来ません(例:新規とリピートは横並びで確認できるが、新規とAというページから流入に関しては横並びで確認できません)。


活用方法

サイトで通って欲しい導線を導線分析で設定。通っている人と通っていない人を動画で確認し、どのような動きの違いがあるかを確認する。また、利用者が大きく離脱しているSTEPを発見し、その原因特定のためにヒートマップを活用する。これによって、改善箇所をピンポイントで発見することができるようになります。




ヒートマップ

USERDIVEの最も重要な機能でもある「ヒートマップ」レポートです。4種類のヒートマップを兼ね備えているのが特徴です。

それぞれを紹介していきましょう。


マウスヒートマップ

ページのどの部分をマウスオーバーしていたのかを表示するマップです。

f:id:ryuka01:20150311221448j:image

ページ上部のメニューと、下部にある料金プランの特に「費用」の部分を中心に注目されていることがわかります。

USERDIVEでは、ヒートマップに関してもフィルタを設定することが出来ます。以下のレポートは前述のヒートマップに「リピーター」というフィルタを設定したものです。

f:id:ryuka01:20150311222157j:image

リピーターの方は、料金表の部分の注力が全体と比較して弱い事がわかります。このようにファイルをかけることで、利用者の行動の特徴を把握することができます。



クリックヒートマップ

ページのどの部分がクリックされたのかを表示するマップです。

f:id:ryuka01:20150311222925j:image

各リンクごとのクリック情報や実際にクリックされた場所を表示してくれます。また、マウスオーバーするとクリックに関する以下の数値を確認するこことができます。

f:id:ryuka01:20150311223025j:image

クリック数

クリックまでにかかった時間

クリックした訪問者

マウスオーバー数

マウスオーバー順

マウスオーバー時間

マウスオーバーコンバージョン

マウスオーバーからクリックまでの時間

数値を確認することで「マウスオーバーしたけどクリックされなかった」あるいは「マウスオーバー時間とクリックまでの時間の差異を見る」といったことも可能で、クリエイティブの評価やリンクの具体的な改善ポイントを発見することができます。




ルッキングヒートマップ

ルッキングヒートマップでは、ブラウザ上でどの部分がユーザーに表示されていたかを元にしたマップを作成します。

f:id:ryuka01:20150311223251j:image

左側に表示されている棒グラフは、ページを縦に分割して、それぞれの表示時間が記載されています。なお、表示時間に関しては、縦の時間表時幅のピクセル内でマウスを動かしたり、クリック、タップしたり、スクロール開始、終了したりというウェブ上でのアクション時間の合計時間を積み上げたものになります。そのため、画面を開いたまま何もアクションしていない時間は含まれず、より実感値に近い時間を計測することができます。縦で分割をしているため、比較的縦長なページで有効活用することができます。


コンテンツのどこの部分が表示されているか(=興味をもたれているか)を把握するのに大変便利なヒートマップです。




スクロールヒートマップ

最後に紹介するのは、ページのどこまで何割の人がスクリールしたかをあらわすマップです。

f:id:ryuka01:20150311223528j:image

※わかりやすさのため縮小表示しています

100%/75%/50%/25%のところでラインが引かれており、どこまでスクロールして利用者に表示されているかを把握することができます。


使い方

単体のヒートマップだけで気付きを発見するのではなく、複数のヒートマップを比較することやフィルタを活用することで違いを浮かばせることができます。例えば「よく見られているけど、クリックされていないリンク」や「スクロールしている人は少ないけど、スクロールしている人はしっかり読んでいるコンテンツ」あるいは「PC・スマートフォンでの閲覧行動の違い」など、違いを発見する事を前提にしてレポートを活用するのが良いのではないでしょうか。



ユーザー動画

名前の通り、ユーザーがサイト内で取った動きを詳しく見ることが出来ます。同じAからBというページへの遷移でも、人によってページAで取る行動は変わってきます。ユーザーが実際にどのようにサイトを利用しているのか。これからの動きをしっかり追うことで、立てた仮説や行った分析を裏付けるための情報を入手出来ます(または、新しい仮説を生み出せます)。

以下が、動画一覧のトップページです。

f:id:ryuka01:20150311223828j:image

1行あたり1訪問となり、閲覧ページ数・ルッキングタイム(滞在時間)・入口ページ・直帰率の種類・初回訪問・発生したイベントなどが表示されます。再生ボタンを押すと動画を確認することができ「+」ボタンを押すと、該当訪問の各ページの遷移情報を以下の通り確認できます。

f:id:ryuka01:20150311223923j:image

滞在時間・ロード時間・スクロール率など細かい情報をページ単位で確認することが可能です。


では、動画閲覧画面を確認してみましょう。

f:id:ryuka01:20150311224033j:image


上部にコントロールパネルが表示されており、動画の再生・停止・再生速度などの調整を行なうことが出来ます。ページ下部ではページが表示され、ユーザーの動きにあわせて動いています。

実際にどのような動きとなっているかは、以下のYouTube動画をご覧ください。

D


使い方

ユーザー動画は何となく見るのではなく、特定の条件同士で比較する(コンバージョンユーザー VS 非コンバージョンユーザー ページ下部スクロールユーザー VS TOPだけ見ているユーザー)ことが大切です。アクセス解析ツールなどではわからない、ユーザーの本当の行動を可視化することができます。



フォーム分析

最後に紹介するのはフォームの入力率などを確認できる、フォーム分析機能です。

f:id:ryuka01:20150311224422j:image

このようにフォームが存在するページのURLを指定すると、フォームに関する情報を確認できます。コンバージョンレポートでは、訪問者に対して 1)入力せずに流出した割合 2)入力したが送信しなかった割合 3)送信したが失敗して離脱した割合などを確認できます。アクセス解析ツールでは、1)〜3)まとめて離脱扱いになりますが、USERDIVEでは離脱の原因や傾向をこのレポートで特定することが出来ます。


他のレポートでは、各項目の未入力率・入力にかかった時間・再入力の有無などを入力項目単位で確認することが可能です。これによって、フォームの改善ポイントをより具体的に特定できます。またユーザー動画とも相性が良く、フォームで離脱している人の動きを動画で確認し原因特定に役立てることができます。



改善ポイント

ツールとして、まだ改善の余地がありそうなところがいくつかありました。この辺が改善されれば、更に使いやすく・役に立つのではという項目をあげます。まずUI面で気になったのは、選んでいるメニュー・フィルタ・セグメントがレポート画面でわかりづらいのは課題かなと感じています。セグメントやフィルタはボタンを押さないと現在の設定が確認出来ないのは不便かなと。本ツール上で目標設定ができると、よりサイトのゴールにフォーカスした分析が実現できそうだと感じました。また、ヒートマップを横並びで表示して分析するといったレイアウトも欲しいですね(アプリ版では対応済み)。


アクセス解析ツール的な機能は、既存アクセス解析ツールを利用すればよいので、それらツールと連携できると嬉しいです。セグメントの相互利用や、ヒートマップをベースにしたA/Bテストの実施などができると、改善作業が捗りそうです。後は簡単なダウンロード機能はあるものの、レポート配信やカスタマイズできるダッシュボード機能、特定ページのヒートマップやレポートにワンクリック(あるいは特定URL)できる機能があると、分析の時間削減につながるかと。


本文で紹介しきれなかった機能で、これは!と思った機能が、ユーザーの動きのローデータをダウンロードできるというものです。

f:id:ryuka01:20150309175352j:image

CookieをベースにしたユーザーID × ページごとのアクセス情報を取得できます。1ページビュー=1行となっており、以下の項目が取得できます。

visitor_id

visitor_no_of_pageviews

visitor_traffic_type

visitor_device_type

visitor_device

visitor_os

visitor_browser

visitor_country

visitor_language

visitor_new

visitor_latest_visit

visitor_first_visit

visitor_engagement

visitor_bounce

visitor_referrer

visitor_entry_page

visitor_events

pageview_order

pageview_recording_start

pageview_engagement_time

pageview_mouse_clicks

pageview_mouse_moves

pageview_taps

pageview_screen_size

pageview_display

pageview_referrer

pageview_url

pageview_load_time

pageview_scrolled

pageview_keywords

pageview_marketing_channel

pageview_traffic_source

pageview_events

pageview_recordings

魅力的なデータがたくさんあり、このデータを更にExcelやRなどを使って分析したら、いろいろ面白い気付きがありそうです(いつかチャレンジして記事にしてみようと思います)。




最後に

今回紹介できなかったアプリ版や、ヒートマップを使った具体的な分析手法などについても、別の機会で紹介いたしますね。


アクセス解析ツールがここ5年間で浸透してきて多くのサイトで利用されるようになりました。この次のステップとして、サイト内をしっかり分析するためのヒートマップやユーザーの動画分析が、これから重要になってくるのではないでしょうか。ヒートマップやユーザー動画は「伝わりやすさ」は抜群です。しかし、ヒートマップ関連のツールも、アクセス解析ツール同様、仮説設計や施策までの落とし込みが大切になってきます。まだ、ノウハウも少なくこれからの分野ですが、アクセス解析に続くウェブサイトの分析ツールとして、今後ニーズは増していくのではないでしょうか。そこに少しでも貢献出来ればと考えております。



USERDIVEに興味ある方は、公式サイトより申し込みいただくか、直接私にご連絡ください。

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